※本展覧会は、緊急事態宣言の発令に伴い、4月24日(土)で終了しました。
東京メトロ日比谷線の銀座駅改札を出て地下道を歩き始めると、大きな箱が見えてきました。その名もDESIGN MUSEUM BOX。
Ginza Sony Park会場入口 |
広いスペースの中には、タイトルのとおり大きな箱型のものがいくつも重なって置かれています。
Ginza Sony Park展示風景 |
さて、箱の中には何が入っているのでしょうか。
とても気になったので、さっそく会場内に入ってみることにしました。
展覧会概要
展覧会名 DESIGN MUSEUM BOX展 集めてつなごう 日本のデザイン
会 期 2021年4月10日(土)~5月9日(日) 11:00~19:00
会 場 Ginza Sony Park(東京都中央区銀座5-3-1)
入場料 無料
主 催 NHK/協力:一般社団法人Design-DESIGN MUSEUM
「DESIGN MUSEUM BOX展 集めてつなごう 日本のデザイン」について
NHK Eテレで放送中の「デザインミュージアムをデザインする」にこれまで出演した5人のクリエーターがデザインの視点から日本各地で「デザイン宝さがし」を行う模様が3月に番組で放送されました。本展では、5つの地域で見つけ出した”宝物”を共通のフォーマットである「DESIGN MUSEUM BOX」にまとめ、”宝物”の魅力を説き起こす言葉や映像が添えられた5人の「DESIGN MUSEUM BOX」を一堂に展示いたします。
※展示室内は撮影可です。
さっそく個性的な5人のクリエーターたちが選んだ”宝物”を見てみることにしましょう。
【奄美】森永邦彦(ファッションデザイナー)×宇検村生涯学習センター 元気の出る館/瀬戸内町立図書館・郷土館 「ノロの装束”ハブラギン”」
森永邦彦さんが選んだのは、奄美で祭祀を司ったノロが着用した装束”ハブラギン”。
ハブラ(ハベラ)とは、奄美の言葉で人の霊が乗っているされる蝶や蛾のこと。三角形は蝶や蛾の群れ、浮遊している人間の霊魂を表し、その霊力で着ている者を守護すると伝えられています。
Ginza Sony Park展示風景 (森永邦彦「ノロの装束"ハブラギン"」) |
こちらはカラフルな三角形が主体のパッチワークで、これを着ていたらとても目立つのですが、これには仕掛けがありました。
Ginza Sony Park展示風景 (森永邦彦「ノロの装束"ハブラギン"」) |
白い三角形の生地のパッチワークも光を当てるとこのとおり光るのです。
Ginza Sony Park展示風景 (森永邦彦「ノロの装束"ハブラギン"」) |
※新型コロナウィルスの感染が拡大していますので、懐中電灯使用前後は手指の消毒を忘れずに!
【姫路】辻川幸一郎(映像作家)×日本玩具博物館
「ぶちゴマ、そこから広がるさまざまなコマ」
辻川幸一郎さんが紹介するのは、世界各地のコマ。
子供の頃、正月になるとコマを回して遊んでいたので、とても懐かしく思いましたが、なんとコマの歴史は古くて、古代エジプトや6世紀の日本の遺跡からも発見されているとのこと。
Ginza Sony Park展示風景 (辻川幸一郎「ぶちゴマ、そこから広がるさまざまなコマ」) |
世界じゅうのコマがぎっしり詰まった展示です。
Ginza Sony Park展示風景 (辻川幸一郎「ぶちゴマ、そこから広がるさまざまなコマ」) |
【金沢】田川欣哉(デザインエンジニア)×柳宗理記念デザイン研究所「柳宗理のデザインプロセス カラトリーを例に」
田川欣哉さんが紹介するのは、戦後日本のプロダクトデザインを代表するデザイナー柳宗理の工房。
一本のスプーンが作り上げられるまでのプロセスがよくわかる展示になっています。
Ginza Sony Park展示風景 (田川欣也「柳宗理のデザインプロセス カラトリーを例に」) |
眼に映るものすべてが大切、という柳宗理の意外なコレクション。
野球ボールも新品でなく、実際に使われて選手たちの汗がしみ込んだボールというところが渋いです。
上の写真左の小箱はオルゴール。
これをピアノの背面にくっつけてハンドルを回すとピアノ本体に響いて美しい音色が聴けるのです。
【岩手】田根剛(建築家)×御所野縄文博物館
「縄文のムラのデザイン」
「デザインとは近代だけでのものではない。1万年前、縄文時代からデザインはあった。」と考える、田根剛さんが紹介するのは、岩手・一戸にある御所野縄文博物館が所蔵する御所野遺跡の出土品など。
Ginza Sony Park展示風景 (田根剛「縄文のムラのデザイン」) |
まるで土の中に埋まっていたものが、発掘された時のような展示です。
のぞき込むと見えるものは?
Ginza Sony Park展示風景 (田根剛「縄文のムラのデザイン」) |
日本各地や世界から、年代も超えて集められたデザインが箱の中にギュッと詰まっています。
来て、見て、体験して楽しめる展覧会。
ぜひふらりと訪れてみてはいかがでしょうか。