2014年12月15日月曜日

ベルリンの壁崩壊から25年(続き)

前回に続いてベルリンの壁崩壊25周年に関連して、ZDF(ドイツ第二放送)の11月9日付けのビデオを2つ紹介します。

1つめは前回のブログで紹介した「光の国境」のセレモニーの様子です。

http://www.heute.de/merkel-gedenkt-der-maueropfer-bei-der-zentralen-gedenkfeier-an-der-bernauer-strasse-35809210.html

ウンター・デン・リンデンの画像の下に左からVideoが3つ、一番右にScroll-Grafik(前回のブログで紹介したものです)と並んでいるうちの一番左の"Mauerfall:Große Show in Berlin"は2分34秒の短い映像ですが、風船のまわりに大勢の人が集まり、セレモニーが盛り上がっている様子がよくわかります。
日本では年末の風物詩になっているベートーベンの第九も、ドイツでは統一のテーマソングです。ここでは地元のベルリンフィルが演奏しています。また、ドイツ統一に重要な役割を演じたゴルバチョフ元・ソ連書記長もセレモニーに招待されていて、久しぶりに元気な姿を見ることができます。

左から2番目の"Lichtgrenze:Die besten Momennte"も2分強の映像で、かつての壁に沿って並んでいる光の風船が次から次へと空に放たれていく感動的なシーンを見ることができます。

2つめはベルリンの壁が崩壊した1989年11月9日の様子をドキュメンタリータッチで描いたもので、ブランデンブルク門の画像の一番左下の"Video Der Mauerfall live"がそれです。

http://www.heute.de/liveblog-25-jahre-mauerfall-am-9-november-1989-35786660.html


これは40分以上の長い映像ですが、2:00あたりから当時政治局員で政府報道官だったシャボウスキーの例の記者会見が始まります。
記者とのやり取りは前回のブログで紹介しましたが、「いつ施行されるのか」との記者の質問にシャボウスキーが「すぐに」と答えたやりとりのあと、別の記者が「これからベルリンの壁はどうなるのか」と質問したシーンは初めて見ました。
シャボウスキーは「ベルリンの壁はどうなるのか」と言って少し視線を上に向け「そうえいばどうなるのかな」いう表情を浮かべたあと、「こちら側から通れるようになったということで、東ドイツの防備を固めることには違いない」と苦しい回答をしています。(何に対する防備なのか?東ドイツに好きこのんで入ってくる人はいないのに)
記者会見会場から出ようとするシャボウスキーの背中に向かって一人の記者が質問を投げかけました。
「これから逃亡する人たちのものすごい波が西に押し寄せるのでは」
シャボウスキーは振り返らずに答えました。
「そうでないことを願う」

この1年後、東ドイツは西ドイツに併合されて地球上から姿を消しました。
こうして東の人たちはわざわざ壁を越えて西に行く必要がなくなり、シャボウスキーの望みも現実のものとなったのです。