2014年4月2日水曜日

バイエルン美術紀行(11)カイザースブルク・ジンベル塔

平成25年9月6日(金)続き

宮殿の次はお城の見張り塔「ジンベル塔(Sinwellturm)」。

てっぺんの見張り台までらせん階段を延々と上って行く。

かつての見張り台、今の展望台から見るニュルンベルク市街。
正面の塔が聖セバルド教会でその左隣が旧市庁舎。その奥の塔は聖ロレンツ教会。


展望台には第二次世界大戦時に空襲の被害を受けた直後の写真も掛けられていた。
街が破壊されても、街の骨格となる教会や市庁舎を修復し、かつての街並みもできるだけ昔の面影を残すようにまちづくりを行ったことがよくわかる。


下りは階段の数を数えてみた。
112段あったので、階段を降り切ったところでこれから上がろうとする年配の女性に「112段ありましたよ」と声をかけたら、驚いた顔をして「じゃ。がんばらなくては」と言って階段を上っていった。


次は「深い井戸(Tiefer Brunnen)。
深い井戸はこの建物の中にある。

 入口でいかにも人のよさそうなおじさんがチケットを確認する。
チケットは、宮殿とそれに併設されたミュージアム、ジンベル塔と深い井戸の4か所に入場できる共通券で7ユーロ。


建物の中に入り、みんなで井戸のまわりで下をのぞいていると、さきほどの人のよさそうなおじさんが、井戸の説明をはじめた。
「この井戸は深さ約50メートルあって、みなさんが通ってきた中央広場にある「美しの泉(Schöner Brunnen)の水位と同じ高さにあるんですよ。さて、ここから水を流してみましょう。音を聞いていてくださいね」
そのおじさんはそう言うとジョッキに水を入れ井戸に流し込んだ。


しばらくすると、底の方から「バシャーン」という音がこだまともに聞こえてきた。
みんな「おーっ」と驚きの声をあげると、
そのおじさんあ「もう一度やってみましょう。水が底に落ちるまで5秒かかるので、5つ数えてみてください」と言って、うれしそうにジョッキに水を入れて、先ほどと同じく井戸に水を流し込んだ。
一、二、三、四、五「バシャーン」 
「おーっ」またもみんなが驚く。

あまりにみんなの受けがいいので、「この音は夢にまで出てくるかもしれませんね。今回は特に好評なのでもう一度やりましょう」と言って井戸に水を流してくれた。

「バシャーン」「おーっ」

ちなみに、中央広場の美しの泉は、下の写真ではわかりにくいが、この広場の北西の角の塔(後の二つの塔でなく、テントのすぐ後ろの方)の中にある。



次はろうそくを井戸の底まで下ろすショー。
水を流し込むところの写真でもわかるが、ろうそく立てに立てたろうそくがワイヤーで吊り下げられていて、それが井戸の底にスルスルと下がっていく仕組みになっている。


壁にはモニターがあり、左の画像は、上から、井戸の上のカメラ、ろうそく立てに設置したカメラ、ろうそく立ての下に設置したカメラの、それぞれの映像が写されている。右下の52.7という数字は、単位がmで井戸の深さを示している。このとき、ろうそくはまだ途中の光のあたりにあるのがわかる。

カイザーブルクの午後を楽しんでいたら、すでに時計は午後3時を回っていたので、 ふたたび街なかまで下りることにした。


街の中心を流れるペグニッツ川にはヘンカーシュテーク(Henkersteg)、「死刑執行人の小橋」という名のついた木の小橋かかっている。

中世風の街並みに石畳の道はよく似合う。

(次回に続く)