2014年5月18日日曜日

バイエルン美術紀行(13) 朝食~ミヒャエル教会~レジデンツ

平成25年9月7日(土)

 毎朝5時半ぐらいになると朝食の支度でベーコンを焼くにおいがドアの隙間から部屋の中に入ってくる。
 それが毎朝の目覚まし時計のかわりだった。

 それから顔を洗い、6時になると朝食会場になっているレストランに降りていく。

 

 このホテルも3日目となるとレストランのウィエイターさんたちとも顔なじみになる。
 正面の絵は見覚えのあるニュンフェンブルク城だ。
 私がこの絵をながめていたら、いつものウェイター氏が
 「これはどこだかわかりますか?」と聞いていた。
 「ニンフェンブルク城ですよね。おととい行ったばからりだからすぐわかりました。」と答えると、
 「この絵はホテルの女性オーナーが自分で書いた絵なんです。高齢でもう第一線から身を引いているけど、ホテルの中に飾られている絵はみんなその女性オーナーの作品なんですよ」と親切に解説してくれた。
 
 果物、野菜、チーズ、卵とほとんどフルコースの朝食。
 肉類はベーコンではなく、せっかくだからバイエルン名物の白ソーセージにした。
 ドイツでは黒パンが多いのがうれしい。たいていのホテルではパン切り用の包丁で好きなだけ切るようになっている。もちろん大好物のブレッツェルも欠かせない。



 そしてコーヒーをゆっくり飲みながら食後のデザート。
 私のお気に入りはサクランボのジャム(下の写真のケーキの上)。日本ではサクランボは高級品だがドイツでは庶民の食べ物なのだろうか。ヨーグルトまでサクランボ入りだし、帰りの空港でも食べたが、サクランボケーキもカフェには必ず置いてある。


 朝これだけゆっくり、これだけたくさん食べているのだから、いつもお昼はおなかが空かない。
 この日もお昼は、ヴィッテルスバッハ家の王宮だったレジデンツをじっくり見終わった2時過ぎに休憩を兼ねてレモンケーキとコーヒーだけだった。

 朝食後、ホテルを出てカールス門を越え、ノイハウザー通りを歩いてレジデンツに向かったが、途中、ファザードの彫刻がきれいな教会が目についたので入ってみることにした。
 
 ミヒャエル教会のファザード。
 一番上の救世主キリストの下の15体の像は、この教会が建設された16世紀以降、この地を治めてきた領主たちの像。

 朝日に輝く祭壇画がまばゆい。

 しかしミヒャエル教会も戦禍を免れることはできなかった。
 これは教会の中に掲示されていた説明板。空襲により外壁以外はほとんんど破壊されたのがわかる。


 マリエン広場に出て新市庁舎沿いに左に向かうとレジデンツの入り口がある。 


 通りかかる人たちがみんな入口両側のライオンが持つ楯に手を触れていく。自転車に乗っていた男性も像の前で止まって楯に手を置いてお祈りしていった。
 この楯に触れると幸せが訪れるという言い伝えがあるそうだ。そこで私もこの楯にさわってみた。
 みんながさわったためだろうか、楯の下のライオンの顔の部分だけがピカピカに輝いている。


(次回に続く)