2020年8月31日月曜日

人気イラストレーターChocomooさんの展覧会に行ってきた!

体育館のように広々としたスペースの中、パステルブルーが基調のボードにはモノトーンで描かれた明るく楽しい作品が並び、会場の中央にはかわいらしいキャラクター。
奥のスクリーンには、ポップなBGMに乗ってイラストを描くChocomoo(チョコムー)さんの映像。

会場内展示風景


展覧会のタイトルは「OUR SECRET PARTY」

「私たちの秘密のパーティー」
タイトルを見ただけでも何が始まるんだろうと期待がふくらんでくる展覧会です。

【展覧会概要】
会 場  WITH HARAJUKU HALL
     (JR山手線「原宿駅」東口から徒歩1分 WITH HARAJUKU3階)
会 期  2020年8月13日(木)~9月28日(月)
開館時間 10:00~19:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日  会期中無休
入場料  一般 1,200円 高・大・専門学生 1,000円 中学生 800円(税込)
     ※日時指定制です。チケットは事前にご購入ください。
     ※小学生以下は無料
     ※学生券ご購入の方は学生証をご提示ください。 
主 催  サンライズプロモーション東京
特別協賛 WITH HARAJUKU
後 援  TBSラジオ J-WAVE
詳細は公式ホームページをご覧ください⇒chocomoo-exhibition

展示作品数は、未公開作品や今回の展覧会のための描き下ろし作品を含めて全部で73点。展示室内は大きく分けて4つのコーナーで構成されています。

DIARY OF A MOMENT
COLLABORATION WITH BOBBY GROSSMAN
MUSIC IS LOVE
THAT'S A PARTY
(「COLLABORATION WITH BOBBY GROSSMAN」のコーナーに展示されている作品以外は撮影OKです。)

それではさっそく展覧会の様子をご紹介していきたいと思います。

見ていて楽しくなる作品ばかりです!


会場に入ってすぐ左はDIARY OF A MOMENTのコーナー。

「DIARY OF A MOMENT」展示風景

一番手前には、まるで今回の展覧会の案内看板のような作品《OUR SECRET PARTY》。

小さいころ書道を習っていたというChocomooさん。
モノトーンで黒の濃淡をつけた作風が特徴です。
《OUR SECRET PARTY》2020
濃い黒で描かれたタイトルと、楽しげに踊るハンバーガーやピザ、花にリンゴにアイスクリーム、ハート形の人の顔や、顔が描かれた風船。画面一面にいろいろなものが描かれていて、とてもにぎやか。
音符やレコードも描かれているので、楽しげな音楽が流れているようです。

《OUR SECRET PARTY》2020(部分)


普段は抽象的なイメージを、パズルを組み立てていく感覚で描くことが多いChocomooさんが、今回の展覧会では、設計やデザインをしている感覚で具体的に描くことに挑戦したとのこと。
古いダイナーの写真をイメージしながら描いたという作品が《OUR DINER》。
お酒を飲みながら陽気に話す声が聞こえてきそうです。

《OUR DINER》2020



このボードの反対側の作品は、背景にあえて色を入れたという新しい試みの作品。
モノトーンの絵といえば、思い浮かべるのが東洋の水墨画。
水墨画でも金箔の上に描いたり、効果的な色を入れたりするので、背景の色合いは違っても、まったく違和感はなく、かえって描かれた人物が引き立って見えるように感じられました。

右 《BEAUTY》2020、左 《NEVER》2020

続いてTHAT'S A PARTYのコーナー。

「THAT'S A PARTY」展示風景

一番手前の作品は、ピアノやキーボード、ドラムセットが描かれていて、いよいよパーティーが始まるという雰囲気が盛り上がる《THANK YOU》。
作品の下の白い文字もおしゃれです。
《THANK YOU》2019

そして向かって左に進むと、MUSIC IS LOVEのコーナー。

「MUSIC IS LOVE」展示風景
ピアノやドラムやギターがにぎやかな音楽を奏でるこの作品のタイトルは、そのものズバリ《MUSIC》。

《MUSIC》2018

”自粛”を意識しなければならなくなった生活の中で、最前線で働いている方々へ感謝の気持ちを表現したいとの思いで描いたという作品《THANK YOU》(こちらは2020年の作品)。

《THANK YOU》2020


細かいところまで見ればもっと楽しい!


会場内を歩いて、作品を眺めているだけでも楽しい気分になれるのですが、Chocomooさんが作品の中に思いを込めて描いたメッセージを見ていくと、もっともっと楽しさが増してくること間違いなしです。

今回の作品の中で私の一番のお気に入りの場面はこちら。
さきほど紹介した《THANK YOU》2020の右下の絵です。

《THANK YOU》2020(部分)

「EVERYTHING WILL BE ALL RIGHT」
この扉の先に行けばすべてがうまくいく。なんだかそんな気になってきます。

同じ作品の上の方にはテレビ画面に映し出された「NOT THE END」。
「まだ終わりじゃないよ。」 これも好きな言葉です。

《THANK YOU》2020(部分) 

正面の展示作品に移ります。
正面の作品の展示風景
上の写真一番右の二枚組作品《WINDOW》の風船に書かれた言葉は「HOPE」。
ハート形の人が希望をつかんで、とてもうれしそうな表情です。
《WINDOW》2020(部分)

右から二番目の作品《FRIENDS》には「LOVE」と「PEACE」。

《FRIENDS》2020(部分)
文字だけではありません。
右から三番目の二枚組作品《WE》には地球儀や飛行機、旅行鞄。これは楽しい世界旅行。

《WE》2020(部分)


鍵も所々で見かけます。これはもつれた問題を解く大事なキーなのでしょうか。
一番左の作品《HOUSE》の左中央にも見つけました。 

《HOUSE》2018(部分)
やはり所々で見かけるのですが、これはまぎれもなく絆創膏!
生きていればつらいこともあるし、心や身体に傷を負うこともある。そういう時は優しく絆創膏で癒そう。そういったメッセージにも思えました。

《HOUSE》2018(部分)


先ほど紹介した青い背景の《NEVER》の一番左で逆立ちしている女の子の腕にも絆創膏。ローラースケートで走っていて何回も転んだのかもしれません。
それにしても、絆創膏のアルファベットのLのような文字は何を意味しているのでしょうか。

《NEVER》2020(部分)

《I HATE YOU》(私はあなたを憎む)。
この展覧会に似つかわしくないタイトルの作品がなぜここに?
そしてその右隣の作品は《EVERYTHING IS GOOD》(すべてよし)。

左が《I HATE YOU》2018
右は《EVERYTHING IS GOOD》2020 
「それでいいわけはない」と思いつつ、近くに寄って見てみると、HATEの文字がLOVEで描かれています。HATEをLOVEに変えようということなのですね。

《I HATE YOU》2018(部分)
まだまだ紹介したいことは山ほどあるのですが、きりがないのでこのくらいにして、みなさんもぜひお時間の許す限り細部までご覧になって、自分だけの好きな言葉、好きな絵を発見してみてはいかがでしょうか。

オールドロックファンにも懐かしい!


一見すると若い世代向きの作品ばかりと思われるかもしれませんが、私のようなオールドロックファン世代がノスタルジーを感じる作品も多くあるのです。

《MUSIC IS LOVE》2020
今や楽曲はネットで配信される時代。CDでさえ過去のものになりつつある中、この作品に登場するのはCDよりさらに前のLPレコード!
レコードはほかの作品にも描かれいますが、この黒い円盤を見ると、限られた小遣いの中からやりくりして買ったロックの名盤のことを思い出して、妙に懐かしさを感じるのです。

バンドのメンバーの衣装も、どことなく1960年代後半から1970年代前半のファッションに見えてきます。
《FREE》2020

あなたも作品の主役に!


冒頭、「COLLABORATION WITH BOBBY GROSSMAN」のコーナーに展示されている作品は撮影不可とお伝えしたのですが、このコーナーには、ニューヨークを拠点とする写真家ボビー・グロスマンが撮影したアンディ・ウォーホール、バスキアといった有名人の写真にChocomooさんがイラストを描くというコラボ作品が展示されています。

他にも、1974年にニューヨークで結成されたパンクバンド「ラモーンズ」のボーカル、ジョーイ・ラモーンや、「ブロンディ」のボーカル、デビー・ハリーの写真とのコラボ作品もあります。
「ハート・オブ・グラス」(1979年)や「コール・ミー」(1980年)などのヒットで知られるブロンディは、やはり「懐かしい!」と思ったのですが、なんとバンドは今でも活動中、デビー・ハリーもバリバリの現役なのです。

さて、このコーナーにはChocomooさんのイラストが描かれた鏡が展示されています。
この鏡の前に立つと、みなさんがモデルになってChocomooさんとのコラボ作品を作ることができるのです。ぜひここで記念に一枚!


こちらはChocomooさんの作品に囲まれて写真が撮れるフォトスポット。
写真を撮ったらハッシュタグ #ChocomooEX をつけてSNSに投稿しましょう!


Chocomooさんに会える!


こちらはChocomooさんが来場してその場でイラストを描く「ライブペイント」のコーナー。
ライブペイントはゲリラ的に行うとのことですが、直前にツィッターで事前告知することもあるようなので展覧会の公式ツィッターも要チェックです⇒Chocomoo EXHIBITION OUR SECRET PARTY


この場でしか買えないオリジナルグッズも盛りだくさん!


紹介が遅れましたが、会場中央のマスコットは「Don't Touch」君。
Chocomooさんが一番長く描いているというハートの形をしたキャラクターで、本当は触れてほしいのに、シャイなので「Don't Touch」と言ってしまうとのこと。


ホワイエのにグッズ売り場にも「Don't Touch」君のふかふかの「抱きクッション」があります。


他にもエコバック、バンダナやTシャツ、洗える布製マスクなどいろいろ揃っています。
来館記念にぜひ!


オフィシャルアートブックは2,800円(税込)。
家に帰ってからもChocomooさんの作品が楽しめます。


(本文中の作品や「Don't Touch」君の説明はこのカタログを参考にさせていただきました。)


ホワイエにはChocomooさんがイラストを描いたヤマハのピアノも展示されています。

《LovePiano5号機》2020

とても楽しく明るい展覧会です。
9月28日(月)まで開催されていますので、ぜひその場でChocomooさんの作品をご覧になっていただければと思います。
19時まで開館していますので(入場は閉館の30分前まで)、お近くの方は仕事帰りにもぜひ!