2015年3月1日日曜日

青い日記帳×ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 ブロガー特別内覧会

2月24日(火)、現在、三菱一号館美術館で開催されているワシントン・ナショナル・ギャラリー展のブロガー特別内覧会に行ってきました。




はじめに同館館長の高橋明也さんからごあいさつがあり、
「今まで日本では2回ワシントン・ナショナル・ギャラリー展が開催され、今回も日本で人気の高い印象派の作品が展示されていますが、今回の特徴は作品が『小さい』ということ。手を伸ばすと届くような親しみやすさが、印象派以前の絵画と異なる印象派のラジカルなところ。こういった作品の数々をぜひ楽しんでいただきたい」
といったお話をいただきました。

続いて今回の展覧会を担当された同館学芸員の杉山菜穂子さんから、3階展示室にある作品の中からいくつかの作品の解説をいただきました。

杉山さんの左手前はマネ「競馬のレース」、その左はドガの「競馬」。
「マネの作品はレース中の現場の臨場感が出ているのに対して、ドガの作品はレース前ののどかな雰囲気が描かれている。この対比がおもしろい」と杉山さん。
小さなマネの作品には、後ろに見物している着飾った貴婦人たちが描かれていると解説していただいたので、あとで近くからよく見てみましたが、「これがそうかな」と思えるほど小さかったです。


次はルノワールの「花摘み」(右)と「ブドウの収穫」(左)。
「花摘み」が描かれた1875年頃、ルノワールはパリ・モンマルトルの丘にあるサクレクール寺院近くにアトリエを構えましたが、それは、その家の庭が気に入ったからとのことで、庭といってもイングリッシュガーデンのように整然と整備されたものでなく、ワイルドな感じが特に気に入ったから、とのことでした。この「花摘み」の絵もアトリエの庭がモデルになったのではと言われているそうです。
そして「ブドウの収穫」は「花摘み」の4年後に描かれたのですが、「2枚とも季節は同じ時に描かれたのに、画風が変わっていることに注目してください」との解説がありましたが、「花摘み」の方が私たちになじみのある絵のタッチかなと思いました。

「今回は、少ない色でシンプルな絵を描くルドンの作品も展示されています」と杉山さん。
近くで見ると空や海、緑の色が本当にきれいです。

そしておなじみルノワールの女性の肖像画も展示されています。
中央の絵は、パンフレットに出ている「猫を抱く女性」。
「女性の肌の質感、猫の毛のふわふわ感、まるでさわったような触感が感じられます」と杉山さん。

最後に、「第5章にはボナールとヴュイヤールの作品が展示されています。ナビ派の重要な画家である2人の作品は、日本ではあまり見ることができないのでぜひ見ていただきたい」といったお話がありました。

さて、ここからは入口に戻って各章ごとに作品を紹介していきます。

最初は第1章「戸外での制作」。
印象派の画家たちはイーゼルを屋外に持ち出し、外の景色を描きました。

入口の部屋にはモネ、ピサロ、シスレーといった「印象派といえばこの人たち」といった画家の作品が並び、まずは私たち印象派ファンを安心させてくれます。
 


さらに常連のブータンと続きます。


さきほど杉山さんに解説していただいた作品を通り過ぎ(第1章「戸外での制作」と第2章「友人とモデル」)、さらに先に進むと、小さな部屋がいくつかあります(この辺は第2章と第3章「芸術家の肖像」です)。

ゴーガン「カリエールに捧げる自画像」


マントルピースがいかにも家の中にいる、といった雰囲気を出してくれます。

こちらはモネの「ルノワール」(左)とベルト・モリゾ「窓辺にいる画家の姉」。

現在リニューアルのため閉館中の静嘉堂文庫美術館の古伊万里も展示されています。
静嘉堂文庫美術館のリニューアル記念特別展「金銀の系譜-宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」(10月31日~12月23日)も楽しみです。


2階に降りるとやはりおなじみのセザンヌの果物の静物画もあります(第4章「静物画」)。

そして最後に杉山さんおススメのボナールとヴァイヤール(第5章)。

ヴァイヤールの作品は小さくシンプルな構図のものばかりですが、どれも味わいがあります。


ボナールもいいですね。
作品中央の「画家のアトリエ」を見ていると、まるで自分がパリのアパートにいて、街の光景をぼんやりと眺めているような錯覚を覚えてきます。



印象派ファンのツボを押さえた、見ていてとても心地の良い展覧会でした。
会期は5月24日(日)までです。ぜひみなさんも三菱一号館美術館に足を運んでみてください。
詳細はこちらです。

http://mimt.jp/nga/

最後になりましたが、Takさん、ウィンダムさん、三菱一号館美術館のみなさん、貴重な場を設定していいただきありがとうございました。しっかり展覧会の宣伝します。
(会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです)

2015年2月26日木曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(8)ケルン・ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館

平成26年9月4日(木)続き
ローマ・ゲルマン博物館でローマ時代のケルンの歴史を勉強したあとは、中世の宗教画からバロック、さらには19世紀の絵画の数々を所蔵しているヴァルラーフ・リヒャルツ美術館へ。


展示室は地階から3階まであって、地階は19世紀絵画、2階が中世絵画、3階がバロック絵画とコーナーが分かれている(4階は改装中のため閉鎖されていた)。
どの階も展示している作品が多く、全部紹介していると大変なので、

私が特に気に入った作品をかいつまんで紹介したい(詳しい作品紹介は美術館サイトの収蔵品のコーナーをご参照ください)。

http://www.wallraf.museum/sammlungen/


まずは2階の中世絵画のコーナー。
ここでは平成25年9月の「バイエルン美術紀行」で訪れたニュルンベルクやミュンヘンでよくお目にかかったデューラーの作品に再会!

デューラー「笛吹きと太鼓たたき」

クラーナハ父子の作品もいくつか展示されている。

デューラーを中心に左がクラーナハ父の「聖母子像」、右が「聖マグダレーナ」。

次は2階のバロックのコーナー。
ここで紹介するのはフェルメールと同時期のオランダ画家ペーター・デ・ホーホ。
(いかにもオランダ絵画らしい構図!)




そして地階の19世紀絵画のコーナー。
ここにはゴーギャン、ゴッホ、セザンヌ、モネ、ムンクといった日本でも人気の高い画家たちの作品がそろっている。


ゴーギャン「秣(まぐさ)を集める」

ゴッホ「アルルの橋」


セザンヌ「エクス=アン=プロヴァンス西部の風景」

モネのコーナー 「睡蓮」(左)「ファレーズの家、霧」(右)
(「ファレーズの家、霧」はタイトルどおり近くで見ても霧で家がよく見えない)

ムンク「桟橋の4人の少女」

展示風景


そして地階入口にはモネの贋作まである。
以前は真作と見なされていたものが、近年の修復作業の段階で贋作とわかったもので、画家のサインが二重に書き足されていたり、カンバスの材質が違っていたり、赤外線を当てたら空の雲が鉛筆の線で描かれていたことが決め手になったようなことが絵の下の解説に書いてある。



ヴァルラーフ・リヒャルト美術館の建物は新しい。
かつての建物は1943年の空襲で焼けてしまった。所蔵作品は避難させていたので無事だったが、その6年前の1937年にはナチスによって「退廃芸術」と烙印を押されたピカソやムンク、ゴーギャンやココシュカほかの画家の多くの作品が押収されるという受難の時代も経験している。(これらの作品はどこへ行ってしまったのか?)


夕食は珍しく外食。
街の中を歩いていろいろ迷ったが、雰囲気がよさそうなので中央駅近くの「Gaffel am Dom」に入った。
ケルンのビール「ケルシュ」は色がうすめで200mlの細長いグラスで出てくる。
味はさっぱり。ドイツには珍しく夏は湿気のある気候と関係しているのだろうか?
 

取っ手のついたお盆にビールの入ったグラスを持ったウェイター氏が店の中を回っていて、グラスが空になりそうになると、次のグラスを置き、コースターの右上にボールペンで印をつける(下の左の写真)。
この日の食事は少し奮発して豚の骨付き肉「アイスバイン」(右の写真)。

  



取っ手のついたお盆はクランツ(Kranz)と呼ばれている。
(クランツは下のGaffelのサイトの左上の写真をご覧ください)
 ↓
http://www.gaffel.de/Unsere-Shops/Gaffel-Shop/Gaffel-Koelschkranz-13er-gar369.html


ビール3杯飲んで、この大きな肉の塊を食べても全部で21ユーロはわりとお手頃。
支払いのときに、ちゃんとチップ込みで払ってくれるかな、と心配そうな顔をしていた若いウェイターさんも、私が「24ユーロ」と言って30ユーロを渡すと、ニコッとして6ユーロのお釣りをよこした。
外に出たらまだ明るかった。
私はほろ酔い気分でケルン大聖堂を背にホテルに戻った。

(次回に続く)

2015年2月16日月曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(7)ケルン・ローマゲルマン博物館

平成26年9月4日(木)ケルン続き

ミュンヘンやフランクフルトは気温が高くても湿度が低く、汗っかきの私でも汗はかかなかったが、ケルンは少しは大西洋に近いせいか、気温はあまり高くないが湿気がある。
中央駅前広場の噴水で水遊びする人もいる。



さて、昼食の後は大聖堂を通り過ぎてすぐ後ろにあるローマ・ゲルマン博物館。



ケルンは古代ローマ人の都市。
この場所は「ディオニソス・モザイク(紀元後220~230年頃)」が発掘された場所。それがきっかけでローマ・ゲルマン博物館はこの地に建設された。

「ディオニソス・モザイク」はローマ人の邸宅の食堂の床を飾っていたもの。

この博物館は展示も趣向を凝らしていて、「ディオニソス・モザイク」は上の階から見下ろすこともできるし、このように間近に見ることもできる。

こちらは3階分吹き抜けの場所に展示されている「古代ローマ軍の兵士ルツィウス・ポブリツィウスの墓碑」。

古代ローマ人の都市ケルンの想像図。


ケルンは土を掘るとどこからでも出土品が出てくるようだ。
室内を再現したものや、門構えを復元したり、当時の生活用品を展示したり、展示品の数々は見ごたえ十分だ。











ここはケルンの歴史を勉強するにはうってつけの場所。
高校生ぐらいの生徒たちの集団が学芸員さんの説明を受けている光景を館内のあちこで見かけた。


(次回に続く)




2015年1月26日月曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(6)ケルン大聖堂

平成26年9月4日(木)ケルン

いよいよ大聖堂の中。
身廊の天井の高さは43.35mもある。さすがに高く、広々している。
祭壇の前には観光客が集まっていた。ガイドツアーのグループも多かった。

祭壇では次の礼拝の準備が始められていて、ここから先は入れなかったので、祭壇画を見ることはできなかった。


内陣にある東方三博士の聖遺物が納められている黄金細工の聖棺。


内陣右の翼廊にある祭壇は彫刻も絵も素晴らしい。

内陣両側のモザイクも見事。



パイプオルガンもこんな高いところにある!

身廊右側のステンドグラスは、バイエルン王ルードヴィッヒⅠ世が奉納したのでバイエルン窓と呼ばれている。


ちゃんと1847年に奉納したと書かれている。


大聖堂内の素晴らしさに感心していたら、12時からの礼拝に参加する人たちが集まり始めてきた。朝から歩きっぱなしで、おなかも空いてきたので外に出てお昼を食べることにした。

といってもホテルも近いので、中央駅構内で野菜パスタとコーラを買って部屋食。
なんといってもくつろげるので、やっぱりこれが一番。



(次回に続く)