2019年4月29日月曜日

静嘉堂文庫美術館「日本刀の華 備前刀」

武蔵野の面影を残した東京・世田谷の岡本の森にある静嘉堂文庫美術館では、「刀剣王国」備前で作られた備前刀の展覧会が開催されています。


開催概要
会期  4月13日(土)~6月2日(日)
休館日 毎週月曜日(ただし4/29、5/6は開館)、5/7(火)
開館時間 午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料 一般 1000円、大高生 700円、中学生以下 無料
※20名様以上の団体は200円割引
関連イベントも充実してます。詳細は静嘉堂文庫美術館公式ホームページでご確認ください。
 
刀剣といえば、「刀剣女子」で注目を集めて、今ではすっかり刀剣人気も定着していますが、今回展示されているのは100パーセント備前刀。刀剣ファンにはたまらない展覧会ですが、それぞれの刀剣の丁寧な見どころ解説のパネルがあって、私のように刀剣にあまり詳しくないアートファンにもやさしい工夫がされています。

それでは、ブロガー内覧会に参加したときの様子をお伝えしながら、展覧会の見どころを紹介したいと思います。
※展示会場は撮影不可です。掲載した写真は内覧会で美術館より特別の許可をいただいて撮影したものです。

はじめに「日本刀の華 備前刀」トークショーがありました。
出演は、日本刀剣保存会 幹事の吉川永一さん、静嘉堂文庫美術館 学芸員の山田正樹さん、そしてナビゲーターは人気アートブログ「青い日記帳」のTakさんです。
※トークショーの様子は、展示室に移ってからの吉永さんの解説や、山田さんのギャラリートークを交えて構成しています。

刀剣の手入れは大変です

Takさん はじめに刀剣の保存についてお話いただけますでしょうか。
吉川さん 刀剣の一番やっかいなのは、素材が鉄であるということです。何しろ鉄は錆びるのが仕事ですから。
 具体的には、年4回、季節の変わり目に塗ってあった油をとって、油を塗り直します。湿気のあるところだと、月1回、この作業を行う必要があります。
山田さん 油は、錆びを止めるための酸化被膜で、油を錆びさせて、刀を錆びさせないようにしているのです。
Takさん 刀剣の保存は大変ですね。
吉川さん よく時代劇で白くて丸いものでポンポンと刀をたたいて手入れしている場面が出てきますが、今ではあまり使われていません。白い物の中には打ち粉といって砥石の粉が詰まっていて、その粉が刀の表面の細かい凹凸に入ってしまって、取るのが大変で、取るときに傷がついたりするのです。今では主にうすめたエタノールを使っています。

展示風景


備前刀は日本刀の華

Takさん 今回の展覧会のタイトルは「日本刀の華 備前刀」ですが、備前刀はメジャーな存在なのですね。
山田さん 刀は大きく分けると、平安時代から鎌倉時代を経て慶長年間までが古刀、それ以降を新刀といいます。そして、五箇伝といって、全国で5カ所のメジャーな生産地があって、それが山城、大和、備前、相模(相州)、美濃なのですが、中でも備前が群を抜いて生産量、刀工の数が多かったのです。
Takさん 備前刀の魅力は?
吉川さん 平安時代後期から鎌倉時代につくられた「古備前」は腰反りが高く、堂々とした太刀姿をしています。また、小乱れの中に丁字が目立つ華やかな刃文が見られます。
(刃文(はもん)は刀身の波模様で、丁字は沈丁花のつぼみが重なり合った形で、それが小さいものが小乱れといいます。)
山田さん 古備前の魅力は「直刃調(すぐはちょう)の小乱れ」(刃文がまっすぐに見えるようでちらちらっと乱れている様子)と言われています。
「古備前」の展示風景
吉川さん 私のおススメは、「古備前国継太刀 銘 國継」(作品№4 重要美術品 静嘉堂文庫美術館)です(上の写真の右)。「生ぶ(うぶ)」といって、作られた当時から一度も砥がれることがない太刀で、横から見ると、鎺(はばき)のところに隙間がありません。何回も砥がれた太刀だと、ここに隙間ができるのです。
(鎺は、刀身が鍔(つば)に接する部分にはめる金具)

日本刀には見方があった!

展示室内では実際に、吉川さんから刀剣の見方を教わりました。
まずは、横から鎺のところを見て、隙間があるかどうか見ます。隙間がなければ「生ぶ」です。そして、腰をかがめて、刃身の高さに目線を合わせて体を左右に動かして、刃文を見ます。
私が見たときは、刀身に上からの照明が当たって、刀身に映る日の出を見ているようでした。
こういう見方をすると、「あの人、かなりの通だな」と思われるかもしれないので、試してみてはいかがでしょうか。

吉川さんのもう一振りのおススメは、静嘉堂文庫美術館所蔵の刀剣で長さが一番長い「鵜飼雲生太刀 銘 雲生」(作品№27 重要美術品 静嘉堂文庫美術館)です。
(下の写真左から二振り目が「雲生」)


吉川さん 全部で31振り展示されていますが、「これが一番気に入った」という見方でいいのではないでしょうか。

刀剣を見るポイントはいくつもあるようですが、自分のお気に入りの刀剣をさがすのも一つの楽しみかもしれません。

私も自分のお気に入りをさがしてみました。
一番のお気に入りは、堂々とした風情のある「長船長光太刀 銘 長光」(作品№19 静嘉堂文庫美術館)でした。(下の写真右)

 

備前刀でも地域によって違いがある

Takさん 備前の中でも地域によって違いがあるのですね。
山田さん 備前には大きな川が3本流れていて、一番東の吉井川流域には、鎌倉時代初期に備前福岡に拠点を構えた「一文字派」、鎌倉時代中期に登場した「長船(おさふね)派」がありました。
一番西の旭川流域には独特の流派であった「鵜飼派」がありました。
Takさん やはり川の流域できれいな水が必要だったのですね。
山田さん 刀剣の産地の要件として、原料の砂鉄がとれること、火を使うので燃料の木が採れること、焼き入れの時に必要な水があること、そして、運搬するときの水運や交通の要衝であることなどです。
Takさん 「一文字吉房太刀 銘 吉房」(作品№15 静嘉堂文庫美術館)の波模様のような刃文は見事ですね。
山田さん 私は織田信長が所持していたと伝わる「古備前高綱太刀 銘 高綱」(作品№3 重要文化財 静嘉堂文庫美術館)です。まさに古備前の魅力を伝えている一振りだと思います。
唯美的な一文字派は、鎌倉時代中期に隆盛を誇りましたが、元寇のときにまさに「太刀打ち」できませんでした。その後、隆盛したのが実用性に優れた長船派でした。
Takさん 「肌(刀の地鉄(ぢがね))」の部分も違いますね。
吉川さん 備前刀は杢目(もくめ)肌(樹木を横に切った時の年輪のような模様)が多いです。
山田さん 作品№29から31は低いケースに入っているので、じっくりご覧になっていただければと思います。


Takさん どうもありがとうございました。それではさっそく展示室で備前刀の魅力を楽しんでいただければと思います。(拍手)

さて、展示室に移ることにしましょう。

見どころがよく分かる解説パネル

冒頭でもふれましたが、それぞれの刀剣の由来や見どころが解説パネルに書かれているので、刀剣に詳しくない人でも、一振りごとの刀剣の魅力を楽しむことができます。

例えば・・・
作品№6「嘉禎友成太刀 銘 五月六日友成」(重要文化財 静嘉堂文庫美術館)


「友成」は徳川将軍家から小石川伝通院に伝来したもので、もとは「嘉禎三季(嘉禎3年、1237年 鎌倉時代)」との銘がありましたが、明治初期に流出したときに、平安中期の有名な刀工・友成の作とするため潰された、とのエピソードが紹介されています。
実際に中心(なかご 柄で隠れる部分)を見ると、不自然に削ったような跡がわかります。


そして、もう一枚のパネルがそれぞれの刀剣の見どころ。
これを見ながら「この腰反りの高いところがいいんだよな。」とうなずきながら独り言を言えば、あなたはもう刀剣マニア!(笑)


これだけ丁寧な解説をつくられた担当学芸員の山田さんの苦労がしのばれます。
山田さん、ありがとうございます!

関連イベントも充実

①②は聴講無料。当日の開館時より整理券配布(1名様につき1枚限定)、整理券の番号順にお入りいただきます。

①講演会
5月26日(日) 午後1時30分~ 地階講堂にて 定員120名
「静嘉堂の備前刀について」 吉永永一氏 (日本刀剣保存会 幹事)
~今回のトークショーに出演された吉永さんのお話です。刀剣について、とてもわかりやすい解説が聴けます。

②河野元昭館長のおしゃべりトーク
5月5日(日) 午後1時30分~ 地階講堂にて 定員120名
「浦上玉堂-酒仙画家」饒舌館長 口演す
~河野館長の気さくで楽しいお話が聴けます。

③職方実演会
5月18日(土) 午前10時~12時、午後1時~4時30分(職方の休憩時間以外は随時ご覧いただけます) 地階講堂にて
「日本刀にたずさわる職方の技」
水野美行氏(日本刀鞘師)、小澤茂範氏(刀匠)、川上陽一郎氏(研師)
観覧料 300円(当日受付にて販売、別途当日の入館料が必要です)
  
④列品解説
5月9日(木)、5月23日(木) 午後2時~
6月1日(土) 午前11時~

⑤静嘉堂コンサート
5月11日(土) 午後2時開演(午後1時30分開場) 地下講堂 自由席100名
「100万人のクラシックライブ」~ヴァイオリンとピアノの二重奏~
堀脩史(ヴァイオリン)、岩下真麻(ピアノ) 
ロンドンカプリチオーソ(サン・サーンス)、「真田丸」のテーマ他
※参加料:1,000円(別途当日の入館料が必要です)
※要事前予約

⑥静嘉堂ガーデン(ビアガーデン&カフェ)
4月27日(土)~5月6日(月・振替) 午前11時~午後4時30分(雨天中止) 静嘉堂文庫美術館前庭にて
ビアガーデンとカフェを開店!
二子玉川クラフトビール、おつまみ、スイーツをお楽しみください。
入館料が半額となるお得なセット券を販売しています。

詳細は静嘉堂文庫美術館公式ホームページでご確認ください。

もう一つ大切なものを忘れてはいけません!

そうです。世界に三碗しかなくて、全部日本にあって国宝で、それも今はほぼ同時期に国内の美術館・博物館で公開されている曜変天目茶碗です。
※ロビーも撮影禁止です。こちらは内覧会で特別の許可をいただいて撮影したものです。

国宝「曜変天目」


静嘉堂文庫美術館で公開されているのは、稲葉家に伝来したことから「稲葉天目」といわれる曜変天目茶碗。
ロビーに展示されていて、窓の外には緑が広がり、天気がいい日には富士山を背景に曜変天目を見ることができるかもしれません。

国宝「曜変天目」三碗コンプリートの旅については、「いまトピ~すごい好奇心のサイト~」にコラムを書いていますので、こちらもぜひご覧になってください。
ペンネームはyamasanです。

【三碗コンプリート!】国宝「曜変天目」関西~東京三館めぐりの旅に行ってきた。

2019年4月28日日曜日

山種美術館「花・Flower・華 -四季を彩る-」

東京・広尾の山種美術館では、花いっぱいの展覧会「花・Flower・華-四季を彩る-」が開催されています。


春の花、夏の花、秋の花、冬の花、会場内は色とりどりに描かれた花で埋めつくされています。見ているだけで幸せな気分になる展覧会です。

それでは、さっそく先日参加した内覧会の様子を紹介しながら、展覧会の魅力をお伝えしていきたいと思います。
展覧会概要はこちらです。ギャラリートークもありますので、日時はこちらでご確認ください→山種美術館公式サイト
※掲載した写真は内覧会で特別の許可をいただいて撮影したものです。

展示室内を案内していただいたのは、山種美術館特別研究員の三戸さんです。

はじめに日本絵画の流れの中で、花鳥画の位置づけについてのお話がありました。

「東アジアの絵画の三大画題、人物、山水、花鳥のうち、人物、山水は近世と明治以降では様変わりしましたが、花鳥は伝統との距離が近いジャンルです。」
「日本では、中国・宋代の院体画の流れと、琳派の流れの二大潮流がありました。」

第1会場に入ってすぐに私たちをお出迎えしてくれるのは、月の光の中に浮かぶ梅がとてもきれいな酒井抱一《月梅図》。

酒井抱一《月梅図》(山種美術館)
梅といえば「光琳梅」といわれるほど琳派のアイコンの一つ。
月は下地の白を残して塗らずに、まわりに金泥を塗って月のほのかな光を表す「外ぐま」という水墨画の表現で描かれています。

続いて、春から夏にかけての花の作品を見ていくことにしましょう。

第1章 春から夏、輝く季節

はじめに、小林古径《鉢花》と奥村土牛《木蓮》。

左から、小林古径《鉢花》、奥村土牛《木蓮》(いずれも山種美術館)

「小林古径の《鉢花》は、切り花を描いた珍しい作品です。花を描くのを得意とした古径は、大正中期から昭和10年代にかけて陶磁器と花、陶磁器と果物を題材に絵を描きました。」
「奥村土牛の《木蓮》は、花や木の一部を切り取って画面に描いたもの。このように、折った花や木を描いいたり、画面に花や木の一部を切り取って描く作品は宋代院体画の「切枝画(せっしが)」の流れを汲んでいます。」

続いて、春の花といえば「桜」。

右から、横山大観《山桜》、渡辺省亭《桜に雀》、
小茂田青樹《春雨》(いずれも山種美術館)
花鳥画を得意とした渡辺省亭の《桜に雀》。
大観といえばやはり《山桜》。

そして小林古径の「切枝画」。

小林古径《桜花》(山種美術館)
どの作品にもそれぞれの画家の個性が出ています。

続いて「牡丹」のコーナー。

こちらは菱田春草《白牡丹》。
「牡丹と蝶という伝統的な画題です。」と三戸さん。
淡い色で描かれているので、よ~く見ないと見逃してしまいます。

今回の展覧会ではこの作品だけ写真撮影可です。ぜひ記念に一枚!

菱田春草《白牡丹》(山種美術館)

こちらは渡辺省亭の《牡丹に蝶図》。
「満開の牡丹と、はらはらと花が落ちる牡丹が描かれていて、一枚の絵の中に時間的なプロセスが盛り込まれています。」

渡辺省亭《牡丹に蝶図》(個人蔵)

ここにも小林古径の「切枝画」が!
白い花と鳥の瑠璃色の色合いがすばらしいです。

左 小林古径《白華小禽》、右 結城素明《躑躅百合》
(いずれも山種美術館)

花のユートピア

このコーナーには四季の花鳥を描いた作品が展示されています。

はじめに岸連山《花鳥図》。
富貴を象徴する牡丹、縁起ものの松竹梅、それに五客(中国・宋の宰相、李昉が飼った、鶴、白鷳(はっかん)、鸚鵡、孔雀、白鷺)といった吉祥を表す花鳥が描かれたおめでたい屏風です。

岸連山《花鳥図》(山種美術館)

続いて荒木十畝《四季花鳥》。
画面いっぱいに花が描かれていて、一見したところアール・ヌーボー調で、「ミュシャでは」と思ってしまいますが、春の水流の流れやたらしこみは琳派風、秋は菱田春草の《落葉》(福井県立美術館他が所蔵)のよう、冬の鳥は花鳥画を得意とした中国明代の宮廷画家・呂紀のよう。
「荒木十畝が古典を熱心に勉強していたことがわかります。」と三戸さん。


荒木十畝《四季花鳥》(山種美術館)
右から、春(華陰鳥語)、夏(玉樹芳艸)、
秋(木梢文錦)、冬(山澗雪霽)

第2章 秋と冬の彩り、再び春へ

時代によって赤色のもつ意味合いは異なりました。

酒井抱一の時代は、赤は秋の色。

左から、酒井抱一《秋草図》《菊小禽図》(いずれも山種美術館)
一方、明治の洋画家にとって、赤は夏の色でした。
下の写真左は赤いバラを描いた中川一政の《薔薇》(こちらは「夏」のコーナー)。

左から、中川一政《薔薇》(山種美術館)、
山口蓬春《梅雨晴》《唐壺芍薬》(山種美術館)
(©公益財団法人JR東海生涯学習財団)

冬といえば、春の訪れを待つ梅。
竹内栖鳳の《梅園》です。

竹内栖鳳《梅園》(山種美術館)

花と人

第2展示室は花と人物。
「上村松園の特徴は、花の色を控え目にして、美人を目立たせることです。」と三戸さん。

右 上村松園《春芳》、左 新井勝利《杜若》
(いずれも山種美術館)
「桜の花見の三幅は、江戸時代の浮世絵のアプローチが見られる作品です。」と三戸さん。
上村松園《桜可里》で女性が桜の枝をもつところは菱川師宣、菱田春草《桜下美人図》の中央の女性の姿は《見返り美人》(菱川師宣筆 東京国立博物館)、渡辺省亭《御殿山観花図》で女性が帯に手を入れているところは歌川広重の影響が見られます。
右から 上村松園《桜可里》、菱田春草《桜下美人図》(以上、山種美術館)、
渡辺省亭《御殿山観花図》(個人蔵)

花がテーマの展覧会なので、Cafe椿のコラボスィーツもひときわおしゃれです。


中央が「春いろ」(横山大観《山桜》)、右上から時計回りに、「鳥きたる」(荒木十畝《四季花鳥》のうち 春(華陰鳥語))、「花香る」(小林古径《白華小禽》)、「雨あがり」(山口蓬春《梅雨晴》©公益財団法人 JR東海生涯学習財団)、「華の王」(菱田春草《白牡丹》)。 *作品はすべて山種美術館蔵。

お抹茶セットで1,100円(税込)です。

そして、今回は特にアプリゲーム「明治東京恋伽~ハヰイカラデヱト」(通称:「めいこい」)とのコラボで菱田春草と横山大観をイメージした特別メニューが用意されています。
※1回の会計につき、お一人様1セットのみ
 1セット1,400円(税込)
 セット内容
  春草セット(和菓子「華の王」、お抹茶、特製コースター1枚)
  大観セット(和菓子「春いろ」、お抹茶、特製コースター1枚)
  特製コースターは11種より1種、ランダム配布)


さらに関連グッズも充実!
地下1階のミュージアムショップで販売しています。



こちらは花いっぱいのグリーティングカード。1枚350円+税ですが、5枚セットだと1,400円+税で、1枚分お得です。


そしてこちらがめいこい缶バッジ。1枚500円+税です。


さて、四季を彩る花いっぱいの展覧会はいかがだったでしょうか。
花の絵をたくさん見て、花をモチーフにした和菓子を食べて、思い出に花いっぱいのオリジナルグッズやめんこいグッズを買って、何倍にも楽しめる展覧会です。

6月2日(日)まで開催しています。初夏のいい季節におススメの展覧会です。

展覧会概要
 会 期  4月6日(土)~6月2日(日)
 休館日  月曜日*但し、4/29(月)、4/30(火)、5/6(月)は開館、5/7(火)は休館
 開館時間 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
 入館料 一般 1200円ほか
 (各種割引があります。詳細は山種美術館公式サイトでご確認ください。)






2019年4月17日水曜日

ラファエル前派の軌跡展 in 三菱一号館美術館

「美しい、だけじゃない。」

思わせぶりなキャッチコピーが気になる展覧会「ラファエル前派の軌跡展」が東京丸の内の三菱一号館美術館で開催されています。



「ラファエル前派の軌跡展」は、イギリスの社会思想家で美術評論家のジョン・ラスキン(1819~1900)の生誕200年を記念して開催された展覧会。
展示室内には、当時、ラスキンが擁護したターナーやラファエル前派の画家たちの作品、そして自分でも絵を描いたラスキンの作品が展示されています。

入口入ってすぐのターナーの作品も「美しい」。

そしてミレイの作品も、ロセッティの作品も「美しい」。

しかし、キャッチコピーは「美しい、だけじゃない。」。
「美しい」以外に何があるのか?

それでは、先日開催されたブロガー内覧会に参加したときの様子をご紹介しながら、「美しい以外の」何かを探っていきたいと思います。

※館内は一部を除き写真撮影不可です。
※掲載した写真は、美術館から特別に許可をいただいて撮影したものです。

内覧会では、今回の展覧会を担当された三菱一号館美術館学芸員の野口玲一さんと、アートブログ「青い日記帳」主宰のTakさんのトークがありましたので、トークを聞きながら展示室内の作品を見ていくことにしましょう。
(展示の構成上、話の順番を少し入れ替えています。)

Takさん 今回の展覧会は、当初の企画では「ラファエル前派展」ではなかったそうですね。
野口さん きっかけはラスキン生誕200年記念でしたが、19世紀にはよく知られていたラスキンの名前は、現在ではあまり知られていないので、もっと有名なタイトルをつけようということで「ラファエル前派展」としたのです。展示はラファエル前派より広く、ラスキンとかかわりのあった画家の展覧会と言えるでしょう。
Takさん ツィッターでは「ラファエル前派展なのに何でターナーの絵があるの?」とのツィートも見かけますが。
野口さん 当時はきっちり描いている絵が評価されていたので、輪郭のあいまいな絵を描いていたターナーは評判を落としていました。そこをラスキンが擁護したので、ターナーの評価も上がったのです。
Takさん ラスキンあってのターナーということですね。
野口さん そうですね。同時にターナーを評価したラスキンの美術評論家としての評価も高くなったのです。

これでようやく、なぜ展示室に入ってすぐの部屋にターナーの作品があるのかがわかりました。
今回の展覧会は5章構成になっていますが、第1章は「ターナーとラスキン」です。

第1章 ターナーとラスキン
ターナー《カレの砂浜-引き潮時の餌採り》(ベリ美術館)

Takさん ラスキンは絵も描いていますね。
野口さん そうです。ラスキンの作品も多く展示されています。これほど多くのラスキンの作品が見られる展覧会はそう多くはないでしょう。
Takさん さすが「ラスキン展」!(笑)

こちらはラスキンの繊細な素描や著書です。

第1章展示風景(ラスキンの作品)

ターナーを擁護したラスキンの『現代画家論』(Kコレクション)
第2章 ラファエル前派

Takさん  今回の展覧会の第一の見どころは?
野口さん ミレイやロセッティの作品が展示されている一番広い部屋です。

3階の展示室入口を入って、第1章の作品が展示された細長い廊下を通って、突き当りの広い部屋にラファエル前派の画家の作品が展示されています。ここからが「第2章 ラファエル前派」です。
この部屋のレイアウトは、展覧会ごとに特に趣向を凝らした展示をしているので毎回楽しみにしているのですが、今回も期待どおりのおしゃれなレイアウト!
それに、今回の展覧会ではこの部屋全体が撮影可という信じられない大盤振る舞い!
ぜひ来館記念に写真を撮りましょう!

第2章展示風景

第2章展示風景
Takさん ラスキンの教えの影響は。
野口さん ラスキンは自然をよく見ることを重視しました。女性はきれいに、背景の自然も丁寧にというのがラスキンの教えでした。
Takさん 花や植物もよく見ていただきたい、ということですね。花鳥画のDNAを受け継いでいる私たちにとっては受け入れやすいです。

こちらは展覧会チラシにもなったロセッティ《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のビーナス)》。ラスキンがこの絵について、花の描き方が雑だと批判したので、ロセッティは何回も描き直したのですが、このことがきっかけとなって両者の関係がぎくしゃくするようになりました。花の描き方など近くでぜひご覧になってください。
ロセッティ《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のビーナス)》
(ラーセル=コーツ美術館)
Takさん ラスキンやラファエル前派の画家たちの間ではドロドロした男女関係がありましたね(笑)。
野口さん そうですね(笑)。川べりに女性が座っている作品(ミレイ《滝》)がありますが、これはラスキン夫妻とミレイが旅行に出かけたときの風景を描いたもので、この後、ミレ
イはラスキンの妻エフィと恋仲になり、のちに結婚することになりました。

何もバックグラウンドを知らないで見ると、緑と水に恵まれた自然の中にたたずむ一人の婦人の絵。でもそこにはミレイのよこしまな恋心があったのです。

ミレイ《滝》(デラウェア美術館)


ドロドロした男女関係、人間関係については、「いまトピ~すごい好奇心のサイト」でいまトピアート部のKINさんがコラムを書いているので、こちらをご参照ください。
「美しい、だけじゃない。」というのは、「ドロドロしている部分もある」ということなのでしょうか。まさか!

【スキャンダラスな男女関係!】美男美女揃いのラファエル前派周辺をめぐるメロドラマ

第3章 ラファエル前派周縁

続いて「第3章 ラファエル前派周縁」には、1850年代以降、ラファエル前派が広がりを見せた時期に活動したダイス、レイトン、ワッツほかの作品が展示されています。

第3章展示風景

第3章展示風景

第4章 バーン=ジョーンズ

第4章のタイトルはずばり「バーン=ジョーンズ」。ラスキンに見込まれたバーン=ジョーンズの作品が展示されています。

第4章展示風景
第4章展示風景

Takさん  (1900年から03年にかけて渡英した)夏目漱石もラファエル前派の影響を受けた一人ですね。
野口さん 漱石の小説に登場する女性はラファエル前派のイメージが感じられます。画家では青木繁がラファエル前派の影響を受けています。
Takさん (青木繁が影響を受けて《海の幸》を描いた)人物が並んでいるこの作品が出展されているのはうれしかったです。

バーン=ジョーンズ《「怠惰」の庭の巡礼者と踊る人たち》
(バーミンガム美術館)
第5章 ウィリアム・モリスと装飾芸術

Takさん  後半はウィリアム・モリスの作品が展示されています。
野口さん  19世紀後半に隆盛したアーツ・アンド・クラフツ運動は、社会思想家としてのラスキンとの関わりが深いものでした。
 当時のイギリスは、世界に先駆けて産業革命が進み、大量生産の時代に入ると労働のよろこびが失われてきました。そういった中、ラスキンは、美術を通じてに労働のよろこび、手仕事の美しさを取り戻そうとしたのです。
Takさん そういった時代背景を見てみないとわからないですね。
野口さん 19世紀後半といえば、ヴィクトリア女王の栄光の時代。今はEU離脱問題でもめていますが(笑)、ラスキンの思想の広がり、古きよき時代のイギリス文化を楽しんでいただきたいです。(拍手)

第5章展示風景

第5章展示風景


さてラファエル前派の軌跡展はいかがだったでしょか。
やはり「美しい」だけではない何かがありそうです。
ラスキンを通して、ゴージャスなイギリス文化の雰囲気にひたってみてはいかがでしょうか。

展覧会の概要
会   期   3月14日(木)~6月9日(日)
開館時間  10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
(祝日を除く金曜、第2水曜、6月3日~7日は21:00まで)
休館日  月曜日(但し、4月29日、5月6日、6月3日とトークフリーデーの5月27日は開館)
入館料   一般:1,700円  高校・大学生:1,000円 小・中学生:無料
他にも割引やイベントなどもあります。
詳細はこちらをご覧ください→展覧会サイト

5月7日のトークイベントも新たに決定しました。申込方法は上記「展覧会サイト」でご確認ください。










 





2019年4月14日日曜日

藝大コレクション展2019 in 東京藝術大学大学美術館

東京・上野公園の東京藝術大学大学美術館では、4月6日(土)から「藝大コレクション展2019」が開催されています。

春らしい装いの展覧会チラシ

藝大コレクション展は、同館が所蔵する約3万点のコレクションの中からテーマごとに選ばれた作品を見ることができる貴重な機会なので、毎年楽しみにしている展覧会の一つです。

今年も西洋画あり、日本画あり、浮世絵ありのバラエティに富んだ充実の内容。
会期は6月16日(日)までですが、第1期と第2期で大幅な展示替えがあります。
国宝の奈良時代の絵巻《絵因果経》、重要文化財の狩野芳崖《悲母観音》、さらには江戸時代中期の文人画家・池大雅(1723~1776)の特集は第1期のみなので、まずは第1期が終了する5月6日(月・休)までに訪れてみましょう!

それでは、さっそく特集テーマを中心に展覧会の様子をご紹介したいと思います。
※館内は撮影禁止です。掲載した写真は内覧会で美術館の特別の許可をいただいて撮影したものです。
※内覧会では、同美術館の熊澤弘准教授、古田亮准教授に作品の解説をしていただきました。今回のレポートは、おうかがいしたお話をもとに、私の感想などを織り混ぜながら構成したものです。


特集テーマ1 池大雅(第1期のみの展示です!)
 -名作《富士十二景図》が初めて12か月一堂に展示されます!-

池大雅《富士十二景図》(第1期のみ展示)


十二景図なので、1月から12月まで12か月分あって当然なのでは?
と思われるかもしれませんが、実はそうではなかったのです。

《富士十二景図》は12幅のうち、東京藝術大学大学美術館が7幅、芦屋市にある滴翠美術館が4幅所蔵していて、1幅だけは所在不明でした。2018年に京都国立博物館で池大雅展が開催された時も、両館が所蔵する11幅が展示されました。
ところが、その後、不明だった1幅(「九月 緑陰雑紅」)の所在が明らかになり、奇跡的なめぐり合わせで東京藝術大学大学美術館が所蔵することになり、今回めでたく12幅そろって展示されることになったのです。

大正14(1925)年には12幅そろっていたことが確認されていたので、90年以上たって再びそろったことになるのですが、所在が明らかになったあとも慎重な調査が行われ、描写や筆法などが他の月と共通すること、表装が同じであること、軸の部分が陶製であることなどから、大雅の真筆間違いなしという結論に至りました。

また、調査では単独で売り立てに出すのに不都合だったためか、軸装上巻部の外題の「九月」の箇所が切り取られていたこと、クリーニングにより他の作品にあるような雨だれあとがなく、サイズも少し小さくなっていることなども判明しました。

《富士十二景図》をめぐる興味深い物語については、こちらの図録に古田さんが書かれていますので、ぜひご覧になっていただければと思います。
館内のミュージアムショップで販売しています。税込500円。値段もボリュームもとてもお手頃です。
図録『池大雅筆 富士十二景図』

《富士十二景図》が収められていた箱裏には、天明2(1782)年に書かれた大雅の妻・玉瀾(1727~1784)の書があって、大雅の没後も玉瀾の手元にあったことがわかります。


玉瀾の没後、《富士十二景図》は人の手に渡りますが、図録『池大雅筆 富士十二景図』では、この作品は、大雅が同じく画家であった玉瀾の絵手本として、そして、自分の死後に売って生活費にあてることも考えて制作したのではという説も紹介されいてます。

《富士十二景図》は、もちろん絵そのものも素晴らしいのですが、一人だけ旅をしていた「九月君」が他の十一人の兄弟たちと再会した喜びや、大雅の妻への思いをかみしめながら見ると、また一段と味わい深いかもしれません。
人物も、動物も、花や木の葉も細部まで丁寧に描かれています。ぜひゆっくりご覧になっていただければと思います。

展示ケースの中には池大雅の絵手本が展示されています。
右が、池大雅、伊孚九『山水画譜』、
中央と左が池大雅『大雅堂画法』『大雅堂画譜』
(第1期のみの展示)
池大雅の作品は他にも3点展示されています。

池大雅《三上孝軒・池大雅対話図》
(第1期のみ展示)


右から、池大雅《荷仙姑図》《秋下荊門図》
(第1期のみ展示)
特集テーマ2 イギリスに学んだ画家たち(第1期第2期で展示替えがあります!)

もう一つの特集は、イギリス帰りの西洋画家たちの作品展示。
明治期にはフランスに留学する学生が多かったのですが、イギリスを留学先に選んだ学生たちもいました。
その一人が首都ロンドンのナショナル・ギャラリーでレンブラントの模写に励んだ原撫松。左の《ヴァイオリンを弾く男》はいかにも「レンブラント!」と思える陰影のある作品。右の《裸婦》は、光と影のコントラストが見事!
後期には原撫松が模写したレンブラントの《使徒パウロ》が展示されます。

左から、原撫松《ヴァイオリンを弾く男》(第1期のみ展示)
裸婦》(通期展示)
「あれはラファエル前派のロセッティの作品では?」

そうです。
下の写真左の作品は、明治末期にイギリスに滞在した高木背水がダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ原作の《ベアタ・ベアトリクス》を模写した作品です(通期展示)。
海外から入ってくる本物の西洋絵画が多くなかった明治期には、模写作品は、国内にいる画学生たちにとって貴重な教材だったのです。


「イギリスに学んだ画家たち」展示風景

さて、順番は前後しますが、展示会場入口には東京美術学校(現在の東京藝術大学)西洋画科の初代教授・黒田清輝と、黒田清輝がフランスに留学していたときの師・ラファエル・コランの作品が並んでお出迎えしてくれます。

右 黒田清輝《婦人像(厨房)》
左 ラファエル・コラン《田園恋愛詩》
(いずれも通期展示)

師弟といっても、幻想的で浮世絵にでも出てくるような構図で、ジャポニズムの影響が感じられるコランと、重厚でいかにも西洋絵画らしい黒田清輝の対比に興味がひかれます。

正面の右側から展示室内に入ると、先に紹介した特集のコーナー。右側が池大雅、左がイギリスに学んだ画家たちの作品が並んでいて、そこを通りすぎて会場の突き当りが浮世絵のコーナーになっています。

浮世絵コーナーの展示風景

ここでの注目は初代歌川広重「名所江戸百景」のうち《大はしあたけの夕立》。
画面右の河岸に舟が浮かんでいますが、舟がないバージョンもあるのでこちらは貴重なバージョン。ぜひ近くでよくご覧になってください。

初代歌川広重「名所江戸百景」のうち《大はしあたけの夕立》
(第1期のみの展示)


浮世絵の手前の展示ケースには、冊子になっている初代歌川広重の「東海道五十三次」のシリーズ(左)と、高橋由一のスケッチブック(右)が並んでいます。
どちらも開いているページは静岡・島田の大井川の渡しの場面なので、江戸末期と明治初期の描き方や景色の違いが比較できます。

右 高橋由一「スケッチブック」
左 初代歌川広重「東海道五十三次」
(いずれも第1期のみ展示)


ケースの反対側には、狩野派の作品が展示されています。
こちらは江戸前期の狩野派を代表する狩野探幽の《名所図巻》。
京都・二条城襖絵のように、いかにも狩野派らしい大胆な絵もいいのですが、探幽の落ち着いた大和絵もいい雰囲気出してます。春らしく桜がきれいに咲いています。

狩野探幽《名所図巻》(第1期のみ展示)

隣には、江戸中期、八代将軍吉宗に仕えた狩野古信筆と伝えらえる《熱海温泉地取》。熱海温泉の情景をスケッチしたもので、写真がなかった当時としてこういったスケッチが貴重な資料でした。

伝 狩野古信《熱海温泉地取》(第1期のみ展示)

浮世絵コーナーの反対側には、奈良時代の絵巻物、国宝の《絵因果経》が展示されています。
こちらの作品は東京美術学校が創設されたときにはすでに所蔵されていて、美術教育の教材としても貴重なものだったとのことです。
やさしい仏様たちのお顔に心がなごみます。

国宝《絵因果経》(第1期のみ展示) 

続いて会場内を折り返して、右側に目をむけると狩野芳崖の遺作《悲母観音》が目に入ってきます。
神々しく輝く観音様と観音様の救いを求めるかように振り向く赤子。
描かれたのは、観音様なので仏教が主題の絵なのですが、キリスト教の聖母子像のイメージも感じさせてくれる作品です。

右から、狩野芳崖《悲母観音》(重要文化財)、荒木寛畝《振威八荒》、
狩野友信《羅漢》(いずれも第1期のみ展示)
日本画の向かい側は西洋画のコーナー。

右から、和田英作《思郷》、高橋由一《鮭》(重要文化財)、
ハンス・ホルバイン原作 岡田三郎助 摸本制作
《カンタベリー大司教ウィリアム・ウォーラム像》
(いずれも通期展示)

高橋由一の《鮭》は子供のころ見た日本史図鑑に載っていたので、「明治の日本の西洋絵画といえば《鮭》」と条件反射的に思うほど強烈な印象をいまだに持っている作品です。

《鮭》といえば、美術館の建物に入って正面のチケット売り場前の床に注目です。

床に鮭が描かれています。

ここだけは撮影可なので、みなさんの足元と一緒にぜひ記念に一枚!



池大雅に代わる第2期の特集は「東京美術学校日本画科の風景画」。
絵巻の風景をもとに新たな風景画を描いた松岡映丘、大和絵のように現代の風景を描いた山口蓬春はじめ美校卒業生たち新しい風景画の特集です。

さらに狩野芳崖《不動明王》、橋本雅邦《白雲紅樹》、川合玉堂《鵜飼》ほかの作品もアナウンスされているので第2期展示も楽しみです。

さて、「藝大コレクション展2019」はいかがだったでしょうか。

これからゴールデンウィークに向けて、すがすがしい天気が続く季節になります。
ぜひとも春の上野公園にお越しいただいて、藝大コレクションを楽しんでいただければと思います。

展覧会の概要はこちらです。

会 場  東京藝術大学大学美術館 本館地下2階 展示室1
会 期  第1期 4月6日(土)~5月6日(月・休)
     第2期 5月14日(火)~6月16日(日)
     第1期と第2期で大幅な展示替えがあります。
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日  毎週月曜日(4月29日、5月6日は開館) 
観覧料  一般 430円(320円) 大学生 110円(60円)
*高校生以下及び18歳未満は無料
*(  )は20名以上の団体料金
*団体観覧者20名につき1名の引率者は無料
*障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料

今回、池大雅《富士十二景図》について解説していただいた古田准教授の著書『日本画とは何だったのか』(株式会社KADOKAWA 角川選書 2018年)は、昨年「いまトピ~すごい好奇心のサイト」のコラムで紹介させていただきました。


コラムの中で紹介した展覧会はすでに終了していますが、古田准教授の他の著書の紹介や、北茨城の五浦(いづら)や横浜の観光案内も兼ねていますので、ぜひこちらのコラムもご覧になっていただければと思います。

「いまトピ~すごい好奇心のサイト~」yamasanのコラム

近代日本画三部作

近代日本画の世界へようこそ

日本美術の聖地・五浦へ

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