東京・日本橋の三井記念美術館が待望のリニューアルオープン!
リニューアルオープン第1弾は、「絵のある陶磁器-仁清・乾山・永樂と東洋陶磁」。
今回のメインビジュアルのとおり、ともて華やかでカラフルな陶磁器が楽しめる展覧会です。
展覧会チラシ |
展覧会開催概要
会 期 2022年4月29日(金・祝)~6月26日(日)
開館時間 11:00~16:00(入館は15:30まで)
休館日 月曜日
入館料 一般 1,000円、大学・高校生 500円 中学生以下無料
展覧会の詳細、新型コロナウイルス感染防止対策等は同館公式サイトでご確認ください⇒三井記念美術館
※展示室内は撮影禁止です。掲載した写真は内覧会で美術館の特別の許可をいただいて撮影したものです。
あの素晴らしい空間が帰ってきた!
三井記念美術館に来る大きな楽しみの一つは、細長い空間に個別展示ケースが置かれた展示室1のこの光景を見ること。
重厚な洋風建築の内装と相まってゴージャスな雰囲気を醸し出しています。
展示室1展示風景 |
続いて、毎回メインの一品が展示される展示室2。
今回は尾形乾山の「銹絵染付笹図蓋物」が展示されています。
国宝の茶室「如庵」を再現した展示室3もいつもながら風情のあるしつらえです。
展示室3展示風景 |
広々とした展示室4には大画面の屏風がお似合いです。
展示室4展示風景 |
大きめの独立ケースがアクセントの展示室5。
展示室5展示風景 |
展示室6は小さな部屋ですが、作品がガラス越しのすぐ手前に展示されているので、小さい作品を細部までよく見ることができます。
今回は小さくてかわいらしい香合が展示されています。
展示室6展示風景 |
そしてフィニッシュは大ぶりな掛け軸を展示しても広々と感じられる展示室7。
陶磁器に描かれた絵の世界にうっとり
最初に展示室それぞれの特徴あるしつらえをご紹介しましたが、続いて今回のテーマ「陶磁器に描かれた絵」をご覧いただきたいと思います。
「陶磁器に描かれた絵」を見る時のコツというわけではありませんが、平面の掛け軸や屏風でなく立体の器に描かれているので、
まずは少しかがんで横から見て、
背伸びして器の中をのぞき込んで、
独立ケースに入っている器はぐるっと回って、といった具合にいろいろな角度から見てお楽しみください。
さて、今回の展示作品の中で、仁清、乾山、永樂保全・和全、東洋陶磁の中からお気に入りの逸品をご紹介したいと思います。
最初にご紹介するのは、白地を背景に品のある色合いの桐と巴が描かれた野々村仁清の「色絵桐巴文水指」。
仁清は京焼色絵陶器の完成者とも言われる江戸初期の京焼の名工で、この落ち着いた雰囲気の絵を眺めていると、スーッと心が和んでくるように感じられます。
続いては仁清に陶法を学んだ尾形乾山(1663-1743)の「銹絵染付笹図蓋物」。
先ほどご紹介した、毎回メインの一品が展示される展示室2に展示されていますが、そこでは蓋を開けた状態で展示されているので、ぜひ器の中までご覧ください。
さてこれは何が描かれているのだろう、と思いましたが、蓋と身の内外に描かれているのは、雪の中の笹の葉。
雪が積もる中でも生い茂る笹の葉の力強い生命力が感じられる作品です。
銹絵染付笹図蓋物 1合 乾山作 江戸時代・18世紀 三井記念美術館蔵 |
幕末期に活躍した永樂保全(1795-1854)の「交趾釉兎花唐草文饅頭蒸器」は、色合いも、文様も、花の描き方も中国風。
唐草文様の中をぴょんぴょん飛び跳ねるウサギが可愛い作品です。
この器で蒸した饅頭を一度は食べてみたいと思いました。
まるで布にほどこされた刺繍のような感触が感じられる永樂和全(1823-96)の「布目色絵団扇形食籠」。
保全の長男で、幕末から明治にかけて活躍した和全のこの作品は、多くの色を使いながらも、全体的に落ち着いた色調になっているところに品のよさが感じられます。
布目色絵団扇形食籠 1合 和全作 江戸時代・19世紀 三井記念美術館蔵 |
最後にご紹介するのは、展示室6に展示されている「交趾金花鳥香合」。明時代の作品です。
金色に輝く花と、優雅に羽ばたく鳳凰の姿をぜひ近くでじっくりご覧ください。
今回のリニューアル工事では、ミュージアムショップのスペースが約2倍の広さに拡張されて休憩、読書スペースも兼ねたアートサロンがオープンしました。
ミュージアムショップには、円山応挙の国宝「雪松図屏風」はじめ三井記念美術館のコレクションにちなんだグッズが揃っているので、ぜひお立ち寄りください。