2015年1月26日月曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(6)ケルン大聖堂

平成26年9月4日(木)ケルン

いよいよ大聖堂の中。
身廊の天井の高さは43.35mもある。さすがに高く、広々している。
祭壇の前には観光客が集まっていた。ガイドツアーのグループも多かった。

祭壇では次の礼拝の準備が始められていて、ここから先は入れなかったので、祭壇画を見ることはできなかった。


内陣にある東方三博士の聖遺物が納められている黄金細工の聖棺。


内陣右の翼廊にある祭壇は彫刻も絵も素晴らしい。

内陣両側のモザイクも見事。



パイプオルガンもこんな高いところにある!

身廊右側のステンドグラスは、バイエルン王ルードヴィッヒⅠ世が奉納したのでバイエルン窓と呼ばれている。


ちゃんと1847年に奉納したと書かれている。


大聖堂内の素晴らしさに感心していたら、12時からの礼拝に参加する人たちが集まり始めてきた。朝から歩きっぱなしで、おなかも空いてきたので外に出てお昼を食べることにした。

といってもホテルも近いので、中央駅構内で野菜パスタとコーラを買って部屋食。
なんといってもくつろげるので、やっぱりこれが一番。



(次回に続く)

2015年1月7日水曜日

2014年 私が見た展覧会ベスト10

あけましておめでとうございます。
昨年はベルリンの壁崩壊25周年ということもあって、関連の記事に多くのアクセスをいただき大変感謝しております。
5年目を迎えたこのブログも旧東ドイツをはじめとしたドイツ関連の記事を中心に、美術展関係の記事もまじえて掲載していきたいと考えていますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

昨年末には上海→無錫→蘇州→上海と回るツアーに参加して久しぶりに中国に行ってきました。中国絵画の宝庫、上海博物館に行くのと、値段の安さにつられて参加したのですが、さすがに悠久の歴史をもつ中国、見どころが多くて、とても一度で見きることはできないと感じました。
メインの上海美術館では60分しか時間がとれなかったので、このさき展示替えもあるでしょうから、近いうちにまた行きたいと思っています。

上海博物館正面


さて、今年の第1回目は、昨年から始めた「私が見た展覧会ベスト10」の2014年版を紹介します。
どれも良かった展覧会を10に絞るのは至難の業ですが、そこは遊び心、あくまでも私の趣味ということでご笑覧ください。なお、京都や奈良で見た展覧会まで入れると10に絞るのが大変なので、今回は首都圏開催のものに限定しました。


第1位 下村観山展(横浜美術館)

第1位は迷わず観山です。
細部にこだわり全体として存在感を示す観山の筆遣いの緻密さは圧巻でした。
時期限定で見ることができなかった「白狐」「弱法師」(いずれも東京国立博物館蔵)も「世紀の日本画展」(東京都美術館開催)でじっくり見ることができ、また、東京国立近代美術館蔵の「大原御幸」も同館で開催された「菱田春草展」に合わせて常設展で通しで見ることができて、去年は観山の作品に本当によく接することができました。

第2位 探幽3兄弟展(板橋区立美術館)

はるばる板橋まで東横線→東京メトロ副都心線→東武東上線の直通運転で前期、後期とも行ってきました。
3兄弟の中でもわたしが好きなのは尚信。
「瀟湘八景図屏風」(東京国立博物館)、「西湖図屏風」(静岡県立美術館蔵)など尚信の作品の筆遣い一つひとつに勢いを感じました。
真田宝物館蔵の「雲竜・竹下虎図屏風」はスペースの関係で後期の中で一隻ずつの展示だったため雲龍だけしか展示されていませんでしたが、にらみをきかせた龍はものすごい迫力がありました(パンフレットに出ている虎はかわいいですね)。

第3位 超絶技巧!明治の工芸の粋(三井記念美術館)

この展覧会はweb特別鑑賞会に参加させていただき、清水三年坂美術館館長の村田理如さん、この展覧会を監修した山下裕二さんのお話をお伺いしながら作品を鑑賞することができました。
「超絶技巧!」というだけあって「すごい!」のひと言です。

web特別鑑賞会の様子はこちらをご参照ください。
http://deutschland-ostundwest.blogspot.jp/2014/04/web.html


この展覧会は全国巡回中で、今年の2月21日から4月12日まで山口県立美術館、その後富山県水墨美術館で開催予定です。

第4位 「栄西と建仁寺」展(東京国立博物館)

5年ぶりに俵屋宗達の国宝「風神雷神」が東京に参上。
これに合わせて、平成20年10月7日から11月16日まで東京国立博物館で開催された「大琳派展」以来久しぶりに俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の「風神雷神図屏風」と鈴木其一の「風神雷神図襖」がほぼ同じ時期に都内で公開されました。
「大琳派展」の時のように一ヶ所でという訳にはいきませんでしたが、光琳は東博の常設展で、抱一は「日本絵画の魅惑」展(出光美術館)で、鈴木棋一は「江戸絵画の神髄」(東京富士美術館)で見てきました。

この展覧会に行く前に京都の建仁寺まで行って予習した話はこちらをご参照ください。
http://yamasannoomochabako.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html


第5位 「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」(東京都美術館)

今までに行った海外の地を思い出させてくれるのも展覧会の楽しみの一つです。
この展覧会はまさに時空を越えて古代エジプトの世界に迷い込んだような気分にさせてくれる展覧会でした。


第6位 「台北 國立故宮博物院」展(東京国立博物館)

「翠玉白菜」は見逃しましたが、九州まで行って「肉形石」を見てきました。
他にもよりすぐりの作品がずらりと並び、中国皇帝の芸術コレクションにため息をつくばかりでした。

第7位 名画を切り、名器を継ぐ(根津美術館)

昨年は「風神雷神」もよく見ましたが、牧谿の「瀟湘八景図」も当たり年でした。
根津美術館蔵の「漁村夕照」、徳川美術館蔵の「洞庭秋月」はこの展覧会で、畠山美術館蔵の「煙寺晩鐘」は同館で開催された「茶道美術の玉手箱」展で、京都国立博物館蔵の「遠浦帰帆」は京博の常設展示館「名品ギャラリー平成知新館」のオープニング記念「京へのいざない」で、どれもゆったりした雰囲気の中で見ることができました。

第8位 デュフィ展(Bunkamura ザ・ミュージアム)

パリ、ニース、マルセイユ、ルアーブル。
会場いっぱいにあふれるフランスの街並みや港、海辺の景色。
思わずその場に行って散歩したくなるような楽しい展覧会でした。

第9位 東山御物の美(三井記念美術館)

足利将軍家がかつて所蔵した作品が一堂に会した貴重な展覧会でした。
この展覧会を監修した板倉聖哲さん(東京大学東洋文化研究所教授)のお話をd-laboの講演会でおうかができたのも大きかったです。作品の見どころ解説はもちろん、板倉さんの展覧会にかける熱意が伝わってきました。週替わりで展示が入れ替わりましたが、私は第3週(10/21~10/26)と最終週(11/18~11/24)に行きました。
(今年は牧谿の「漁村夕照」と伝徽宗の「秋景山水・冬景山水」は2回も見ることができました)


第10位 高野山の名宝(サントリー美術館)

運慶の国宝「八大童子像」、快慶の「四天王像」「孔雀明王坐像」。
どれも力強く、「さすが運慶、快慶」とうなるだけの説得力ある展覧会でした。

選にはもれましたが、上でもふれた「世紀の日本画展」(東京都美術館)、「菱田春草展」(国立近代美術館)、をはじめ、「醍醐寺展」(渋谷区立松濤美術館)、「ジョルジョ・デ・キリコ展」(パナソニック・汐留ミュージアム)、日本国宝展(東京国立博物館)などなど、昨年も素晴らしい展覧会が豊作で、ベスト10を選ぶのに苦労しました。
おかげでアップするのが7日になってしまいましたが、松の内に間に合ってよかったです。
それでは今年もよろしくお願いいたします。