2017年12月31日日曜日

2017年のドイツを振り返って

今年のドイツは「選挙の前に選挙なし、選挙の後に選挙なし」。
まさに連邦議会選挙一色の年でした。
そういった中でもトピック的な出来事があったので、私が特に追いかけている政治分野についていくつかピックアップしてみました。

924日 ドイツ連邦議会選挙で連立を組む2大政党が支持率を落とし、右派政党のAfDが議席を初めて獲得。

  1月の「シュルツ効果」に始まり、今年前半の4つの州議会選挙でのCDUの勝利、そして連邦議会選挙ではCDUが支持率を落とし、一方のSPDは歴史的敗北、連立交渉が難航、政権の枠組みが決まるのは越年、1年じゅう選挙づくしでしたので、まずは選挙の話題。
  ドイツ連邦議会選挙については、このブログで連載していたのでこちらもぜひご覧ください。



616日 コール元首相死去。

ドイツ統一とヨーロッパの統合を先導したコール元首相。
しかしながら現実はイギリスのEU離脱交渉、アメリカとの対立、国内でも難民問題を巡る国民意見の分断など、「統合」から「離散」に向かう中、一つの時代の終わりを象徴するような気がしました。



528日 メルケル首相がミュンヘンのCSU党大会で「私たち欧州人は本当に自らの手で自分たちの運命を決めていかなくてはならない。」と演説。~アメリカと欧州の対立の鮮明化

  5月に開催されたNATO首脳会議とG7でアメリカとの対立が鮮明になったのを受けて行った演説でのメルケル首相の悲壮な表情が印象的でした。それでも、演説の場所がミュンヘンのテント製ビアホール(Bierzelt)の中で、演説の前にメルケル首相がゼーホーファーCSU党首たちとテーブルを囲んで大きなジョッキで乾杯して笑顔でビールを飲んでいたところがドイツらしい(バイエルンらしい?)おおらかさだと思いました。

ここで思いついたのが、私にとってのヨーロッパの今年の漢字は、

 「散」

来年はヨーロッパだけでなく世界の国々が散り散りばらばらでなく、また、それぞれの国の中でも国民が分断されるのでなく、統合、融和に向かうことを願ってこの一文字を選びました。

630 同性婚法案が連邦議会で可決。

  政治的駆け引きの中での産物のようでしたが(※)、性的少数者の人権擁護の観点からは大きな前進だったと思います。(※)ドイツ連邦議会選挙の行方(5)で簡単にふれています。

 以上です。

  今年一年、ブログ「ドイツ~東と西~」をご愛読いただきありがとうございました。

  来年も引き続きよろしくお願いいたします。
  みなさまよいお年を。