2015年6月28日日曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(13)デュッセルドルフ

平成26年9月7日(日)デュッセルドルフ

いつものようにゆっくりと朝食を食べて、朝もやの中のケルン大聖堂を見上げながらケルン中央駅に向かった。
8時31分発の各駅停車に乗って、デュッセルドルフ9時3分着。

この日は日曜日。朝9時の街はまだ目覚めていなかった。
インフォメーションセンターもまだ開いていない。

「少し出てくるのが早かったかな」と思いつつ、街中を少し散歩することにした。

この日のメインは、パウル・クレーをはじめ20世紀の画家たちの作品を多く所蔵するK20州立美術館。



開館は10時だと思っていたので、あと1時間ほど市街を散歩していれば入館できるなと思いながら、日本総領事館のあるインマーマン通りを通って旧市街地の方に向かった。
ところが、途中でK20州立美術館の前を通ったら土、日、祝は11時開館との表示があり、がっかり。

「あと2時間か」

ザックの荷物も肩に重くのしかかってきたので、ライン川沿いならベンチでもあるだろう、と思い、旧市街地を通り抜けてライン川の方に向かった。

途中で見つけたのがヴィルヘルム1世とビスマルクの銅像がならぶ広場。
左側の建物はノルトライン・ヴェストファーレン州の法務省。


1871年、普仏戦争に勝利してドイツを統一、ドイツ帝国皇帝に即位したヴィルヘルム1世と、



プロイセン時代からヴィルヘルム1世を支えてきた宰相ビスマルクの銅像。

銘板にはヴィルヘルム1世の像は1896年、ビスマルクの像は1899年に建てられ、さらに普仏戦争当時の陸軍参謀総長モルトケの像も1901年に並んで建てられたが、第二次世界大戦時に土台から吹き飛ばされてた失われた、と書かれてある。
それだけ連合軍の爆撃がすさまじかったのだろう。




旧市街地は、両側にレストランが並ぶとても雰囲気のいい通りが続いている。


旧市街地の中にある詩人ハイネの家。今では書店兼カフェになっている。



ライン川に出た。思ったとおり川に沿った遊歩道沿いにベンチが並んでいたので、空いていたベンチに腰かけて一休み。
こうやって心地よい風に吹かれながら、ライン川の流れや行きかう船を眺めていたら、やっぱり今年もドイツに来てよかった、という気持ちがこみ上げてきた。



11時も近くなってきたので、川沿いのレストランでは昼食の準備で大忙し。
ソーセージを焼くにおいがあたり一面に立ち込めてきた。
さて、そろそろK20州立美術館に向かおうか。
(次回に続く)

2015年6月7日日曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(12)アウグストゥスブルク城

9月6日(土)アウグストゥスブルク城

観光初日の9月3日(水)はライン渓谷、4日(木)はケルン大聖堂、5日(金)はアーヘン大聖堂と、1日1ヶ所の世界遺産を巡った旅も残すところあと2日。
観光4日目のこの日は、ケルン中央駅から南へ向かう各駅停車で4つめの駅「ブリュール」にあるアウグストゥスブルク城を訪れることにした。

アウグストゥスブルク城

いつものように1階の食堂でゆったりと朝食をとり、身支度を整えてケルン中央駅に向かった。
駅の構内に入りチケットカウンターの方に行こうとすると、なんだかいつもと様子が違う。大きな荷物を持った人たちがあちこちに大勢たむろしていて、みんな電光掲示板に注目している。さらに、中央コンコースのインフォメーションの方を見ると、そこには長蛇の列。
何があったのだろうと私も電光掲示板を見ると、「DGL(ドイツ機関士労働組合)がストライキ。長距離列車に遅れ」とのテロップが流れていた。
ブリュールには行けるのだろうか思いながらチケットカウンターに行くと、いつもなら入口で感じのいい女性職員が案内役を務めているのに、そこには屈強な男性職員が3人もいて、いかにも中に入れさせないぞという勢いで腕組みをして立っている。
私が恐る恐る「ブリュールに行きたいんですけど」と聞くと、3人のうち一番左のひげ面の男性がニコリと笑って「近距離列車なら出てますよ。チケットは自動券売機で買ってください」と言う。
「でも自動券売機だと、やり方が難しいんですが」と言うと、「そんなことないですよ」と言って画面を操作してくれた。見た目とは違ってとても親切な人だった。
ホームに向かって歩いていると、「ボン行きの各駅停車は9時8分に出ます」とのアナウンスが聞こえたので、急いでホームに上がり、列車に乗り込んだ。
列車が動き始めたのは9時8分でなく9時12分であったが、それでもどうにか動いてくれたので2人掛けの座席に深く座り直し、ようやくほっと一息つくことができた。

ケルン中央駅からブリュールまでは約20分。
駅を降りてまっすぐ歩くと、10分もしないで城の入口が見えてくる。


アウグストゥスブルク城の中はガイド付き。いくつもの部屋があり、内装は豪華絢爛だが、残念ながら写真撮影は禁止。

ユネスコの世界遺産には、このアウグストゥスブルク城と狩猟の時の休憩場所となっているファルケンルスト城、そして庭園が一体となって指定されている。

庭園側から見たアウグストゥスブルク城 

ファルケンルスト城までは歩いて15分ほど。緑の中の小路が心地よい。

こじんまりとしたファルケンルスト城。
こちらもきらびやかな内装の部屋があるが、撮影は禁止。

帰り際には雲が多くなり、雨もポツリポツリと降ってきたが、特に気になるほどではなかった。

自然の中のお城と散歩を楽しんでケルン中央駅に戻ると、「ストライキは終了したがダイヤはまだ乱れている」とのテロップが流れていた。
中央コンコースのインフォメーションにはまだ長蛇の列ができていた。


遅めの昼食をとって、夕方はケルン市内を散歩することにした。
さすがに土曜日の午後とあって、街じゅうのどの通りにも人、人、人。
午後になって太陽も出てきたので気温は26℃になり、湿気も出てきた。歩いていると汗ばんでくる。

ケルン大聖堂横の階段にたむろす若者たち。

この日の夕食は、メモ帳に「さつまいものような歯ごたえのイモ。でも甘くない。ナスもとろけて美味しい」と書かれているが、珍しく写真を撮るのを忘れてしまったので、何を食べたか覚えていない。ホテルの部屋で食べたのは間違いないので、駅ナカで野菜の煮込みでも買って食べたのだろうか。
こうしてケルン最後の夜は更けていった。
(次回に続く)