2013年7月15日月曜日

ドイツ・ゲーテ紀行(15)

平成24年9月7日(金)続き
エアフルト17時ちょうど発の普通列車に乗りワイマールに戻った。
これで3日連続ワイマール中央駅に降り立ったことになるので、戻ったというより帰ってきたという感じの方が強い。
写真はワイマール中央駅の正面。エアフルトやアイゼナハと比べていつも人が少ない。


ワイマールもこの日でおしまいなので、街の中をぷらぷら歩いていったんホテルに戻った。
フロントにはいつもの目のくりくりした若い女性がいた。
3日間お世話になったし、いくつもお店を推めた熱心さに最後ぐらいは応えてあげたいという気持ちもあったので、ホテル地下の「エレファンツ・ケラー」を予約してもらうことにした。
するとその女性は、うれしそうにさらに目をくりくりさせて、
「何時からにしますか」と聞いてきた。
「6時半からにしてください」
「わかりました。それでは時間になったら、この階段から(と言ってフロント横の階段を指して)直接地下に行ってください」
「わかりました」

部屋に戻り一休みして、地下まで階段で降りて行った。
ゲーテも「エレファンツ・ケラー」はお気に入りで、よく通っただけあって入口にはゲーテの詩が書かれている。


内装は少しアラビア風。


そして料理はおなじみの「ザウアーブラーテン(酢漬けに肉のロースト)。丸い二つのボールはジャガイモをこねて蒸したもの。
ビールはもちろん「エレファンツ・ケラー」オリジナル。酵母がろ過されずに残っているので、メニューに「自然の濁りがあります(naturtrübe)」とわざわざ注意書きが書いてある。
ドイツビールらしく、コクがあって味わい深い。


 ビールは小ジョッキと中ジョッキを1つづつ注文した。
これで24ユーロ10セント。チップを入れて27ユーロ渡したらウェイター氏は満足そうな笑顔。
日本円にして約2,700円。さすが少し高級なレストランだけあって相応の値段はするが、一度はやはりドイツらしく地下(ケラー)でビールを飲みたかったし、ゲーテのお気に入りの店に入りたかったというのもあるので、大満足。

平成24年9月8日(土)
いつものように7時に朝食会場に行ったが、まだお掃除のおばさんが床のカーペットに掃除機をかけていて、ウェイトレスさんたちの姿も見えなかった。
週末は朝も遅いのだろうか、と思いつつ、バイキング台には料理も並べられていたので、くだものやパンをとりはじめた。
この日も外は少しひんやりしていたが、最後の日ぐらいいいだろうと、空気のいい外で庭を見ながら朝食を食べることにした。


7時10分を過ぎたころだろうか、いつもの若いウェイトレスさんが奥から出てきて、私の姿に気がつくと「しまった」といった顔をして、着ているベストの前のしわをのばしたり、髪型を直したりしながら私の方に向かって走ってきた。
あきらかに寝坊した様子だ。
「おはようございます。飲み物は何になさいますか」
フロントの若い女性たちもそうだが、サービス業に慣れたところがなく、それでいて素顔のままで接してくるところが嫌味がなくていい。
「コーヒーをください」
「卵はどうしますか」
「今日は最後の日なのでオムレツにしてください」
「トッピングは何を入れますか」
テーブルの上のメニューを見ると、マッシュルーム、トマト、パセリ、ベーコンなどをトッピングすることができる。
そこで私は恐るおそる聞いてみた。
「全部入れてもらってもいいですか」
笑顔で「ええ、もちろん」
「よかった」と心の中でつぶやく。
これが全部入れたオムレツ。
これではよくわからないが、卵はふわふわ、トロトロ、トッピングも適度に火が入っていて口の中で美味しさがとろける。

ゆっくりと食後のコーヒーを飲み、部屋にもどって荷造りを済ませ、チェックアウトをして、フロントの若い女性たちにあいさつをしてホテルを出た。

途中、少し遠回りをして国民劇場前のゲーテとシラーの像にお別れのあいさつをしてから中央駅に向かった。
9時ちょうど発のICEは時間どおり出発した。フランクフルト南駅には11時37分に着く。
(次回に続く)