2013年7月23日火曜日

お台場にGO!「サンダーバード博」日本科学未来館

先週の土曜日(7月20日)、お台場の日本科学未来館で開催中の「サンダーバード博」に行ってきました。
会場の入り口では緑色の機体が特長のサンダーバード2号がお出迎えです。


サンダーバード博は4つのコーナーに分かれていて、1つめのコーナーは本邦初公開のサンダーバード3D映像。
トレーシー兄弟のお父さん、ジェフ・トレーシーが私たちをサンダーバードの秘密基地に招いて中を案内してくれるのですが、サンダーバード5号がSOS信号を受信したため、国際救助隊が救助に向かうことになったという設定です。
目の前の大画面をサンダーバード1号、2号、3号が轟音をあげて飛び交い、4号も勢いよく海中に飛び込み、高速で現場に急行する。3Dだと主翼がこちら側にちゃんと突き出ているのがよくわかり、まるで本物が飛んでいるような迫力でした。

2つめのコーナーはサンダーバードの主要メカの特撮セット。
ここは、CGやVFX(映像特殊技術)全盛の時代にすっかり絶滅危惧種となった「特撮大好き派」の私にはこたえられないコーナーです。
サンダーバード・メカはフラッシュなしであれば撮影可能なので、夢中になって何枚も写真を撮りました。
これは1号の発射台。


こちらは飛行中のシーンの再現。撮影のときには、前に1号を吊る下げ、うしろの空の模様のスクリーンを両端のローラーで回して空を飛んでいるように見せています。
(後ろのスクリーンの方が明るかったので、機体が暗くなってしまいました)
 

これは2号が空港に着陸してポッド(コンテナ)からエレベーターカーを出すシーン。
撮影のときには、メカよりも小さい縮尺の建物をうしろに配置して遠近感を出す工夫をしていたそうです。


 3号は、当時のカメラではズームが十分でなかったので、迫力ある発進シーンをとるため2mぐらいのキットを作ったとの説明書きがありました。特撮ならではの苦労がしのばれます。

こちらは5号とのドッキングシーンの再現。

次は4号が海中で救助活動をしているシーンの再現。
前に水槽を置き、下からボコボコ水の泡をだし、海中のリアル感を出しています。

レディ・ペネロープの愛車ロールス・ロイス。



3つめのコーナーは参加体験型展示。
世界征服をたくらむフッドが街に火をつけてサンダーバードをおびき出し、そのメカやテクニックを盗もうという設定で、観客側からはレーザービームで消火活動を手助けするもので、小学校低学年くらいの男の子たちが楽しそうにレーザー銃を火に向けて撃っていました。
子供向けだな、と思い途中で外に出ようとしたら、スタッフの女性が「もうすぐ大きな2号が出てきますよ」と声をかけてくれたので、少し待っていたら、出た!
全長5mはあろうかという巨大な2号。最後までいてよかった。

4つめのコーナーでは、2065年という時代設定のサンダーバードで描かれている未来のテクノロジーと現在の先端科学技術とを比較しています。
これは日本科学未来館ならではの企画。

そして最後はグッズ・ショップ。
サンダーバードのオリジナルグッズやプラモデルがずらりとならんでいますが、ここで長い間探していたアオシマのサンダーバードシリーズ№05「2号コンテナドック」を見つけたときは、思わず飛び上がりたくなるほど嬉しくなりました。もちろんしっかり購入しました。

9月23日まで開催している「サンダーバード博」。
大人も子どもも楽しめる企画でいっぱいです。
国際救助隊のメンバーが待っているお台場に、THUNDERBIRDS ARE GO!

(追記)
サンダーバードのキットを私のホームページにアップしました。
こちらもぜひご覧になってください。

http://hwm8.spaaqs.ne.jp/yamaguchi-25/thunderbirdhaku.html

アオシマのサンダーバードシリーズは、しばらく品切れになっていたのですが、先日、横浜のヨドバシに行ったら山積みになっていました。
ヨドバシだと2割引きだしポイントもつくし、少し早まったかな、と一瞬思いましたが、「見つけたときに買えばいいんだ」と気を取り直して、1/350の2号と4号のセットを買いました。
1/350の「2号コンテナドック」には2号の本体が付いていなのですが、2つのキットを合わせると上の箱絵のようなシーンが再現できると思うとワクワクしてきます。

2013年7月15日月曜日

ドイツ・ゲーテ紀行(15)

平成24年9月7日(金)続き
エアフルト17時ちょうど発の普通列車に乗りワイマールに戻った。
これで3日連続ワイマール中央駅に降り立ったことになるので、戻ったというより帰ってきたという感じの方が強い。
写真はワイマール中央駅の正面。エアフルトやアイゼナハと比べていつも人が少ない。


ワイマールもこの日でおしまいなので、街の中をぷらぷら歩いていったんホテルに戻った。
フロントにはいつもの目のくりくりした若い女性がいた。
3日間お世話になったし、いくつもお店を推めた熱心さに最後ぐらいは応えてあげたいという気持ちもあったので、ホテル地下の「エレファンツ・ケラー」を予約してもらうことにした。
するとその女性は、うれしそうにさらに目をくりくりさせて、
「何時からにしますか」と聞いてきた。
「6時半からにしてください」
「わかりました。それでは時間になったら、この階段から(と言ってフロント横の階段を指して)直接地下に行ってください」
「わかりました」

部屋に戻り一休みして、地下まで階段で降りて行った。
ゲーテも「エレファンツ・ケラー」はお気に入りで、よく通っただけあって入口にはゲーテの詩が書かれている。


内装は少しアラビア風。


そして料理はおなじみの「ザウアーブラーテン(酢漬けに肉のロースト)。丸い二つのボールはジャガイモをこねて蒸したもの。
ビールはもちろん「エレファンツ・ケラー」オリジナル。酵母がろ過されずに残っているので、メニューに「自然の濁りがあります(naturtrübe)」とわざわざ注意書きが書いてある。
ドイツビールらしく、コクがあって味わい深い。


 ビールは小ジョッキと中ジョッキを1つづつ注文した。
これで24ユーロ10セント。チップを入れて27ユーロ渡したらウェイター氏は満足そうな笑顔。
日本円にして約2,700円。さすが少し高級なレストランだけあって相応の値段はするが、一度はやはりドイツらしく地下(ケラー)でビールを飲みたかったし、ゲーテのお気に入りの店に入りたかったというのもあるので、大満足。

平成24年9月8日(土)
いつものように7時に朝食会場に行ったが、まだお掃除のおばさんが床のカーペットに掃除機をかけていて、ウェイトレスさんたちの姿も見えなかった。
週末は朝も遅いのだろうか、と思いつつ、バイキング台には料理も並べられていたので、くだものやパンをとりはじめた。
この日も外は少しひんやりしていたが、最後の日ぐらいいいだろうと、空気のいい外で庭を見ながら朝食を食べることにした。


7時10分を過ぎたころだろうか、いつもの若いウェイトレスさんが奥から出てきて、私の姿に気がつくと「しまった」といった顔をして、着ているベストの前のしわをのばしたり、髪型を直したりしながら私の方に向かって走ってきた。
あきらかに寝坊した様子だ。
「おはようございます。飲み物は何になさいますか」
フロントの若い女性たちもそうだが、サービス業に慣れたところがなく、それでいて素顔のままで接してくるところが嫌味がなくていい。
「コーヒーをください」
「卵はどうしますか」
「今日は最後の日なのでオムレツにしてください」
「トッピングは何を入れますか」
テーブルの上のメニューを見ると、マッシュルーム、トマト、パセリ、ベーコンなどをトッピングすることができる。
そこで私は恐るおそる聞いてみた。
「全部入れてもらってもいいですか」
笑顔で「ええ、もちろん」
「よかった」と心の中でつぶやく。
これが全部入れたオムレツ。
これではよくわからないが、卵はふわふわ、トロトロ、トッピングも適度に火が入っていて口の中で美味しさがとろける。

ゆっくりと食後のコーヒーを飲み、部屋にもどって荷造りを済ませ、チェックアウトをして、フロントの若い女性たちにあいさつをしてホテルを出た。

途中、少し遠回りをして国民劇場前のゲーテとシラーの像にお別れのあいさつをしてから中央駅に向かった。
9時ちょうど発のICEは時間どおり出発した。フランクフルト南駅には11時37分に着く。
(次回に続く)

2013年7月10日水曜日

プーシキン美術館展夜間特別観覧会

先週の土曜日(7月6日)、横浜美術館で開催された「プーシキン美術館展夜間特別観覧会」に行ってきました。
これで美術館のブロガーナイトも3回目となり、今回もテーマはドイツから離れますが、おつきあいのほどよろしくお願いします。
(撮影された写真は、夜間特別観覧会のため、特別に撮影許可をいただいたものです)

内容は、18時から18時30分までが横浜美術館主任研究員の松永真太郎さんによるミニレクチャー、18時30分から20時までが特別観覧会という2部構成。


ミニレクチャーでは、「 『プーシキン美術館展 フランス絵画300年』は2年前の4月に開催される予定だったが、作品がロシアから日本に出発する4日前に東日本大震災が発生し、開催するかどうか日本とロシアの美術館で検討した結果、やむなく延期となった。その後、関係者が協議を重ね、今年になって2年前の企画とほぼ同じ内容で開催できることになった」と松永さんが感慨深げにお話しされていたのが印象的でした。

私も縁あってモスクワのプーシキン美術館には2回訪れていて、思い入れのある美術館の一つなので、今回の展覧会は本当に心待ちにしていました。

展覧会は4章構成になっていて、副題のとおりフランス絵画の300年を順を追って鑑賞することができます。

  第1章   17-18世紀-古典主義、ロココ
  第2章   19世紀前半-新古典主義、ロマン主義、自然主義
  第3章   19世紀後半-印象主義、ポスト印象主義
  第4章   20世紀-フォーヴィスム、キュビズム、エコール・ド・パリ






1912年、「モスクワ大学附属アレクサンドル3世美術館」として開館し、ロシア革命を機に「モスクワ美術館」と名を変え、1937年には文豪プーシキンにちなんで現在の名称に改められたプーシキン美術館には、女帝エカテリーナ2世やアレクサンドル2世といったロマノフ王朝の歴代皇帝や貴族たちが蒐集したコレクション、産業革命後に台頭した大富豪イワン・モロゾフとセルゲイ・シチューキンが蒐集した膨大な近代フランス絵画の数々が収蔵され、

「ロシアの美術館というとエルミタージュ美術館を思い浮かべる方も多いかと思いますが、プーシキン美術館も絵画、版画、彫刻などコレクションは67万点を越えていて、『あなどるなかれ』といった存在です」

と松永さんはお話しされていました。

また、モロゾフとシチューキンは、ロシア革命後、すべての絵画を没収され、それぞれの邸宅は第1西洋絵画美術館、第2西洋絵画美術館となり、シチューキンはすぐに亡命しましたが、モロゾフはモスクワにとどまり、名誉学芸員といったあまり名誉でない役職についたとのことです。ところが、1919年のある日、出勤しないと思ったら、西側に亡命していて、1921年にドイツのカールスルーエでさびしく生涯を終えた、といった少し物悲しいエピソードも紹介されていました。
モロゾフが名誉学芸員だった当時、もしかしたらギャラリー・トークをやっていたかもしれない、と言われていましたが、自分が好きで購入した絵画なので、さぞかし熱のこもった解説をしていたのでは、と思いました。

壁を埋め尽くさんばかりにフランス絵画が飾られていたモロゾフとシチューキンの邸宅の様子もスライドで紹介していただきました。下の左の写真はシチューキン邸の様子です。
 

第2部の特別内覧会では、ナビゲーター・水谷豊さんの音声ガイドを聞きながら珠玉の作品の数々を鑑賞させていただきました。

第1章の入口では、モーセの後継者ヨシュアが「約束の地」カナンを征服するという『旧約聖書』の一場面を題材にしたニコラ・プッサンの「アモリびとを打ち破るヨシュア」が出迎えてくれます。
この作品はエカテリーナ2世がオークションで買い付けたものです。


第1章の部屋は赤が基調です。
人物でフランス絵画の変遷をたどってもらうのがねらい、と松永さんが解説されていたように、人物の肖像画が多いのがこの美術展の特徴です。

第2章の入口ではアングルの「聖杯の前の聖母」がやさしく迎えてくれます。
ミニレクチャーで松永さんは、実際より長い首、そして指が人体の優美さを引き立てている、と解説されていました。
また、この作品は、アレクサンドル2世が皇太子時代に直接アングルに依頼した作品で、サンクトペテルブルクに運ばれる前にパリでも公開され、絶賛を得たもので、アングルもこの絵を気に入り、のちに同じ構図の絵を4枚作成したとのことです。



第2章の部屋はダークブルーが基調です。


第3室の一番の見どころは、やはりルノワールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」。
この作品は、ルノワールお気に入りのコメディ=フランセーズの花形女優がモデルで、モロゾフがパリの画商から買い付けたものです。


第3章の部屋は白が基調です。


第4章だけは撮影不可だったので、松永さんのスライドからシチューキンのコレクションだったピカソの作品を3点紹介します。


横浜会場の会期は9月16日(月・祝)までです。
詳細は公式ホームページをご参照ください。

http://pushkin2013.com/about/yokohama.html

8月2日(金)、8月9日(金)、8月30日(金)には18時から18時30分までギャラリー・トークが開催され、8月と9月の毎週金曜日は20時まで開館しているので、今回のブロガーナイトと同じく、学芸員さん(松永さん?)の解説を聞いたあと、作品を鑑賞することができます。
ポイントを絞って24点の絵画を解説する音声ガイドも、作品の理解が深まるのでおススメです。

東横線や東京メトロ副都心線はじめ私鉄5社が相互乗り入れして、みなとみらい地区へのアクセスがより便利になりました。
ぜひこの機会に港・ヨコハマにお越しください。