親鸞聖人(1173-1262)生誕の地・京都の京都国立博物館では、生誕850年を記念して 特別展「親鸞ー生涯と名宝」が開催されています。
それではさっそく展示の様子をご紹介したいと思います。
展覧会開催概要
展覧会名 親鸞聖人生誕850年特別展「親鸞ー生涯と名宝」
会 期 2023年3月25日(土)~5月21日(日)
[主な展示替]
前期展示 3月25日(土)~4月23日(日)
後期展示 4月25日(火)~5月21日(日)
※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。
開館時間 午前9時~午後5時30分(入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日
会 場 京都国立博物館 平成知新館
観覧料 一般 1,800円、大学生 1,200円 高校生 700円
※中学生以下、障害者の方とその介護者1名は無料(要証明)。
※大学生・高校生は学生証の提示が必要。
※展覧会の詳細は京都国立博物館公式ウェブサイト、展覧会公式サイトをご覧ください。
※展示室内は撮影禁止です。掲載した写真は主催者より特別の許可を得て撮影したものです。
展示構成
第一章 親鸞を導くものー七人の高僧ー
第二章 親鸞の生涯
第三章 親鸞と門弟
第四章 親鸞と聖徳太子
第五章 親鸞のことば
第六章 浄土真宗の名宝ー障壁画・古筆ー
第七章 親鸞の伝えるものー名号ー
見どころ1 真宗十派の至宝が一堂に会した親鸞展
今回の展覧会では、国宝11件、重要文化財75件を含む過去最多の181件が出陳されますが、規模が大きいとうだけでなく、親鸞聖人の生誕850年を契機に真宗教団連合の特別協力によって真宗各派の垣根を超えて真宗十派の至宝が一堂に会すことになり、展示内容としても史上最大の親鸞展が実現したのです。
そのひとつの例が、親鸞の主著『教行信証』。
東本願寺(大谷派)の親鸞筆『教行信証(坂東本)』(国宝)、西本願寺(本願寺派)の『教行信証(西本願寺本)』(重要文化財)、専修寺(高田派)の真仏筆『教行信証(高田本)』の三本が真宗各派の垣根を超えて初めて集結しました。
「第五章 親鸞のことば」展示風景 |
さらに、現存する親鸞直筆の手紙(消息)は、西本願寺(本願寺派)が4通、東本願寺(大谷派)が1通、専修寺(高田派)が7通所蔵していますが、その12通すべてが展示されます(会期中展示替あり)。
親鸞直筆の手紙が800年近くの年月を経て伝わっているというだけでも大変貴重なことなのですが、門弟たちからの質問に対して真摯に答える親鸞の姿が、手紙の内容や筆致から時を越えて伝わってくるように感じられました。
今回の展覧会のキャッチコピーは、いまこそ、親鸞の声を聞く。
先行きが不透明な今だからこそ、親鸞の直接のことばに耳を傾けてみたいです。
浄土真宗に伝わる名宝のうち、京都に伝来する障壁画や古筆の優品も宗派を超えて一堂に会しました。
見どころ2 伝絵で綴る親鸞の生涯
今回の特別展では親鸞の生涯に迫ることができるように、展示構成にも工夫が凝らされています。
3階まである平成知新館のうち、3階は親鸞の信仰する本尊、経典、師匠が紹介される「序論」。
親鸞の生涯をたどる「本論」が見られるのは2階で、5つの展示室の構成は次のとおりです。
5つの展示室の構成
2F-1 『親鸞伝絵』の紹介
2F-2 出家
2F-3 『選択集』の伝受
2F-4 流罪
2F-5 往生
2F-2から2F-5までの各部屋には親鸞の曾孫・覚如(1270-1351)によって制作された絵巻『親鸞伝絵』のそれぞれの展示室のテーマが描かれた場面と、それに関連する作品が展示されているので、とてもわかりやすいです。
親鸞聖人にちなんだミュージアムグッズも充実してます!
史上最大の親鸞展ですので、親鸞聖人にちなんだ展覧会オリジナルグッズも充実しています。
ミュージアムショップ |
A4クリアファイルや絵はがきはもちろん、最近ではすっかりミュージアムグッズの定番になったオリジナルマスキングテープ、そしてさらには親鸞聖人像のアクリルスタンドや親鸞聖人の似顔絵がデザインされたキーホルダーやTシャツまで!
浄土真宗を開いた親鸞聖人なのでとても遠い存在のように感じていましたが、このようなグッズを通して身近で親しみがもてる方のように思えるようになりました。
カラー図版も、作品解説も、コラムも充実した全344ページの展覧会公式図録(税込3,000円)も史上最大級です。
朝日新聞が運営する通販サイト「朝日新聞SHOP」での販売も始まりました。
次は38年後?
親鸞展が前回開催されたのは、親鸞聖人の750回ご遠忌にあたる2011年のこと。
この年の春には親鸞聖人750回忌「親鸞展」が京都市美術館で、秋には特別展「法然と親鸞」が東京国立博物館で開催されました。
今後、50年ごとのご生誕記念かご遠忌の年に今回のような大規模な親鸞展が開催されるとなると、800回ご遠忌が38年後の2061年、900年ご生誕記念は50年後の2073年ですので、次に開催されるのは早くても38年後かもしれません。
巡回展の予定もありませんので、親鸞聖人ゆかりの地京都で開催中の史上最大の親鸞展をお見逃しなく!
トラりんも待ってます。