2024年1月14日日曜日

大田区立龍子記念館 高橋龍太郎コレクション連携企画「川端龍子+1(PLUS ONE) 濱田樹里・谷保玲奈 色彩は踊り、共鳴する」

開館60年を迎えた東京の大田区立龍子記念館では 高橋龍太郎コレクション連携企画「川端龍子+1(PLUS ONE) 濱田樹里・谷保玲奈 色彩は踊り、共鳴する」が開催されています。

展覧会チラシ

今回の展覧会は、高橋龍太郎氏の3000点以上におよぶ現代アートの所蔵作品の中から選ばれた、前期後期でそれぞれ一人の現代の美術作家の作品と、大田区立龍子記念館が所蔵する川端龍子作品を展示するとどのような共鳴を呼び起こすのかを試みたエキサイティングな企画です。

とても楽しみにしていた展覧会で、前期、後期とも行ってきましたが、遅ればせながら後期展示の様子をご紹介したいと思います。

展覧会開催概要


会 期  2023年10月21日(土)~2024年1月28日(日)
 前 期 2023年10月21日(土)~12月3日(日)
 後 期 2023年12月9日(土)~2024年1月28日(日)
開館時間 9:00~16:30(入館は16:00まで)
休 館  月曜日
入館料  一般 300円、中学生以下 150円
展覧会の詳細等は同館公式サイトをご覧ください⇒大田区立龍子記念館 

※撮影可能エリアがあります。館内で配布している作品リストでご確認ください。


前期には幼少期をインドネシアで過ごした濱田樹里さんの南国を思わせる情熱的な屏風の作品が展示されていました。

前期展示の展示風景

そして後期展示は、生命感あふれる色彩鮮やかな植物や動物が描かれた谷保玲奈さんの大画面の作品が展示されています。

展示風景

上の写真手前の天井から吊り下げられた約4mの作品《狭間にゆれる》(2023年 作家蔵)は、今回の展覧会にあわせて制作された新作です。

谷保さんの作品は、近くで見ると様々な種類の草花や、蝶々や魚、さらには人間の内臓のような得体の知れないものまで描かれていて、とても魅力的でミステリアス。
《狭間にゆれる》に描かれているのは、ピンク色の大輪の牡丹、風に揺らめきながら百合の花に群がる蝶々の群れ。
画面下には気持ちよさそうに眠る猫を発見しました。

海の中のサンゴ礁を思わせる大作《ウブスナ》にはクラゲや金魚が描かれ、さらに手前には巨大なキノコまで見えてきます。

谷保玲奈《ウブスナ》2017年
高橋龍太郎コレクション蔵

白砂のビーチが美しい横須賀のたたら浜に谷保さんの対の作品《共鳴/蒐荷》(2018/2020)を設置して撮影した映像作品が展示室内に流れていますが、海鳥の鳴き声と波の音が何とも言えず心地よいです。


谷保玲奈《共鳴》2018年
高橋龍太郎コレクション蔵


谷保玲奈《蒐荷》2020年
高橋龍太郎コレクション蔵


谷保さんの作品と「会場芸術」を唱えた川端龍子の作品ー新旧の大画面の大作が時代を超えて一つの空間の中で共鳴して独特の雰囲気を醸し出していますが、今回の特徴のひとつは出品作家さんがセレクトした川端龍子作品が展示されていることです。
後期には、谷保さんが日本画ってかっこいいと思ったという《草の実》(1931年 大田区立龍子記念館蔵)はじめ生命感が感じられる龍子作品が展示されています。

また、今回は同館に隣接する龍子公園内にある龍子のアトリエで、谷保さんが昨年12月13日(水)~19日(火)に滞在制作を行いました。現在は終了していますが、会期中の10:00~、11:00~、14:00~の龍子公園の案内時にはアトリエ外周から新作を含めた大作、小作をご覧いただくことができます。

龍子公園内の龍子のアトリエ
※谷保さんの滞在制作時に撮影したものです。

会期は1月28日(日)までです。
まだの方はぜひ!