緊急事態宣言の発令によって4月25日(日)から臨時休館していた「すみだ北斎美術館」が6月1日(火)から再開!
※会期が変更になりました。
前期 6月1日(火)~6月20日(日)
後期 6月22日(火)~7月10日(土)
タイトルに偽りなし!
いつも北斎さんを中心とした浮世絵の展覧会でアートファンを楽しませてくれる「すみだ北斎美術館」の今回の企画展は、北斎さんとマンガ家でアーティストのしりあがり寿氏との時代を超えたコラボ企画。
いつも見慣れた「冨嶽三十六景」や「東海道五十三次シリーズ」とはちょっと違った景色があって、サブタイトルにあるとおり、クスッと笑えて気軽に楽しめる展覧会です。
展覧会概要
会 期 2021年4月20日(火)~6月27日(日)7月10日(土)
※臨時休館4月25日~5月31日
前 期 4月20日(火)~5月23日(日) 6月1日(火)~6月20日(日)
後 期 5月25日(火)~6月27日(日)
6月22日(火)~7月10日(土)
※前後期で一部展示替えあり
休館日 毎週月曜日
開館時間 9時30分~17時30分(入館は17時00分まで)
観覧料 一般 1,000円ほか
※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)をはじめ全ての展示をご覧になれます。
※入館のための日時指定予約を行っておりませんが、館内・展示室内・ミュージアムショップ内が混雑し、一定の人数を超えた場合は入場制限を行う場合があります。
※展覧会の詳細、新型コロナウィルス感染症の感染・拡大防止については、同館公式HPをご覧ください⇒すみだ北斎美術館
※展示室内は撮影不可です。掲載した写真は、内覧会で美術館の特別の許可をいただいて撮影したものです。AURORA(常設展示室)は一部を除き撮影可。
展示は3章構成になっています。
第1章 ちょっと可笑しなほぼ三十六景
第2章 よりぬき北斎サン
第3章 ちょっと可笑しな北斎サンにしりあがりサン
それでは第1章から。
クスッと笑える冨嶽三十六景
まずは4階企画展示室から。
「冨嶽三十六景」のコーナーでは、北斎サンの作品としりあがり寿サンの時代を超えたコラボが実現!
「冨嶽三十六景」の中でも一、二をあらそう人気作品は「神奈川沖浪裏」(前期展示)。
(もう一つの人気作品「凱風快晴」は後期展示)
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 すみだ北斎美術館 前期展示 |
これがしりあがり寿サンの手にかかると、このとおり。
しりあがり寿「ちょっと可笑しなほぼ三十六景 銭湯でこども大暴れ」 ©しりあがり寿 すみだ北斎美術館 通期展示 |
湯船で楽しそうに暴れるこどもと、後ろで困った顔をしている北斎サン。
銭湯ということは、後ろの富士山は銭湯のタイル絵なのですね。
続いてこちらは赤い波の合間に見える地球。
しりあがり寿「ちょっと可笑しなほぼ三十六景 太陽から見た富士山」 ©しりあがり寿 すみだ北斎美術館 通期展示 |
波のように見えるのは、実は燃え盛る太陽の炎。
その炎の間に地球が垣間見えるという、まるでSF映画を見ているような幻想的な光景。
しかし・・・富士山がない!
実は富士山は描かれているのですが、まずは4階展示室入口に戻って大きなパネルをご覧ください。
地球の中心にある日本の本州の中心あたりに小さく富士山が描かれているのがわかります。
その感覚を忘れないようにしながらもう一度上の作品を見ると、「これが富士山かな。」というくらい小さな富士山が見えてくるかもしれません。
4階企画展示室入り口のパネル |
北斎サンとしりあがり寿サンの作品を見比べて楽しめるものばかりなのですが、中でも特撮世代の私の一番のお気に入りはこちら。
しりあがり寿「ちょっと可笑しなほぼ三十六景 地底船現る!」 ©しりあがり寿 すみだ北斎美術館 通期展示 |
特撮ファンの方ならご存じかもしれませんが、海中、空中、地中を突き進む「海底軍艦」(1963年 東宝映画)を彷彿とさせる迫力です。
おめでたい作品が出てきました。
江戸時代にもよく描かれた宝船に乗った七福神と思ったら、なんと百福神!
いつも見慣れた布袋さんや弁天さんもいますが、よくよく見ると古代エジプトや古代ギリシャローマの神々、アンコールワットで見たような神様はじめ、古今東西の神様が乗っている、おめでたさ百倍の宝船なのです。
しりあがり寿「ちょっと可笑しなほぼ三十六景 百福神」 ©しりあがり寿 すみだ北斎美術館 通期展示 |
おなじみの『北斎漫画』も展示されています。
開かれたページには「百福神」に登場する神様が出てきますので、ぜひ見比べてみてください。
近くでよく見るとさらにクスッと笑える!
3階に移ります。
3階展示室入り口のパネル |
雲の合間からにょきにょきと出てくるのは何でしょうか?
しりあがり寿「ポテトチップス六景 イモ掘り」 ©しりあがり寿 すみだ北斎美術館 通期展示 |
北斎サンの原画と比較すると、どっちがどっちだか区別がつきません。
実はこの「にょきにょき」はポテトチップスで、「ポテトチップス六景」は、イモ掘り⇒イモ洗い⇒イモを切る⇒揚げる⇒塩をふる⇒食べるという工程を描いているのです。
しかし、出来上がったポテトチップスを食べようとしたら・・・
東海道シリーズの小さな作品も、よくよく見てみるとクスッと笑えるものばかり。
こちらは箱根関所で役人が旅人たちの取り調べを行っている場面。
でもよく見るとお役人さんのおでこには大きなたんこぶが。
なぜたんこぶができているのか、答えは画面の中にあります。
頭を下げている手前の旅人は必死に笑いをこらえているようにも見えます。
「冨嶽三十六景」に描かれた冨士山も、こうやって並べてみるといろいろな表情をしています。
しりあがり寿「冨士だけほぼ三十六景」 ©しりあがり寿 すみだ北斎美術館 通期展示 |
コロナまん延の時なので、疫病退散を願わずにいられません。
右のしりあがり寿さんの鐘馗様は、マスクを着けて、コロナウィルスを踏みつけています。
そして、手に持つのは注射器。私たちにワクチンを接種してくれるところなのでしょうか。
今回あらためて気が付いたのですが、人を4人も肩に乗せたり、百面相をしてみたり、北斎サンもクスッと笑える作品を描いています。
北斎サンをまとう!
3階のホワイエには、いつものとおり撮影スポット?
いえいえ、今回はこちらも展示作品。こちらの作品と、次の衣装は撮影OKです。
しりあがり寿「浪裏&瀧廻りポンチョ」(手前)ほか 展示協力:(株)ヤギ |
展覧会の見どころをコンパクトにまとめたパンフレット(税込300円)もおススメです。
展示作品を思い出して、ご自宅でもう一度クスッと笑ってみませんか。