日本の現代アートコレクターで知られる高橋龍太郎さんのコレクションの展覧会が東京・天王洲のWHAT MUSEUMで開催されています。
タイトルの「ART de チャチャチャ」には、海外で評価されることが多い日本の現代アートの魅力を日本国内の人たちが感じ取って応援するきっかけにしてもらいたいという、高橋龍太郎さんの思いが込められています。
どの作品も日本の伝統文化・芸術を受け継ぎながらも、新たな表現を探求する作家たちの力作ばかり。サブタイトルにあるように、日本の現代アートの中に脈々と流れる日本文化のDNAが感じられる展覧会です。
展覧会開催概要
会 期 2023年4月28日(金)~8月27日(日)
会 場 WHAT MUSEUM Space1、2F
開館時間 11時~18時(最終入場17時)
休館日 月曜日(祝日の場合、翌火曜日休館)
入館料 一般 1,500円、大学生/専門学生 800円、高校生以下 無料
PASSPORT 2,000円
※オンラインチケット制
※オンラインチケットの予約方法、展覧会の詳細等は同館公式サイトをご覧ください⇒WHAT MUSEUM
※展示室内は、一部作品を除き撮影可ですが、フラッシュの使用、動画撮影、三脚・自撮り棒の使用は禁止です。館内の注意事項をご確認ください。
それではまずは1階のSpace1から。
今回の展覧会のために黒くしつらえられたのが1階のSpace1。
神秘的な空間の中に展示されているのは巨大な屏風。
初めは何が描かれているかわかりませんでしたが、暗闇に目が慣れてくると、手前の屏風には長沢芦雪の絵を思わせる白い象の巨体、うしろの屏風にはまるで肉食恐竜のような鋭い歯をもった二頭の獅子が浮かび上がって見えてきました。
背景には金粉が蒔かれた草原にたむろす鹿たち、空には地表のクレーターがくっきりと見える満月が描かれていて、のどかな背景とドクロとの対比が一層際立っています。
ドクロの中央がちょうど襖の境目になっているので、襖を開けたらこの先にはどんな世界が広がっているのだろう、はたして天国か、地獄かと空想がかきたてられる作品です。
これは尾形光琳の国宝《紅白梅図屏風》(MOA美術館)のセピア色版では! と思わせる作品が目に入ってきました(下の写真左奥 小沢剛《岡本三太郎「醤油画(尾形光琳)」》。
江戸時代を代表する屏風の名作をモチーフにしていますが、画材は岩絵具でなく、なんと醤油。屏風の前に立っても醤油の香りはしませんでしたが、これも日本伝統の発酵食品を使っているので日本文化のDNAを受け継いでいると言えるでしょう。