2013年12月15日日曜日

バイエルン美術紀行(6) ニュルンベルク1 ローレンツ教会

9月6日(金)ニュルンベルク

いつもはゆっくり食べる朝食も、この日は少しだけ早めに切りあげて7時50分発のICEに乗ってニュルンベルクに向かった。
ミュンヘンからニュルンベルクまでの所要時間は約1時間10分。
ちょうどいい具合に観光案内所が開く時間にニュルンベルクに到着する。

駅前の観光案内所に入ると、若い女性が笑顔で迎えてくれる。
まず、市内の地図をいただき、旧市街地にある中央広場やデューラーハウスの位置を確認。
さらに、ナチスが政権を獲得した1933年以降に党大会を開催した会場跡やニュルンベルク裁判の行われた法廷は郊外にあるので、交通手段や所要時間などを教えてもらった。

ニュルンベルクといえば、ユダヤ人迫害の始まりとなったニュルンベルク法やニュルンベルク裁判といったナチスの負の遺産で名前が知られていて、あまり触れてほしくないことかなと思ったが、対応してくれた女性は特にいやな顔をすることなく親切に教えてくれた。
ヒトラーの地下壕やシュタージ(国家保安省)の場所を尋ねたときのベルリンの観光案内所の男性の対応とは大違いだ。
(2012年1月16日のブログをご参照ください)

観光案内所前のケーニッヒ門から中央広場に通じるケーニッヒ通りをしばらく歩いて行くと聖ローレンツ教会の尖塔が見えてくる。



こちらは正面。
13世紀中ごろから200年以上かけて建設されたゴシック様式の教会。

中に入るとステンドグラスから光が差し込み荘厳な雰囲気。

しかしこの美しい教会も連合軍の空襲により大きな被害を受けた。
空襲直後の様子と、当時のまま残されたがれき。破壊された天使の像が痛々しい。

それでもきれいなステンドグラスも、彫像も当時の人たちの努力で、かろうじて残された。


何百年ものあいだ台座を支える人たち。手前の像はこの彫刻を制作したアダム・クラフト自身と言われている。

受胎告知のレリーフや、

最後の晩餐といったキリストの生涯の中の有名なシーンも見事に残された。

ペーパークラフトの聖ローレンツ教会もある。

これは長さが50センチほどあってかなり大きいが、これより小さいサイズのものは教会内の売店にも売られている。
ジオラマとか模型といったたぐいのものは好きな方なので、買おうかどうかさんざ迷ったが、荷物になるのでやめよう、とグッとこらえて教会をあとにした。
(次回に続く)