2013年9月16日月曜日

ドイツ・ゲーテ紀行(18)

9日にミュンヘンから帰ってきました。
今回はかなり欲張って朝から晩まで歩き回ったせいか、かなり体に負担がかかったようで、1週間たってもまだ疲れがとれなくて困っていたのですが、ようやくブログを更新する元気が出てきました。
前回のブログではあと2回ぐらい、とお伝えしましたが、あと1回で終わりそうなので、今回が「ドイツ・ゲーテ紀行」の完結編です。
「バイエルン美術紀行」の方は写真の整理をしてから連載を始めさせていただきますので、しばしお待ちください。


平成24年9月9日(日)続き
ホテルの部屋でゆったりとお昼を食べた後は、新装なったシュテーデル美術館に向かった。お目当てはフェルメールの「地理学者」。




実はこの作品、平成23年の春に渋谷のBunkamuraで開催されていた「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」で来日したときには、フェルメールの作品はこの一点だけだったので見に行かなかったが、あとになってどうしても見たくなったという「気になる作品」だった。
(このときのいきさつは以前のブログに書いたのでご参照ください)
 ↓
http://deutschland-ostundwest.blogspot.jp/2012/04/19.html

そこで館内に入って真っ先に向かったのが「地理学者」のある部屋。
部屋に入ると、中には私のほかに誰もいない。
一人だけでフェルメールの作品と向き合う何とも贅沢な時間。

この年に来日したフェルメールの作品が6点、そしてすべてのデジタル複製をフェルメールセンターで見ることができたというおそらく最初で最後の「フェルメール・イヤー」(詳しくは上記のブログをご参照ください)。
ここフランクフルトの地でようやく「地理学者」に会い、「フェルメール・イヤー」の最後を飾ることができて大きな満足感にひたることができた。

シュテーデル美術館では、イタリア旅行中のゲーテのくつろいだ姿を描いたティッシュバインのl「カンパーニャのゲーテ」も見逃せない(ゲーテ・ハウスに併設された博物館にあるものはレプリカ)。

そこで、シュテーデルでのおみやげはこれ。


上はティッシュバインの「カンパーニャのゲーテ」。下はアンディ・ウォーホールがさまざまな色調で描いたゲーテの肖像画のうちの一つ。この色調が一番気に入った。


シュテーデル美術館を出たのが5時半くらいだったが、この日も暑くて乾燥していたし、だいぶ歩いたのでもうビールが飲みたくなった。
ということで、フランクフルト最後の夜は、ビアレストランが集まるザクセンハウゼン。
どの店にしようかなと通りをぷらぷら歩いていたが、


やはりイタリア料理が食べたくなったので、入ったのは「ベラ・ナポリ」というイタリア料理店。



私が座ったのは右手前のテーブル。
まずはドイツ旅行最後の夜に乾杯。

注文した料理はチーズたっぷりのペンネ。
チーズの塩味がビールとよく合うので、ビールも進む。

この店を切り盛りしているのは30歳代くらいのイタリア人の若いお兄さん。
道行く知り合いにイタリア語で声をかけたり、向かいの家のイタリア人の若い男性がピザの出前を注文しにきたりと、この店はけっこう地元のイタリア人社会に根付いているようだ。

食事も終わり、「お勘定お願いします(Zahlen,bitte)」とドイツ語でお兄さんに声をかけたところ、後ろに座っていたおじさん(3つ上の写真に写っている人)が、人差し指を左右に振りながら「違う、そういうときは"il conto per favore"と言うんだ」と訂正してくれた。
何だかイタリアに来ているような気がしてきた。

帰り際、「友人にも宣伝する」と言ってテーブルの上に置いてあった店の名刺を何枚か持っていこうとすると、「待て」と言ってお兄さんは店の奥に引っ込んでいった。
何かと思ったら、店の名刺をごそっと持ってきて、「みんなに宣伝しろ」と言う。
親しい友人たちには飲み会などで名刺を配ったが、ブログで宣伝するのが1年後になってしまった。お兄さん遅くなってごめんなさい。そのかわりここでしっかり宣伝しますね。

お店の人の感じも良くて、ビールも料理もおいしくて、値段も手ごろだし(料理とビール2杯で約16ユーロ)、ザクセンハウゼンに来たら「ベラ・ナポリ」。
自信をもっておススメします。

夜の8時前。
ドイツの夜はまだ明るい。



ほろ酔い加減の私は、マイン川の心地よい風に吹かれながらホテルまでの道を歩いていった。
(「ドイツ・ゲーテ紀行」おわり)