2022年11月17日木曜日

そごう美術館 「光の芸術家 ゆるかわふうの世界 宇宙(そら)の記憶

横浜駅東口・そごう横浜店6階のそごう美術館では、「光の芸術家 ゆるかわふうの世界 宇宙(そら)の記憶」が開催されています。

そごう美術館入口パネル

展覧会のメインビジュアルは、ご覧のとおり、可愛らしいシロクマの子ども。
こんなつぶらな瞳で見つめられたら、そのまま前を通り過ぎるわけにはいきません。何が展示されているのだろうと気になって、思わず中に入りたくなってしまいます。

もちろん会場内に入っても期待を裏切られることはありません。
きっと、オリジナル技法「光彫り」を考案した「ゆるかわふう」さんの幻想的な世界にいつの間にか入り込んでしまうことでしょう。

会場内でお出迎えしてくれるのは、みなとみらい地区の夜景の上をクジラの親子が悠然と泳ぐイメージ画像。今回の横浜展のために作られたものです。

「光の芸術家 ゆるかわふうの世界
宇宙(そら)の記憶」横浜展イメージ画像
(作品と写真の合成)


さて、最初にご紹介する作品は、クジラの親子の作品《YOU GOT WATER 01》。

《YOU GOT WATER 01》2015年


まるで海の中にいるような青と白で表現された透明感あふれる世界が部屋じゅうに広がりますが、それもそのはず。
「ゆるかわふう」さんは、釣りやダイビング、学生時代は海水魚専門の水槽屋さんでアルバイトしていたというくらい海が好きで、海にちなんだ作品も多く発表しているのです。

そして気になるのは、ここで使われている素材。

それはなんと家の壁や床の内側に使われるポリスチレン製の断熱材。
実は「ゆるかわふう」さんは東京藝術大学で建築を学んでいて、建築模型を作るための断熱材はいつもそばにある身近な存在でした。
その断熱材に光を当ててみたら、海のように青色に光ることを発見して、作品を作ろうと考えたのです。

海好きで、建築を学んでいた「ゆるかわふう」さんだからこそ編み出すことができたオリジナルの技法といえるのではないでしょうか。

この《YOU GOT WATER 01》ほかの2作品は、数分おきにLED照明が付いたり、消えたりします。

背景の照明を消した《YOU GOT WATER 01》2015年

こうやって横から見るとよく分かりますが、断熱材を削っていて、厚さが薄いほど白く見えるようになるのです。

今回は開会前に開催されたプレス内覧会に参加して「ゆるかわふう」さんの実演を拝見することができたので、光彫りの制作過程についてご紹介したいと思います。

【光彫りの制作過程】

こちらは「ゆるかわふう」さんが普段使っている工具類と素材。


手前と奥の青色の板状のものが断熱材で、厚さは3cmあります。
コンコンと叩くと固くて頑丈ですが、それでも爪で引っ掻くと表面がポロっと取れる素材です。

断熱材は、このように後ろから光を当てると青く輝きます。




断熱材を削る方法は3つあります。

一つは、電動のワイヤーブラシ。工具の先につけるブラシはいくつものパターンが用意されています。

わずか3㎝の厚さの断熱材を勢い余って突き抜けてしまうわけにはいかないので、緊張を要する作業の連続です。


そして、二つめは、はんだごてのように先端を熱したスチロールカッターで断熱材を溶かす方法、三つめが、シンナーで断熱材を溶かす方法で、それぞれ削られた表面の様子が異なるので、光を当てると違った表情が現れてくるのです。

制作過程については、場内に流れているビデオで紹介されているので、ご来場の方はぜひビデオもあわせてご覧ください。


展示は大きく分けて3つのエリアに分かれています。

ひとつは、先ほどご紹介した《YOU GOT WATER 01》を含む「」。

こちらはシロクマをモチーフにした《うたかたの夢》ですが、《YOU GOT WATER 01》が下から照明を当てているのに対して、こちらは上から照明を当てているので、すぐ上が海面である様子が伝わってきます。
 
《うたかたの夢》2020年

この《うたかたの夢》も数分おきにLED照明が着いたり、消えたりします。
この作品の制作にあたって、静岡の日本平動物園に通い続けてシロクマをスケッチしたという「ゆるかわふう」さんが特にこだわったのが、海水の中で揺らめく毛並み。
3㎝の厚みの中、5ミリ、3ミリといった、まさにミリ単位のところでどう表現しているのかぜひお確かめください。

背景の照明を消した《うたかたの夢》2020年

メインビジュアルになっているシロクマの子どもの作品タイトルは《極北の空》。
毛並みや瞳の繊細な表現に注目したいです。


《極北の空》2021年



「海」エリア展示風景
 右から《BLUE OCEAN》2019年、《full moon》2016年、
《WHO AM I》2019年

こちらは、今回の展覧会にあわせて横浜の風景を描いた新作《I'm flying》。

《I'm flying》2022年

手前には波を打つような屋根が特徴的な横浜港の大桟橋、奥には停泊する豪華客船「飛鳥Ⅱ」。
そして、日傘に風を受けて今にも飛んでいきそうな少女。
港町らしく旅立ちを思わせる作品ですが、よく見ると大桟橋の手すりの立体感はじめ「超絶技巧」が随所に見られる作品でもあります。

続いて「羽衣伝説」のエリアへ。
羽衣をまとった天女が空から舞い降りてくる姿を描いたのは《天の羽衣》。
モデルは藤田ニコルさん。
「ゆるかわふう」さんが初めて本格的に女性を描いた作品で、特に肌のきめの細かさや鼻のグラデーションに気を使われたとのことです。

《天の羽衣》(2021年)


こちらは、能、狂言の舞台背景に描かれる「影向(ようごう)の松」。
「ゆるかわふう」さんがアトリエを構える神奈川県湯河原町で行われた狂言のイベントに合わせて制作された作品です。
工業製品の断熱材と、日本の伝統芸能が調和したことに自分でも驚いた、とご自身で語られれいます。

《影向の松》(2019年)

そして、三つめのエリアは、「ゆるかわふう」さんが今チャレンジしている技法の新シリーズ「」。
これは、彫った断熱材の上に不透明のアクリル板を置いたもので、アクリル板の奥(断熱材を深く彫った箇所)はぼやけて見えるという効果が出てくるのです。


《The Birthday 0000/01/01》2021年


東京藝術大学大学院では枯山水庭園を研究されたという「ゆるかわふう」さん。
部屋の窓から外を見るイメージで制作されたとのことです。

展覧会概要

会 期  2022年11月12日(土)~12月25日(日)
     会期中無休 事前予約不要
開館時間 午前10時~午後8時(入館は閉館の30分前まで)
入館料(税込) 一般 1,200円、大学・高校生 1,000円 中学生以下無料
展覧会の詳細は公式HPでご確認ください⇒そごう美術館

作品撮影について
 出品リストに掲載作品の写真撮影は可能です。会場で撮影の際の注意事項をご確認ください。


会場出口近くには販売作品が展示されています。
お部屋にひとつ飾ってみてはいかがでしょうか。
(販売している作品の展示エリアとミュージアムショップは撮影不可です。)


販売作品


展覧会図録も販売中。関連グッズのレパートリーも充実してます。

ミュージアムショップ


光彫りという世界初のオリジナル技法を考案した「ゆるかわふう」さんが生み出す世界をぜひお楽しみください!


「ゆるかわふう」さんプロフィール

「ゆるかわふう」さん


発泡断熱材「スタイロフォーム」を使用した世界初のオリジナル技法「光彫り」を考案。絵画でも彫刻でも映像でもない新ジャンルアートのパイオニアとして注目されている。
神奈川県湯河原町を拠点に作品を制作。
日本テレビ「ヒルナンデス」、読売テレビ「ミヤネ屋」、NHK「おはよう日本」、フジテレビ「めざましテレビ」などテレビ出演多数。
1980年 大阪府出身。東京藝術大学美術学部建築科卒業、同大学院芸術学(美術解剖学)修了、同大学院美術研究科教育研究助手を経て現在に至る。

2022年10月25日火曜日

神戸市立博物館開館40周年記念特別展 よみがえる川崎美術館-川崎正蔵が守り伝えた美への招待-

開館40周年を迎えた神戸市立博物館では特別展「よみがえる川崎美術館-川崎正蔵が守り伝えた美への招待-」が開催されています。

神戸市立博物館外観

川崎造船所(現川崎重工業株式会社)や神戸新聞社などを創業した川崎正蔵氏(1837-1912)が日本や東洋の美術品の海外流出を憂えて収集した所蔵品を、現在のJR新神戸駅周辺にあった自邸で公開したのが明治23(1890)年のことでした。

川崎美術館外観(川崎芳太郎編『長春閣鑑賞』第6集、國華社)
大正3年(1914)川崎重工業株式会社

その後、正蔵氏の没後を含め14回の展観(展覧会)が開催されましたが、昭和初期の金融恐慌を契機にコレクションは散逸し、自邸も災害などにより失われてしまいました。

今回の特別展は、ゆかりの地・神戸でおよそ100年ぶりに「川崎美術館」の姿を再現するという、夢のような展覧会。
まさに神戸市立博物館の40周年を記念するのにふさわしい展覧会ではないでしょうか。


展覧会開催概要


展覧会名 神戸市立博物館開館40周年記念特別展「よみがえる川崎美術館―川崎
     正蔵が守り伝えた美への招待―」
会 期  20221015日(土)~124日(日)
     会期中、一部作品に展示替えあり
会 場  神戸市立博物館(神戸市中央区)
開館時間 930分~1730
    (金曜・土曜日は1930分まで、入場は閉館の30分前まで)
休館日  月曜日
観覧料金 一般1,600円(1,400円) 大学生800円(600円) 高校生以下は無料
     *( )内は前売・団体(20名以上)料金
     *障がい者割引など各種割引あり
問い合わせ: 電話 078-391-0035
公式サイト:https://kawasaki-m2022.jp


展示構成
 第一章 実業家・川崎正蔵と神戸
 第二章 収集家・川崎正蔵コレクション
 第三章 よみがえる川崎美術館
 第四章 美術とともに
 第五章 川崎正蔵が蒔いた種-コレクター、コレクション、美術館

※会場内は撮影禁止です。掲載した写真は報道内覧会で博物館より特別の許可をいただいて 
 撮影したものです。


神戸市立博物館1階ロビー

とても内容の充実した展覧会なのでお伝えしたいことはたくさんあるのですが、実際には現地で体験していただくとして、見どころを3つに絞ってご紹介したいと思います。


見どころ1 東洋古美術の幅広いコレクションが見られる!


今回の展覧会で展示されるのは、国宝2件、重要文化財5件、重要美術品4件を含む約80件と関連資料をあわせて約110件。
もとは千点も二千点ともいわれた川崎コレクションのうち、今回の展覧会のための調査で確認されたのは国内外で所蔵されている約200件。
そして調査の手がかりとなったのが川崎正蔵氏の養嗣子・川崎芳太郎氏が刊行した『長春閣鑑賞』でした。

『長春閣鑑賞』展示風景


『長春閣鑑賞』全6集には厳選された386図が掲載されていて、各巻の構成は次のとおりですが、これだけ見てもジャンルも時代も幅広い東洋古美術がコレクションされていたことがわかります。

第1集 仏画・やまと絵・肉筆浮世絵
第2集 水墨画・狩野派
第3集 円山・四条派
第4集 中国絵画
第5集 仏像・漆器
第6集 陶磁器・玉器・青銅器

まずは3階第1会場の絵画からご紹介していきますが、あらためてジャンルの幅の広さに驚かされます。

「第二章 収集家・川崎正蔵コレクション」展示風景

絵画作品は展示期間が限られるものもあるので、公式サイトの「出品目録・展示替予定表」をご確認ください。

仏画で展示中の作品は、重要文化財《孔雀明王像》(文化庁)。
11月13日までの展示で、《最勝曼荼羅》(奈良国立博物館)は11月1日~12月4日、《春日宮曼荼羅》(MOA美術館)は11月15日~12月4日に展示されます。


重要文化財《孔雀明王像》平安時代・12世紀
文化庁 展示期間:10/15-11/13


肉筆浮世絵のうち、幻想的な風景が描かれた葛飾北斎《渡船山水図》(北斎館)は11月8日~12月4日の展示です。

「渡船山水図」葛飾北斎 弘化4年(1847)
北斎館 118日~124日展示

今回展示される2件の国宝のうち、《宮女図(伝桓野王図)》(個人蔵)は11月15日~12月4日に展示されます。

国宝「宮女図(伝桓野王図)」伝銭舜挙
元時代・13世紀~14世紀
個人蔵 1115日~124

もう1件の国宝《六祖挟担図》(大東急記念文庫)は11月22日~12月4日に展示予定ですので、お目当ての作品が展示されている時をねらって来館してみるといいかもしれません。

続いて2階第2会場に移ります。
こちらは仏像、蒔絵、磁器などの旧・川崎コレクションが展示されています。

会場入口を守っているのは、仏教を守護する四天王のうち西方を守護する広目天の眷属像。
「魔物は寄せ付けないぞ」という迫力のある表情が印象的です。

重要文化財《広目天眷属像》康円作 文永4年(1267)
静嘉堂文庫美術館 通期展示

続いて、蒔絵の硯箱、堆朱の食籠、鍋島焼や景徳鎮窯の磁器が並びます。  

「第二章 収集家・川崎正蔵とコレクション」展示風景



見どころ2 応挙の襖絵の間が再現!


国内外に散逸した旧・川崎正蔵コレクションがゆかりの地・神戸に大集結したというだけでも大変なことなのですが、なんと今回の展覧会では、かつての川崎美術館の室内の一部まで再現されているのです。



「川崎美術館」の扁額をくぐり、中に入ると・・・
見てください、円山応挙の襖絵で囲まれたこの贅沢な空間を!

川崎美術館1階「上之間」の再現
《月夜浮舟図・江頭月夜図襖》円山応挙筆
天明7年(1787) 東京国立博物館
通期展示


川崎美術館1階「広間」の再現
《海老老松図襖》円山応挙筆
天明7年(1787) 東京国立博物館
通期展示



川崎美術館1階「三之間」の再現
《江岸楊柳図襖》円山応挙筆
天明7年(1787) 東京国立博物館
通期展示


さらに「三之間」の前には、第8回展観や第12回展観で展示されていた中国絵画が展示されているのです。

川崎美術館は、一般に公開されていたのでなく、展観入場券を送られて招かれた一部の人たちしか入ることができませんでした。
この贅沢な空間の中で、川崎美術館の展観に招かれた幸福な一人になったかのような至福の時をぜひ味わっていただきたいです。

「第三章 よみがえる川崎美術館」展示風景

上の写真左、中国・明代の宣宗皇帝が描いた《麝香猫図》のモフモフした毛並みで、可愛らしい表情をした猫は、展覧会オリジナルグッズになっているのでぜひ注目してみてください。

《麝香猫図》宣宗筆 明時代・宣徳元年(1426)
個人蔵 通期展示


見どころ3 「名誉の屏風」5双のうち3双が見られる!


明治35年(1902)の明治天皇の神戸行幸で御用立てられ、「名誉の屏風」と呼ばれた5双の金地屏風がありました。

今回は、そのうち海外から初の里帰りとなる狩野孝信筆《牧馬図屏風》(個人蔵 通期展示)をはじめ、伝狩野孝信筆《桐鳳凰図屏風》(重要美術品 林原美術館蔵 通期展示)、狩野探幽筆《桐鳳凰図屏風》(サントリー美術館 展示期間:11/8-12/4)の3双が展示されます。

狩野孝信筆《牧馬図屏風》
桃山時代~江戸時代・16世紀後期から17世紀前期
個人蔵

この《牧馬図屏風》は、とても400年ほど前に描かれたとは思われないほど鮮やかな色が残っていて、それぞれの馬の表情も個性があるので、いつまで見ていても飽きない作品です。
今回の展覧会のメインビジュアルになっているのもよく分かります。

さらにこの作品は、第三回売立に出されたのですが、その売立が二・二六事件により無期延期になり、近年、海外で再発見され2019年にアメリカの美術館で展示が行われたもので、歴史の渦に翻弄された川崎コレクションを象徴するかのようにも感じられました。

会場の最後に展示されているのは、川崎正蔵氏がコレクションの中で最も愛したという作品、重要文化財《寒山拾得図》伝顔輝筆(東京国立博物館)。


重要文化財《寒山拾得図》伝顔輝筆
元時代・14世紀 東京国立博物館
展示期間:10/15-11/13

川崎正蔵氏は日露戦争でバルチック艦隊が攻めてきたらこの作品を携えて高野山へ避難しようと考えていたと伝えられ、睡眠中でもこの作品のことは忘れることはないといわれたほど愛蔵していたといわれています。


猫に癒されたい!展覧会オリジナルグッズも充実してます!
  
展覧会オリジナルグッズの中でも特におススメしたいのは、先ほどご紹介した《麝香猫図》をモチーフにした再生コットントートバッグ(税込1,320円)。
明の皇帝が描いただけあって、気品を漂わせながらも、お茶目な表情に癒されます。



他にも出展作品をモチーフにした絵はがき、A4クリアファイル、マグネットなど盛りだくさん。
出展作品のカラー図版や解説はじめ川崎美術館関連資料が満載の『公式図録』(税込2,800円)もおススメです。



夢のような展覧会も、会期が終わればまた「夢」に戻ってしまいます。
その前にぜひ川崎美術館のよみがえった姿をご覧ください!

2022年10月23日日曜日

東京国立博物館創立150年記念 特別展 国宝 東京国立博物館のすべて 

東京・上野公園の東京国立博物館では、「東京国立博物館創立150年記念 特別展 国宝 東京国立博物館のすべて」が開催されています。



10月18日(火)に開幕してすでに話題沸騰、連日大盛況の展覧会ですが、なにしろ東京国立博物館が所蔵する89件の国宝すべてが12月11日(日)までの間に展示されるのですから、この機会を逃すわけにはいきません。

それでは、さっそく展示の様子をご紹介したいと思います。

※展示室内(フォトスポットを除く)は撮影禁止です。掲載した写真は主催者より特別の許可をいただいて撮影したものです。

※所蔵先を記載していない作品は、すべて東京国立博物館所蔵です。

展覧会概要

東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
会 期  2022年10月18日(火)~12月11日(日)~18日(日) 会期延長!
開館時間 9時30分~20時
     ※金曜・土曜日は20時まで開館。(総合文化展は17時閉館)
     ※12月12日(月)は休館。
     ※12月13日(火)~18日(日)は本展のみ9時30分から20時まで開館。
      総合文化展は全日17時閉館。
     ※入館は閉館の30分前まで
休館日  月曜日
※本展は事前予約制です。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください⇒特別展「国宝」公式サイト
※会期中、一部作品の展示替えを行います。


見どころ1 史上初!東博所蔵の国宝89件すべて公開!


東博が所蔵する約12万件の美術品の頂点に立つ国宝は89件。
これは、一つの博物館が所蔵する国宝の件数では最多。

会場内では、絵画、書跡、考古、漆工など8つの分野に分けて展示されています。

絵画・筆跡

「絵画」展示風景

平成館2階の第1会場に入ってすぐにお出迎えしてくれるのは長谷川等伯の国宝《松林図屛風》。
10月30日までの展示です。

そして等伯といえば、桃山時代のライバル・狩野永徳。
永徳の作品も見たくなりますが、国宝《檜図屛風》は11月1日から11月27日まで展示されます。

全長約9.5mの国宝《平治物語絵巻 六波羅行幸巻》は巻替えなしの一挙公開!
こちらも10月30日までの展示です。

国宝《平治物語絵巻 六波羅行幸巻》
展示期間10/18-10/30


「書跡」展示風景


絵画や書跡は保存のため展示期間が限られていて、会期内に展示替えがあります。
他にも展示期間が限られている作品があるので、ぜひ出品目録をこまめにチェックしてみてください!

東洋絵画・東洋筆跡

東博の豊富な中国書画のコレクションはいつも東洋館で楽しませてもらっていますが、こうやって国宝だけが並んでいると壮観です。

「東洋絵画」展示風景


法隆寺献納宝物・考古・漆工

「漆工」の作品は、照明の効果が絶大。
きらびやかな蒔絵や螺鈿が、その輝きを一層増しています。

「漆工」「考古」展示風景

「考古」の《東大寺山古墳出土品》《江田船山古墳出土品》のうち、特別展「国宝」に出ていなものは平成館1階考古展示室に展示されているので、ぜひこちらもご覧ください。

「法隆寺献納宝物」「考古」「漆工」展示


「考古」展示風景



見どころ2 東博所蔵の国宝の刀剣19件を一挙公開、それも通期展示!


国宝の刀剣19件も、一つの博物館としては日本一。
そして、その19件を一つの空間に展示したのも史上初!
平成館2階の第2会場に出現した「刀剣の間」は圧巻です。

刀剣の見どころは何といってもその輝き。
展示ケースにも、照明にも工夫を凝らしているので、ぜひ刃文(はもん)や地鉄(じがね)の輝きをお楽しみください。




「刀剣」展示風景



見どころ3 東博150年の歩みを所蔵作品とともに追体験!


「第2部 東京国立博物館の150年」では、150年を大きく3つの時期に分けて、それぞれの時期に収蔵された作品とともに東京国立博物館の歩みを追体験できる展示になっています。


第1章 博物館の誕生

明治維新後、幕末の戊辰戦争で荒廃していたかつての東叡山寛永寺の広大な敷地、現在の上野公園で行われたのが内国勧業博覧会。
当時の様子をうかがうことができる錦絵や、初期の収蔵品が展示されています。

「第1章 博物館の誕生」展示風景

「第1章 博物館の誕生」展示風景


第2章 皇室と博物館

続いて、「東京帝室博物館」時代に収蔵された皇室ゆかりの名品の数々。

「第2章 皇室と博物館」展示風景

総合博物館として、動植物や鉱物の標本など自然史の資料も収蔵していた時期がありました。
現在、国立科学博物館が所蔵する《キリン剥製標本》はおよそ100年ぶりの里帰り!

「第2章 皇室と博物館」 展示風景

第3章 新たな博物館へ

関東大震災や戦災を経て、戦後、新たな歩みを始めた東京国立博物館は、変わることなく文化財の収集保存を続けています。
この章では、戦後に収集された名品が展示されています。



重要文化財《風神雷神図屛風》尾形光琳筆
展示期間10/18-11/13


尾形光琳に私淑した酒井抱一がこの《風神雷神図屛風》の裏に描いた同じく重要文化財の《夏秋草図屛風》は入れ替わりで11/15-12/11に展示されます(現在は別々の屛風に仕立てられています)。

展示の最後にフォトスポットがあります。
こちらは令和に入って収蔵された《金剛力士立像》。
高さ約2.7mもある迫力の表情に圧倒されそうです。


《金剛力士立像》 通期展示

最後に展示されているのは、切手でもおなじみの菱川師宣筆《見返り美人図》。
こちらは初期の収蔵作品ですが、前に向かって歩きながら、後ろを振り向く姿が、150年を振り返りつつ、将来に向かって新たな一歩を踏み出していくという今回の展覧会にピッタリの作品だと思いました。

《見返り美人図》菱川師宣筆
展示期間10/18-11/13
(11/15-12/11には複製が展示されます)


国宝をはじめ、東京国立博物館の収蔵品の幅の広さ、奥行きの深さが実感できる展覧会です。
この秋おススメの展覧会です!