2014年5月4日日曜日

バイエルン美術紀行(12)ニュルンベルク裁判・ゲルマン国立博物館・ドクツェントルム

平成25年9月6日(金)続き

 ニュルンベルクといえば避けて通れないのが、ナチスの過去。
 ナチスが政権を獲得した1933年以降に党大会を開催した土地であったからこそ、ニュルンベルクは連合国によって主要戦犯を裁く軍事法廷の場所に選ばれた。
 私は駅前の観光案内所で教えてもらったとおり、ロレンツ教会駅から地下鉄1番線に乗って、ベーレンシャンツェ駅で降りて、ニュルンベルク裁判記念館に向かった。
 1945年11月から1946年10月まで裁判が行われた600号陪審法廷は、空軍最高司令官ゲーリング、外相リッペントロップ、国防軍統合司令部長カイテル、国防軍指導部長官ヨードルをはじめとしたナチス党や軍部の指導者たちが裁かれた時の状態で保存され、当時の写真のパネルが展示されている。

                 ニュルンベルク裁判記念館の正面



                  裁判が行われた600号陪審法廷




 さて次はナチスの党大会が開催され、今ではドク・ツェントルム(Doku-Zentrum ナチス関連の資料センター)となっている建物へ、と思ったが、ニュルンベルク裁判記念館とは街の中心をはさんで反対側にあり、ゲルマン国立博物館の閉館時間も気になったので、まずはロレンツ教会駅まで戻り、ゲルマン国立博物館の方に行くことにした。

 ゲルマン国立博物館は、「ドイツ語圏における最大の文化・歴史博物館」とうたっているように、中世から20世紀までの絵画、工芸作品、中世の楽器やきらびやかな家具調度品、武具や金貨などゲルマンの文化や歴史に関する様々なものが陳列されている。
 それにいくつもの建物を増築したせいだろうか、建物全体が迷路のようになって、なにしろ広く、 とても1時間やそこらでは見尽くせるものではない。
 そこで、今回の旅行の大きな目的であったデューラーの作品に絞ることにした。

デューラーのコーナー



 特に見たかったのは、ニュルンベルクの画家、版画家で、デューラーの師だったミヒャエル・ヴォルゲムートの肖像画(右)と、ウィーンの美術史美術館にもほぼ同じ作品がある皇帝マクシミリアン1世の肖像画(左)。
 ヴォルゲムートはこのとき82歳。どこか優しげな、それでいて、いかにも頑固そうな職人といった表情から、師に対するデューラーの尊敬のまなざしが感じられた。
 一方の皇帝マクシミリアン1世は、「最後の騎士」と呼ばれた皇帝にふさわしい堂々とした風格を感じさせてくれる。



 駆け足でゲルマン国立博物館を回り、急いで中央駅に向かった。
 中央駅に着いて時計を見ると、時間はすでに18時。
 
 帰りの列車の発車時刻は19時02分。
 少し時間が厳しいかな、と思ったが、次はいつ来られるかわからない。
 ドク・ツェントルムまで9番のSバーンで終点まで行って10分、電車の間隔が10分なので、その間に建物の前で写真を撮って中央駅まで戻ってきて10分。「よし、30分で戻ってこれる」と頭の中で計算して、思い切って行くことにした。
          
          これがドク・ツェントルムの入口。ここだけはモダンな造りになっている。



               9番のSバーン。

  中央駅に戻ってきて、昔風の町並みが再現された職人広場をのぞき、一日空気が乾燥していて喉が渇いたので、コーラを買って中央駅のホームに向かった。

       これが職人広場。正面は見張り塔。


 街歩きは大好きで、国内でも街中をよく歩くが、この日はさすがに朝から歩き続けていたので、足の裏が痛くなるほどだった。ミュンヘンまでの1時間10分、私はしばらく外の景色を眺めていたが、いつの間にかぐっすり眠り込んでしまった。