東京大手町の大手町三井ホールで開催中の『巨大映像で迫る五大絵師ー北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界ー』に再訪してきました。
巨大スクリーンで見られる五大絵師の名作はABそれぞれのプログラムがあって、前回見たのはBプログラムでしたが、今回はAプログラム。
どちらもそれぞれ違った魅力があるので、どちらもおススメですし、両方見てもけっして飽きることはありません。
前回の紹介記事はこちらです⇒『巨大映像で迫る五大絵師』ー北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界-
それではさっそく、Aプログラムの見どころをご紹介していきたいと思います。
展覧会開催概要
会 場 大手町三井ホール(東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F)
東京メトロ・都営地下鉄各線「大手町」駅 C4出口直結
会 期 2021年7月16日(金)~9月9日(木) 会期中無休
開館時間 10:30-19:30 ※最終入館は閉館の60分前まで
観覧料 一般 2,000円、大学生・専門学校生 1,500円、中学生・高校生 1,000円
※満70歳以上、小学生以下は入場無料。
※障がい者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)は無料。
※ご来場時、年齢証明ができるもの、または学生証をご提示ください。
展覧会の詳細等は展覧会公式ウェブサイトをご覧ください⇒巨大映像で迫る五大絵師
展覧会公式ツィッター⇒https://twitter.com/faaj_staff
You Tubeチャンネル⇒巨大映像で迫る五大絵師
会場は次の3つのエリアで構成されています。
【解説シアター】
超高精細デジタル画像で作品の緻密な部分を拡大表示し、ナレーション(英文字幕)とともに作品をわかりやすく解説します。(上映時間20分)
【メイン会場】
縦7m、横45mの3面ワイドスクリーンによる圧巻の巨大映像空間。先進デジタル技術と高輝度4Kプロジェクター複数台を駆使した映像と、音楽のコラボレーションによる大スペクタクルを体験いただけます。(上映時間約20分)
※プログラムは、A、B二つの作品リストがあって毎日入れ替わります。上記公式サイトで「開催カレンダー」「上映作品一覧」をご確認ください。
五大絵師の主な作品(カッコ内は、ABそれぞれの作品リストを表します。)
葛飾北斎 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」他(ABとも)
歌川広重 東海道五拾三次「日本橋 朝之景」「蒲原 夜之雪」「庄野 白雨」他(ABとも)
俵屋宗達 国宝「風神雷神図屏風」(ABとも)国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」(Bのみ)
尾形光琳 重要文化財「風神雷神図屏風」(ABとも)「菊図屏風」(Bのみ)「雪松群禽図屏
風」(Aのみ)
伊藤若冲 重要文化財「仙人掌群鶏図」(ABとも)「百花の図」(Aのみ)
フォトタイム(約7分)には巨大名画の写真撮影ができます。
目の前に迫りくる大波!
【Digital北斎×広重コーナー】
超高精細デジタル画像による「冨嶽三十六景」と「東海道五拾三次」からベストセレクション58作品を大型モニター12台で紹介します。
※解説シアター及びメイン会場の3面シアターの上映プログラムはともに撮影禁止です。
3面シアターにて約7分のフォトタイムがあります。
また、Digital北斎×広重コーナーは撮影可です。
掲載した写真はメイン会場のフォトタイムとDigital北斎×広重コーナーで撮影したものです。
それではまず、メイン会場のフォトタイムからご紹介!
巨大スクリーンでは、やはりこの作品をはずすわけにはいきません。
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」です。
俵屋宗達 国宝「風神雷神図屏風」 所蔵:大本山 建仁寺 |
こちらは俵屋宗達の影響を大きく受けた尾形光琳が、宗達の約80年後に描いた「風神雷神図屏風」。
Bプログラムのフォトタイムでは葛飾北斎「冨嶽三十六景」の「凱風快晴」が上映されましたが、Aプログラムは「山下白雨」。
葛飾北斎 「冨嶽三十六景 山下白雨」 所蔵:山梨県立博物館 |
白雨とは、夕立、にわか雨のこと。富士山のふもとの不穏な黒い雲と稲光が目の前に迫ってきます。
展覧会では「五大絵師」だけでなく、同時代の絵師の作品も紹介されます。
Aプログラムでは、狩野邦信「源氏物語図屏風」、作者不詳「平家物語図屏風」の2点。
狩野邦信は、江戸時代後期に活躍した狩野派の絵師。
巨大スクリーンで見ると、女性の十二単や男性の服の文様が細かいところまで丁寧に描き込まれているのがよくわかります。
狩野邦信「源氏物語図屏風」 所蔵:岡田美術館 |
伊藤若冲のアジサイも一つひとつの「がく」が丁寧に描かれています。
伊藤若冲「百花の図」 所蔵:金刀比羅宮 ※通常非公開 |
香川県の金刀比羅宮の奥書院上段の間を飾るこの「百花の図」は通常非公開ですが、目の前でじっくり見ることができるのもデジタルアート展ならではのことでしょう。
作者不詳「平家物語図屏風」も細部まで緻密に描かれています。
武将たちの鎧、おびただしい数の兵士たちの表情、さらに絵の中に描かれた襖や掛軸などの画中画。美術館で単眼鏡で見てもわからないくらい細かい描写がよくわかります。
作者不詳「平家物語図屏風」 所蔵:岡田美術館 |
作者不詳「平家物語図屏風」 所蔵:岡田美術館 |
このように拡大されても細部までくっきり見えるのは、超高精細デジタル画像だからこそではないでしょうか。
迫りくる巨大な風神雷神や大波、細部まで緻密に描き込まれた花や人物の表情。
巨大画面ならでは迫力をぜひ実感してみてください!
続いては、【Digital北斎×広重コーナー】。
ここでは葛飾北斎「冨嶽三十六景」と歌川広重「東海道五拾三次」の中から58作品がセレクトされて大型モニターに映し出されます。
葛飾北斎「冨嶽三十六景」展示風景 |
1つの大型モニターでは3~5作品を約1分で見ることができるので、お目当ての作品が出てくるまで長く待つことはありません。
どこから描かれた富士山なのかは、マップで見ることができます。
葛飾北斎「冨嶽三十六景」展示風景 |
こちらは歌川広重「東海道五拾三次」のコーナー。
展覧会公式ガイドブックもおススメです。
今回の展覧会のメイキングのお話や、五大絵師のプロフィール、作品のカラー写真など盛りだくさんの内容で税込2,200円。
ミュージアムショップにて会場限定販売。書店ではお取り寄せできませんので、ぜひその場でお買い求めください。おうちでも五大絵師がお楽しみいただけます!