2021年11月23日火曜日

山種美術館 開館55周年記念特別展「奥村土牛-山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾」

東京広尾の山種美術館では、開館55周年記念特別展「奥村土牛-山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾」が開催されています。

展覧会チラシ

今回の特別展では、山種美術館が所蔵する135点の奥村土牛コレクションの中から70点近い作品が展示されていて、どれも名作ばかり。土牛と山種美術館創立者・山﨑種二氏との親交がうかがえる資料とともに土牛の魅力を感じることができるとてもいい雰囲気の展覧会です。


展覧会概要


会 期 2021年11月13日(土)~2022年1月23日(日)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は閉館時間の30分前まで)
休館日  月曜日[12/27(月)、1/3(月)、1/10(月・祝)は開館、1/10(火)は休館、    
     12/29~1/2は年末年始休館]
入館料  一般1300円、大学生・高校生1000円、中学生以下無料(付添者の同伴が必要)
    *障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)1100円、
     上記のいずれかのうち大学生・高校生は900円
    *きもの特典:きものでご来館された方は、一般200円引き、大学生・高校生
     100円引き)の料金となります。
    *複数の割引、特典の併用はできません。
    *チケットは、ご来館当日、美術館受付で通常通りご購入いただけます。 また、
     入館日時が予約できるオンラインチケットもご購入可能です。

オンライン展覧会、オンライン講演会など展覧会関連イベントも開催されます。詳細は同館公式サイトでご確認ください⇒https://www.yamatane-museum.jp/

展示構成
 第1章 土牛芸術の礎
 第2章 土牛のまなざし
 第3章 百寿を超えて
 特集   土牛と山﨑種二

※展示室内は次の作を除き撮影不可です。掲載した写真は、プレス内覧会で美術館より特別に許可をいただいて撮影したものです。
※展示作品はすべて奥村土牛作、展示作品・資料はいずれも山種美術館所蔵です。

今回撮影OKの作品は、奥村土牛《兎》です。

奥村土牛《兎》1936(昭和11)年頃



見どころ その1 醍醐寺「太閤しだれ桜」の競演が見られる!


さて、今回も見どころいっぱいの展覧会なのですが、ぜひ注目していただきたのは京都・総本山醍醐寺の「太閤しだれ桜」の競演です。

豊臣秀吉の「醍醐の花見」で知られる醍醐寺の「太閤しだれ桜」の組織培養による苗木増殖に成功した住友林業が、このたび代表作《醍醐》を描いた奥村土牛とゆかりの深い山種美術館に「太閤しだれ桜」の苗木を寄贈されました。


「太閤しだれ桜」の苗木


苗木と聞いていたので、ホームセンターに売っているような両手に乗るくらいの小さなものを想像していたのですが、実際に見て驚きました。
ご覧のとおり、高さおよそ4mの立派な若木。順調にいけば来年春には花が咲くところが見られるとのことですが、成長して土牛の《醍醐》のように満開のしだれ桜が見られる日が来るのが楽しみです。

JR恵比寿駅方面から歩いてくると、美術館正面玄関手前の角に植樹されているので、ぜひこちらもご覧ください

そして、こちらは展示室内の奥村土牛《醍醐》。

奥村土牛《醍醐》1972(昭和47)年

安定感のある太い幹の上に淡い薄紅色のしだれ桜が咲き誇り、背景の白壁がしだれ桜の色をさらに引き立てています。
桜の花びらは一枚一枚貼り付けたかのように厚みを帯びていて、まるでその場で花見をしているかのような感覚になってきます。


見どころ その2 動物たちがかわいい!


冒頭にモフモフの毛皮の柔らかさが伝わってくる兎の作品をご紹介しましたが、土牛の動物に対する優しいまなざしが感じられる作品に出合えるのも今回の展覧会の楽しみの一つです。

こちらは丸まっている姿がかわいいつぶらな瞳の黒ウサギ。赤いポピーとの色の対比が鮮やかです。


奥村土牛《兎》1947(昭和22)年頃


親牛の下に隠れて恥ずかしそうにこちらをちらっと見る仔牛も可愛らしいです。

奥村土牛《犢(こうし)》1984(昭和59)年

42年ぶりに展示される鯉も愛嬌のある顔をしています。

奥村土牛《鯉》1948(昭和23年)頃

そしてこちらは、1975(昭和50)年の兎年から土牛が毎年正月に制作した干支の扇子の原画。

第2展示室展示風景

どの動物にも土牛の優しいまなざしが感じられる作品です。来年(2022年)の干支の「寅」もどことなくユーモラス。

奥村土牛《寅》1986(昭和61)年



見どころ その3 どっしりとした存在感がすごい!


土牛という雅号から連想するわけではないのですが、私にとっての土牛作品のイメージは「どっしりとした存在感」なのです。

中でもお気に入りは、姫路城を描いた《城》。

奥村土牛《城》1955(昭和30)年

青空を背景に遠くから見た天守閣を小さく描くのではなく、土牛が描く姫路城は目の前に迫りくる白い壁。まさに城という物体がここにある!という感じが好きなのです。

こちらは水しぶきがかかってきそうなほど近くから見上げた那智の滝。ゴーッという滝の音が聞こえてきそうな迫力です。

奥村土牛《那智》1958(昭和33)年

「どっしり」といえばこの作品。
初代若乃花とともに昭和30年代前半に「栃若時代」を築き上げた横綱栃錦の引退時の姿を描いた《稽古》(下の写真左)です。
軽量でスピード感あふれる取り口で出世街道を登りあがった栃錦も、引退時はご覧のとおりどっしりとした体形になっていました。
(優雅な振る舞いの女性像と並んで展示されているのを眺めると、あらためて土牛の画風の幅広さを感じます。)

左から、奥村土牛《稽古》1966(昭和41)年、
《舞妓》1954(昭和29)年、《踊り子》1956(昭和31)年


ほかにも旅情を誘う風景を描いた作品はじめ、まだまだ紹介しきれていない作品もたくさんありますので、ぜひその場でご覧いただいてお気に入りの一品を探してみてください。

展示風景
左から、奥村土牛《大和路》1970(昭和45)年、
《輪島の夕照》1974(昭和49)年、《谷川岳》1975(昭和50)年 




ミュージアムショップもカフェも充実してます!


展覧会のあとの大きな楽しみの一つは、ミュージアムグッズ。
今回特におススメしたいのは、「太閤しだれ桜」にちなんだ桜の花びらの形をしたカードスタンド(税込880円)。
お気に入りの絵はがきを机の上に立てかけると、薄紅色の花びらがワンポイントになって明るい雰囲気になります。



自然栽培で育てた健一自然農園のこだわりの茶葉を使用した煎茶やお茶のティーバック8個入りの山種オリジナルお茶缶(税込 各1,080円)は、山種美術館の人気作品をラベルにしているので、飲んだ後もオシャレな小物入れとして使えます。




そしてこちらは山種美術館が所蔵する速水御舟の重要文化財《名樹散椿》を共同印刷株式会社オリジナルの技法「彩美版®」で制作した高精度のデジタル複製画。
背景の金地の「撒きつぶし」には一部本金泥が使用されるという豪華版です。



限定300部制作で販売価格は275,000円(税込)。
それなりのお値段はしますが、実物を見れば自宅のお部屋に飾りたいと思うようになるかもしれません。ぜひミュージアムショップでご覧ください。カタログをいただくこともできます。
※ミュージアムショップ内も撮影不可です。

Cafe椿の特製和菓子も山種美術館を訪れる楽しみの一つ。
抹茶とのセットで1,200円(税込)。
さて今回はどれにしようかな、といつも迷ってしまいます。


上の写真、右上から時計回りに、冬のけしき(《雪の山》)、「うず潮」(《鳴門》)、八重白椿(《早春》)、「たわら牛」(「奥村土牛から山﨑種二宛書簡(牛)」)、「ひとひら」(《醍醐》)。
(カッコ内はモチーフにした奥村土牛の作品で、いずれも山種美術館所蔵です。)


楽しさいっぱいの展覧会は来年(2022年)1月23日(日)まで開催されます。

お正月恒例の限定企画もあります。

 ① 1 月 3 日(月)限定 プチギフトプレゼント ※展覧会ご入場の先着 100 名様
 ② ミュージアムショップにて「新春福袋」限定 50 個販売(お一人様1袋まで)
 ③ Cafe 椿にてお正月限定和菓子をご提供 ※1 月 7 日(金)まで実施

この冬はぜひ山種美術館でお楽しみください!