2022年8月13日土曜日

東京都美術館 企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」

 東京・上野公園の東京都美術館では企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」が開催されています。




今回の企画展は、デザイン大国として知られるデンマークの中でも、ひときわ美しい家具をデザインしたフィン・ユール(1912-1989)の椅子の魅力に迫る展覧会。

見た目もよくて、座り心地もよい椅子の数々が展示されているので、夏の暑い日差しの中、ほっとできるオアシスを見つけたような、とても雰囲気のよい空間が会場内に広がっています。

それではさっそく展覧会の見どころをご紹介したいと思います。


展覧会概要


会 期   2022年7月23日(土)~10月9日(日)
会 場   東京都美術館ギャラリーA・B・C
休室日   月曜日、9月20日(火)
      ※ただし、8/22(月)、8/29(月)、9/12(月)、9/19(月・祝)、9/26(月)は開室
開室時間 9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室 金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料  一般 1,100円、大学生・専門学校生 700円、65歳以上 800円
     ※高校生以下は無料
     ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康
      手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
     ※いずれも証明できるものをご持参ください。
     ※10月1日(土)は「都民の日」により、どなたでも無料。
     ※特別展「ボストン美術館展 芸術×力」のチケット提示(半券可)にて各料金
      より300円引き(1名1回限り、他の割引とは併用できません)

※事前予約は不要です。ただし、混雑時に入場制限を行う場合があります。

展示構成
 第1章 デンマークの椅子-そのデザインがはぐくまれた背景
 第2章 フィン・ユールの世界
 第3章 デンマーク・デザインを体験する

※展覧会の詳細は同展公式サイトでご確認ください⇒フィン・ユールとデンマークの椅子

※会場内は一部エリアを除き撮影禁止です。掲載した写真は報道内覧会で美術館より特別の許可をいただいて撮影したものです。



見どころ1 オシャレなデンマーク家具が見られる!



こんなオシャレな椅子なら、音楽を聴きながら読書をしたり、いつの間にかうたた寝をしたりしていつまでも座っていられそう。

第1章展示風景


昼の時間が短かく、長い間続く冬に室内で過ごすことが多い北ヨーロッパのデンマークで生み出されたオシャレな家具ですが、熱中症にならないように日中は外に出ないで家の中で過ごす人も多くなっている今の日本にもピッタリかもしれません。

第1章では、1930年代から1960年代にかけて製作された、色も、形も、素材もさまざまな椅子が展示されていて、「家に置くならどの椅子がいいかな。」と想像をふくらましながら楽しくデンマークの家具デザインの歴史をたどることができます。

第1章展示風景

家具のショールームではありませんが、落ち着いた照明がいい雰囲気を演出しています。

第1章展示風景


見どころ2 心地よさが広がるフィン・ユールの世界

 

どんなにオシャレな椅子でも、座り心地がよくなければ良い椅子とは言えません。
こちらはフィン・ユール邸の室内を再現した空間。

フィン・ユールが自宅で椅子に座る写真も展示されていました。
きっと自分で座ってみてデザインのアイデアを膨らませていたのですね。

第2章展示風景


コペンハーゲン北のオードロップゴーに建つフィン・ユール邸は、現在では一般に公開されているとのことなので、いつかは現地に行ってみたくなりました。

第2章展示風景

「織田コレクション」に注目!

今回の企画展は、東海大学名誉教授の織田憲嗣氏が長年にわたり収集してきた20世紀家具や日用品の「織田コレクション」が東京でまとめて紹介される初めての機会。
世界的にも名高い「織田コレクション」をお見逃しなく!

第2章展示風景




見どころ3 デンマーク・デザインが体験できる!



展覧会では、展示作品を撮影できることはあっても、さわったりすることはできません。
ところが今回の企画展では、実際にデンマーク・デザインの椅子にさわるだけでなく、座って記念写真を撮るエリアも用意されているのです。

展示会場のうちギャラリーB「第3章 デンマーク・デザインを体験する」が椅子に座って写真も撮れるエリアです。

色々な形の椅子に座って座り心地を比べたり、

第3章展示風景


自宅でくつろいでいるような気分で画面に流れる映像を見たり、

第3章展示風景


オフィスにこんなスペースがほしいな、と思ったり、

第3章展示風景

デンマーク・デザインを実際に体感して、ぜひSNSで発信して展覧会を盛り上げて行きましょう!


なぜ東京都美術館でデンマーク・デザインの展覧会?

それには理由がありました。
2012年のリニューアルオープンを機会に、佐藤慶太郎記念アートラウンジと美術情報室にデンマーク・デザインの家具が置かれたので、それ以来、東京都美術館はデンマーク・デザインとのご縁があったのです。

佐藤慶太郎記念 アートラウンジ ©東京都美術館

東京都美術館には美術展を見に来ることは多いのですが、次回はアートラウンジや美術情報室にも入って、デンマーク・デザインの心地よさを体験したいと思いました。


美術情報室 ©東京都美術館


デンマークの椅子はデザインがいいだけでなく、丈夫で長持ち。
長く使われて次世代に引き継がれていくので、SDGs(持続可能な開発目標)が提唱される現代においてもその理念は立派に通用するものなのです。

オシャレなデザインのデンマークの椅子がたくさん見られて、フィン・ユールの世界が楽しめて、デンマークの椅子の座り心地が体験できる、とても素敵な展覧会です。

東京都美術館では特別展「ボストン美術館展 芸術×力」が同時開催中。

紹介記事はこちらです。

【あの二人が帰ってきた!】特別展「ボストン美術館展 芸術×力」は見どころいっぱい

どちらの展覧会もおススメです。ぜひご覧ください!