2014年10月26日日曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(4)ケルンの朝

平成26年9月4日(木)ケルン

朝食は6時半から。
夜にはレストランになるので、朝食会場は落ち着いた感じでとてもいい雰囲気。


黒パン、カット野菜や惣菜、チーズ、フルーツポンチにストロベリー・ヨーグルトをかけたもの、ケーキ、コーヒーと、おなじみの顔ぶれ。



このホテルの朝食は少し小ぶりのブレッツェルがついているのもうれしい。
特にバターとの相性がよく、食欲が進む。


食べ始めたころはまだ外は暗いが、ゆっくり時間をかけて食事をしているうちに、外もしだいに明るくなってくる。


さて今日はケルン市内をどう歩こうかなどとぼんやりと考えながら食後のコーヒーを飲んでいると、もしかしたら私はこの一杯のコーヒーを飲むためにはるばるドイツにきているのでは、と思うほど幸せな気持ちになってくる。

とは言っても、ケルン市内の観光はこれから。
私はいったん部屋に戻り、いつも旅行に持ってくる小さめのザックを背負ってホテルをあとにした。

まっすぐ大聖堂に向かってもいいのだが、最初はライン川から大聖堂を眺めてみようと思いついた。
中央駅の構内を通り過ぎ、線路沿いに歩いてガードをくぐり、ライン川の川岸にたどり着いた。
まだ朝も早いのに、大きな観光船がホーエンツォレルン橋の下をくぐっている。
これからデュッセルドルフあたりまで観光客を迎えに行って、ライン川クルーズを始めるのだろうか。

振り返ると堂々とした2本の塔がそびえている。
少し前まで曇っていたが、ここで急に朝日がさしてきたので、黄金の十字架が光輝いて見える。


大聖堂前の広場まで戻り、近くから塔を見上げると、カメラではとても収まりきらないほど大きい。
これは昼に撮った大聖堂。

ケルン大聖堂の場合、礼拝が行われる時間帯は内部のステンドグラスや絵を見ることができないので要注意。
平日でも、6時30分、7時15分、8時、9時に礼拝があり、12時にも正午の礼拝がある。
私が行ったときは9時の礼拝が始まるところで、大聖堂の中に入れても、そこから礼拝者用のベンチがあるゾーンの前に神父さんが二人立っていて、いかにも観光客という人が中に入ろうとすると、「Keine Besichtigung(見学はできません)」と言って入場ををお断りしていた。


それでは、ということで、私は大聖堂の南塔に登ることにした。
南塔の入口は大聖堂正面から向かって右側にある階段を下りて、左に曲がるところにある。
これが南塔への入口。

チケット売り場の横には塔の高さや階段の段数などが表示されている。




塔の高さ157m、階段の段数 533段、上る高さ100m、上ってから降りてくるまでの所要時間30分と書かれている。さらに一番下にゴシック体で目立つように「エレベーターはありません」とある。
ここからこういった狭苦しいらせん階段を延々と登っていくことになる。
それにしても階段533段とは気の遠くなるような話だ。

(次回に続く)



2014年10月19日日曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(3)ライン渓谷~ケルン

平成26年9月3日(水)ライン渓谷~ケルン

ローレライを過ぎてもライン川はゆったりと流れ、対岸の山の上にはところどころ古城が見えてくる。『地球の歩き方』の写真と見くらべてみるが、お城の名前まではわからない。やっぱり次回はゆっくりと船旅をしなくては。


ボッパルト駅を通過するとライン川は大きく蛇行する。


この先にももう一つ古城が。



しばらくすると列車は速度を落としはじめた。もうすぐコブレンツ駅だ。
これで車窓から眺めたあわただしいライン渓谷古城めぐりはおしまい。
無理なかっこをしていてさすがに疲れたので、席に戻って一休み。

今でこそ世界遺産になって観光客をひきつける古城群だが、中世の人たちにとっては、その地の領主が通行者から税を徴収するための見張塔として建てたものなので、ありがたいものではなかった。

今から500年近く前の1520年夏、デューラーも故郷のニュルンベルクからネーデルラント(今のベルギー地方)への旅に出たとき、フランクフルトからケルンに向かうルートを通った。
そのときは船旅であったにもかかわらず、マインツからケルンまでの間、なんと9回も税関に立ち寄っている。
デューラーの場合は、通関券を持っていたので、たいていは無税で通ることができたが、途中のエーレンフェルスでは金貨2グルテンを支払わされ、税関吏から2ヶ月以内に免税査証を持参すれば2グルテンを返却すると言われた。
また、バッハラッハでは、同じように2ヶ月以内に2グルテンを支払うか、免税査証を持参するかどちらかであることを一筆しなくてはならなかった。
(以上、『デューラー ネーデルラント旅日記』を参照)

当時のドイツは小国分立の状態で、陸路を通ってもすぐに隣の国になって国境では税関吏が待ち構えている。EUが統合してドイツとフランスや他のEU加盟国との行き来が自由にできるようになった今となってはとても想像できないことだ。

ケルン中央駅に着いたのは20時05分。
最初の予定だと、このくらいの時間にフランクフルト空港駅を出たところ。
2時間遅ければもっと暗くなっていたし、この日は曇っていたので、古城がはっきりとわかる写真が撮れなかったであろう。

ケルン中央駅を出るとすぐ目の前に大聖堂が現れてくる。
大聖堂に行くのは次の日にすることとして、まずは大聖堂とは駅の反対側にあるホテルに向かった。

もちろんケルン中央駅の駅ナカでは忘れずにビールを調達した。
ケルンのビールはケルシュといって、透明感があるのが特徴。
つまみは行きの飛行機の中で配られたおつまみ。
このときのために食べないでとっておいたのだ。
ちなみにおつまみの袋と缶ビールの色が同じなのは全くの偶然。


ケルン大聖堂と反対側の駅前にはホテルやオフィスがあるくらいで、深夜まで営業しているレストランもなくいたって静かな環境にある。
去年行ったミュンヘンと違い、夜中に大声で騒ぐやからもいない。
おかげで夜はよく眠ることができた。
これは4連泊したウィンダム・ホテルの正面。


(次回に続く)