2020年9月30日水曜日

山種美術館【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス

東京広尾の山種美術館では【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス、併設展示:ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》試作特別公開が開催されています。


今回の展覧会の注目は何といっても毛がモフモフで可愛らしいしぐさの《班猫》(竹内栖鳳 重要文化財)。
他にも竹内栖鳳が描いた動物の絵(全部で17点)や、東西の個性的な日本画家たちが描いた動物画が展示されていて、会場内はまさに「アニマルパラダイス」。とても楽しい展覧会です。

そして、もう一つの見どころは、今回の展示後、ローマ教皇に献納される守屋多々志《西教伝来絵巻》試作の特別公開。
二度と見られないかもしれないので、こちらも見逃すわけにはいきません。

【展覧会概要】

会 期  9月19日(土)~11月15日(日)
開館時間→11/4から平日も土日祝日も10時~17時(入館は16時半まで)
土日祝日もの閉館時間が1時間延長されました!
 平日   午前11時から午後4時(入館は閉館時間の30分前まで)
 土日祝日 午前11時から午後5時(入館は閉館時間の30分前まで)
休館日  月曜日
入館料  一般 1300円ほか
展覧会の詳細は同館公式サイトでご確認ください⇒山種美術館
また、入館日時のオンライン予約、開館時間、感染防止の取り組みについてはこちらでご確認ください⇒オンライン予約等について

※展示室内は撮影禁止です。掲載した写真は内覧会で美術館より特別の許可をいただいて撮影したものです。
※紹介した作品は☆印の作品以外は、すべて山種美術館所蔵です。

展覧会は2章プラス併設展示で構成されています。それではまず第1章から。

第1章 《班猫》と栖鳳が描いた動物たち


ここでは竹内栖鳳(1864-1942)が描いた動物画17点を一挙公開。
竹内栖鳳は、「東の横山大観、西の竹内栖鳳」と並び称された京都画壇の重鎮。
その栖鳳の作品を都内でこれだけたくさん見られる機会はそう多くないかもしれません。

にぎやかな鳥たちの競演

鳥を描いた作品が多く展示されている中、会場内でお出迎えしてくれるのは2羽の鶴。
ピンッと背筋を伸ばした気品のある姿がとても印象的です。

竹内栖鳳《双鶴》
(1912-42頃 大正ー昭和時代)

よく見てみると、右の鶴は口を開け、左の鶴は口を閉じています。これは「阿吽」を表しているのでは。
「阿吽」は万物の始まりと終わり。展覧会の冒頭を飾るのにふさわしい作品ではないでしょうか。
透明感あふれる右下の水面の表現にも注目です。

続いて、白鷺、鴉、メジロ、ミミズク、アヒルといった鳥たちを描いた作品が並んでいて、にぎやかな鳴き声が今にも聞こえてきそう。
一番奥は《班猫》です。

第1章展示風景

鳥を描いた作品の中で私のお気に入りは《雨霽(あまばれ)》。


竹内栖鳳《雨霽》(1926(大正15)年頃)

柳の木に止まる白鷺も堂々とした姿で、冒頭の鶴のように近寄りがたい気品を感じます。
栖鳳62歳ごろの作品ですが、老齢にさしかかった栖鳳が、「老いてなおかくあるべし。」と自身の姿を投影しているようにも思えました。

一方でカワイイ系の作品もあります。

竹内栖鳳《鴨雛》1937(昭和12)年頃


栖鳳は、猫や犬、ウサギ、アヒルなど多くの生き物を飼って、間近で観察しながら作品を制作したとのことですが、アヒルのこんなリラックスした姿は目の前でじっくり観察しなければ描けなかったでしょう。

気高さを感じる《班猫》

そして今展覧会の主役、重要文化財の《班猫》。

竹内栖鳳《班猫》重要文化財
1924(大正13)年

旅先の沼津で見た猫を譲り受け、京都に持ち帰って観察をしながら描いたというこの作品。
一心に毛づくろいをしている可愛いらしいしぐさ、毛のモフモフ感。
それでも視線はこちらに向けられていて、「誰が見ていても我関せず。」といった気高さを感じさせてくれる逸品です。

生き物に対するやさしいまなざしが感じられる

栖鳳が描いたのは、鳥や猫だけではありません。
バッタやカエル、蛇などさまざまな生き物を描いていますが、そこには生き物や生命に対する慈しみ、やさしいまなざしが感じられます。

池の中を一生懸命泳ぐ一匹の小さなカエルを描いた《緑池》。
水面と水面の下に透けて見えるカエルの体の透明感が心にスーッと沁み込んできます。


竹内栖鳳《緑池》1927(昭和2)年頃

一見するとユーモラスなしぐさのカエルの絵ですが、実は意味深?な作品が《蛙と蜻蛉》。

竹内栖鳳《蛙と蜻蛉》
1934(昭和9)年

栖鳳が10日間観察して描いたという12匹のカエルは、当時の帝国美術院の日本画会員12人を風刺したのではとも評されたそうですが、画面左上に描かれたトンボは、ひとり新たな境地に向かう栖鳳自身なのでしょうか。
古希を迎えたちょうどこの頃、栖鳳は京都を離れ、神奈川県の湯河原に居を構えた時期なので、カエルのユーモラスなしぐさにも惹かれますが、それだけでなくいろいろなことを考えさせてくれる作品です。


第2章 アニマルパラダイス


第2章は、栖鳳の門人たちはじめ、東西の日本画家が描いた動物画の競演が楽しめます。

大きな動物から小さな動物まで東西競演が楽しめる

第2章の冒頭は、白熊や牛を描いた作品から始まります。

右から、西村五雲《白熊》(1907(明治40)年)、
山口華楊《生》(1973(昭和48)年)、
奥村土牛《聖牛》(1953(昭和28)年)


まずは白熊がオットセイを捕らえるという迫力ある場面を描いた西村五雲(1877-1938)の《白熊》。

西村五雲《白熊》1907(明治40)年


西村五雲は栖鳳の高弟の一人。
白熊という新しい題材に挑んだこの作品は、動物園として日本で二番目に開館した京都市動物園で初めて見た白熊を写生して完成させたとのこと。
竹内栖鳳も、渡欧中に動物園でライオンを模写して獅子図を描いているので、円山四条派の流れを汲み、写生を重んじる京都画壇の人たちにとって、身近な動物園の存在は大きかったことでしょう。
西村五雲の作品は、他に松と鶴を描いたおめでたい作品《松鶴》、後ろ足で耳の下を掻くしぐさが可愛いい《犬》、愛嬌のある表情の鴨を描いた《寒渚》が展示されています。

続いて、西村五雲の弟子・山口華楊(1899-1984)の《生》。

山口華楊《生》(1973(昭和48)年)

山陰地方の山村での写生を元に描いたという作品ですが、実際に見た風景を幻想的な光景に変えてしまう華楊らしい独特な雰囲気に満ちた作品です。
山口華楊の作品は、他に巨木の根がからみあう、やはり幻想的な《木精》が展示されています。

西の華楊の幻想的な子牛と並んで展示されているのは、東の代表・奥村土牛(1889-1990)《聖牛》。

奥村土牛《聖牛》(1953(昭和28)年)

土牛は、出産後の母牛に「落ち着きと気品」を感じたとのことですが、ほのぼのとした新しい命の輝きが感じられる作品です。
奥村土牛の作品は、他に《鹿》、《兎》2点、《戌年》《シャム猫》《栗鼠》といった小動物のかわいらしい作品も展示されています。

下の写真左が奥村土牛《シャム猫》。右が土牛の兄弟子でもあり、師でもあった小林古径(1883-1957)の《猫》。
どちらの猫も栖鳳の《班猫》とは異なり、かしこまったポーズをとっていますが、どの猫にも気高さが感じらるのは、やはり人に媚びることのない猫だからなのでしょうか。
左 奥村土牛《シャム猫》(1974(昭和49)年)
右 小林古径《猫》(1946(昭和21)年)

東西巨匠は「ミミズク」で競演

今回は「西の竹内栖鳳」が主役の展覧会なのですが、「東の横山大観(1868-1958)」は、暗がりの中にたたずむミミズクが描かれた《木兎》で参上しています。

横山大観《木兎》(1926(大正15)年)

東京上野・不忍池のほとりの大観邸(現・横山大観記念館)ではミミズクの姿を見ることもあったそうです。
世闇に光る目に金泥を施すところは、さすが斬新な発想の大観。
人の気配を感じて少し驚いたような表情のミミズクが可愛らしいです。

可愛さでは第1章に展示されている栖鳳の《みゝづく》も負けてはいません。
体は少し横向きで、顔を正面に向けて首をかしげて、何か思案中なのでしょうか。

竹内栖鳳《みゝづく》1933(昭和8)年頃

併設展示 ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》試作 特別公開


冒頭にも紹介しましたが、今回展示されている守屋多々志(1912-2003)の《西教伝来絵巻》試作は、2019(令和元)年11月のローマ教皇フランシスコの来日を記念して献呈されるもので、今回のチャンスを逃したら二度と見られないかもしれません。
ぜひじっくりご覧になっていただきたい作品です。

1549(天文18)年に日本へキリスト教が伝わった際の航海の様子が描かれている上巻。
☆守屋多々志《西教伝来絵巻》試作(上巻)
20-21世紀(昭和-平成時代)

幼子イエスを抱いた聖母マリアを中心に、日本の信徒たちを描く下巻。
中央の聖母マリアの前で筆をとる少年に注目です。画家本人の姿なのかもしれません。

☆守屋多々志《西教伝来絵巻》試作(下巻)
20-21世紀(昭和-平成時代)

昭和から平成にかけて歴史画家の第一人者として活躍した守屋多々志は、山種美術館二代目館長・山﨑富治氏と親交があったことから、山種美術館には14点の守屋多々志の作品が所蔵されています。
今回も第2章に《駒競べ》、併設展示の第2展示室に《慶長使節支倉常長》《波乗り兎》が展示されています。

守屋多々志《慶長使節支倉常長》
1981(昭和56)年


そういったご縁があって、1981(昭和56)年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が来日された際、守屋多々志が記念として《ジェロニモ天草四郎》を制作して教皇に献呈する前に山種美術館で公開されたのですが、今回も同じく山種美術館で公開されることになったのです。

ところで今回公開されている作品は、なぜ「試作」なのでしょうか。
実は、ほぼ完成品の前の段階のこの「試作」はあるのですが、完成品の「本画」の存在は確認されていないのです。

はたして「本画」は描かれたあとに所在不明になったのか、何らかの理由で消失してしまったのか、それとも描かれなかったのか、そういったミステリアスなところも感じながら鑑賞したい作品です。

オリジナル和菓子も味わえます!

1階のCafe椿では、今回の出展作品にちなんだオリジナル和菓子をお楽しみいただけます。


上から時計回りに、「めで鯛」(竹内栖鳳《艸影帖・色紙十二ヶ月》のうち「鯛(1月)」)、
「夜のみなも」(小林古径《夜鴨》)、吉祥(西村五雲《松鶴》)、「きらめき」(速水御舟《昆虫二題》のうち「粧蛾舞戯」)、「瀬音」(土田麦僊《香魚》)。
(カッコ内はモチーフにした作品で、いずれも山種美術館蔵。)
お抹茶セットで1,200円(税込)。どの和菓子とのセットにしようか迷ってしまいます。

オリジナルグッズも充実!

《班猫》はじめ山種美術館所蔵作品にちなんだオリジナルグッズも充実してます。
《班猫》A4クリアファイル(385円)、《班猫》ブロックメモ 550円、《鴨雛》Tシャツ(3,300円)、今回の展覧会の図録(1,320円)などなど。(いずれも税込価格)
展示室横のミュージアムショップで販売していますので、ぜひお立ち寄りください。



さらに関連書籍も充実してます。
下の写真は右から『色から読み解く日本画』(エクスナレッジ)、『かわいい琳派』(東京書籍)。


今年7月に発売されたばかりの『もっと知りたい鳥獣戯画』(東京美術)もあります。
図版も多く、解説もわかりやすくて丁寧なので、来春に延期になった東京国立博物館「特別展『国宝 鳥獣戯画のすべて』」の予習にピッタリです。



紹介した書籍はミュージアムショップでお求めいただけます。

撮影スポットで記念にパチリ!

1階ロビーには《班猫》の猫ちゃんたちと写真を撮るコーナーもあります。

1階撮影スポット

来館記念にぜひ撮影してシェアしましょう!
1階撮影スポット


会場内は日本画のかわいい動物たちでいっぱい。
生き物に向けられる日本画家たちの優しいまなざしが感じられます。
この秋おススメの展覧会です。ぜひその場でご覧になっていただいて、お気に入りの一品、お気に入りの動物を探してみてはいかがでしょうか。



2020年9月11日金曜日

応挙寺の襖絵をニコニコ美術館で見よう!

「応挙寺」で知られる、兵庫県の日本海側の町、香美町香住にある高野山真言宗 亀居山 大乗寺。
その大乗寺にニコニコ美術館のカメラが入って、円山応挙とその一門が描いた大乗寺客殿の障壁画を徹底解説するという番組が、9月22日(火・祝)午後3時から生中継されます。

放送日 9月22日(火・祝)午後3時から
番組タイトル 「大乗寺・円山応挙一門の障壁画165面と立体曼荼羅を巡ろう」
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327742144

解説は、ライターで永青文庫副館長の橋本麻里さん。大乗寺副住職の山岨眞應さんと共に大乗寺の魅力をお伝えするという、とても楽しみな企画です。

私が大乗寺を訪れたのは、今から13年前、2007年の秋のことでした。
応挙と弟子たちの障壁画が、保存のためゆくゆくは収蔵庫に移管されて、客殿のものはレプリカに置き換わるというニュースを聞いて、本物の障壁画が客殿にあるうちに見ようということで、あわてて行ってきたです。

大乗寺山門

客殿の入り口には円山応挙師匠の像がお出迎えしてくれます。


大乗寺の最寄り駅は、JR京都駅からでも山陰線の特急と普通を乗り継いて3時間以上かかる香住駅。そこからタクシーで5分ほどなので、応挙師匠は「遠いところよく来たな。」とねぎらってくれているように見えました。

大乗寺の公式HPはこちらです⇒http://www.daijyoji.or.jp/

客殿に上がって実際にその場で障壁画を見た時の印象はとても強いものがありました。
200年以上も前に描かれたにもかかわらず、ものすごくきれいに色が残ってていることや、「郭子儀図」に描かれた唐子が、違った位置から見てもこちらを向いているように見えたことなどは今でもはっきりと覚えています。

芭蕉の間 円山応挙 重要文化財「郭子儀図」(全8面のうち4面)
1788(天明8)年 兵庫・大乗寺蔵
※ 郭子儀(697-781)は、中国・唐中期の安史の乱の鎮圧に功績があった武将ですが、長
 寿で子や孫に恵まれたことから、おめでたい画題として江戸時代の絵師たちに好まれて
 描かれました。この「郭子儀図」にも楽しそうに遊ぶ唐子たちが描かれています。


とても印象が強かった大乗寺客殿の障壁画ですが、10年以上も月日がたつと、その印象もだんだんと薄れてきてしまうものです。

そんな時、うれしいことに大乗寺の障壁画の方が東京に来てくれました。

昨年(2019年)夏に東京上野公園の東京藝術大学大学博物館で開催された「円山応挙から近代京都画壇へ」展で、大乗寺の障壁画のうち円山応挙「松に孔雀図」はじめ弟子たちの襖絵が展示されたのです。

みなさんはこの展覧会には行かれましたでしょうか。
私は現地に行った時の記憶をよみがえらせたくなったので見に行ってきました。(展覧会は、その後、京都国立近代美術館に巡回。)

東京藝術大学構内の展覧会の看板

それから1年、今回はコロナ禍で国内の移動もためらってしまうような状況の中、その大乗寺の障壁画をオンラインで見ることができるのですから、こんなうれしいことはありません。

さて、それではニコニコ美術館「大乗寺」特集の注目の3つの見どころをご紹介していきましょう。

注目ポイント1 13名の絵師による全165面の傑作襖絵を動画中継で! 

客殿をめぐりながら応挙たちが描いた襖絵を生中継するので、副住職の山岨眞應さんと橋本麻里さんの詳細な解説を聴きながら、まるでその場にいるような気分で襖絵を見ることができます。
さらに、保存のため収蔵庫に保管されている襖絵も特別に紹介されます。

孔雀の間 円山応挙 重要文化財「松に孔雀図」(全16面のうち4面)
1795(寛政7)年 兵庫・大乗寺蔵


注目ポイント2 十一面観音を中心に応挙が構想した「立体曼荼羅」を徹底解説!

大乗寺の客殿は、中央の仏間の持仏、十一面観音を中心として四方を四天王が守護するという密教的な意味をもった立体曼荼羅になっています。

なぜ、中央の仏間の前の間には孔雀が描かれているのか。

ぜひ解説を聞いていただきたいです。



注目ポイント3 応挙の光のマジックをご紹介!

昨年、東京藝術大学と京都国立近代美術館で開催された「円山応挙から近代京都画壇へ」展に行かれた方は、「松に孔雀図」をご覧になって、金箔貼りの襖に墨で描かれているのに、光の当たり具合によって松の枝は茶色、松葉は緑色、孔雀の羽根は茶色に見えてくるという体験をされたかもしれません。

今回は、「孔雀の間」に座っているような感覚で応挙が仕掛けた光のマジックを体験することができるのです。


孔雀の間 円山応挙「松に孔雀図」
1795(寛政7)年 兵庫・大乗寺蔵 


美術作品は、現地に行ってその場で本物を見るというのが一番なのでしょうが、さまざなま制約で難しくなっている今日、こうしてバーチャルで見られるというのは幸せなことで、「コロナ後」の美術鑑賞の新しい形なのかもしれません。

ニコニコ美術館の「大乗寺」特集、お見逃しなく!





2020年8月31日月曜日

人気イラストレーターChocomooさんの展覧会に行ってきた!

体育館のように広々としたスペースの中、パステルブルーが基調のボードにはモノトーンで描かれた明るく楽しい作品が並び、会場の中央にはかわいらしいキャラクター。
奥のスクリーンには、ポップなBGMに乗ってイラストを描くChocomoo(チョコムー)さんの映像。

会場内展示風景


展覧会のタイトルは「OUR SECRET PARTY」。

「私たちの秘密のパーティー」
タイトルを見ただけでも何が始まるんだろうと期待がふくらんでくる展覧会です。

【展覧会概要】
会 場  WITH HARAJUKU HALL
     (JR山手線「原宿駅」東口から徒歩1分 WITH HARAJUKU3階)
会 期  2020年8月13日(木)~9月28日(月)
開館時間 10:00~19:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日  会期中無休
入場料  一般 1,200円 高・大・専門学生 1,000円 中学生 800円(税込)
     ※日時指定制です。チケットは事前にご購入ください。
     ※小学生以下は無料
     ※学生券ご購入の方は学生証をご提示ください。 
主 催  サンライズプロモーション東京
特別協賛 WITH HARAJUKU
後 援  TBSラジオ J-WAVE
詳細は公式ホームページをご覧ください⇒chocomoo-exhibition

展示作品数は、未公開作品や今回の展覧会のための描き下ろし作品を含めて全部で73点。展示室内は大きく分けて4つのコーナーで構成されています。

DIARY OF A MOMENT
COLLABORATION WITH BOBBY GROSSMAN
MUSIC IS LOVE
THAT'S A PARTY
(「COLLABORATION WITH BOBBY GROSSMAN」のコーナーに展示されている作品以外は撮影OKです。)

それではさっそく展覧会の様子をご紹介していきたいと思います。

見ていて楽しくなる作品ばかりです!


会場に入ってすぐ左はDIARY OF A MOMENTのコーナー。

「DIARY OF A MOMENT」展示風景

一番手前には、まるで今回の展覧会の案内看板のような作品《OUR SECRET PARTY》。

小さいころ書道を習っていたというChocomooさん。
モノトーンで黒の濃淡をつけた作風が特徴です。
《OUR SECRET PARTY》2020
濃い黒で描かれたタイトルと、楽しげに踊るハンバーガーやピザ、花にリンゴにアイスクリーム、ハート形の人の顔や、顔が描かれた風船。画面一面にいろいろなものが描かれていて、とてもにぎやか。
音符やレコードも描かれているので、楽しげな音楽が流れているようです。

《OUR SECRET PARTY》2020(部分)


普段は抽象的なイメージを、パズルを組み立てていく感覚で描くことが多いChocomooさんが、今回の展覧会では、設計やデザインをしている感覚で具体的に描くことに挑戦したとのこと。
古いダイナーの写真をイメージしながら描いたという作品が《OUR DINER》。
お酒を飲みながら陽気に話す声が聞こえてきそうです。

《OUR DINER》2020



このボードの反対側の作品は、背景にあえて色を入れたという新しい試みの作品。
モノトーンの絵といえば、思い浮かべるのが東洋の水墨画。
水墨画でも金箔の上に描いたり、効果的な色を入れたりするので、背景の色合いは違っても、まったく違和感はなく、かえって描かれた人物が引き立って見えるように感じられました。

右 《BEAUTY》2020、左 《NEVER》2020

続いてTHAT'S A PARTYのコーナー。

「THAT'S A PARTY」展示風景

一番手前の作品は、ピアノやキーボード、ドラムセットが描かれていて、いよいよパーティーが始まるという雰囲気が盛り上がる《THANK YOU》。
作品の下の白い文字もおしゃれです。
《THANK YOU》2019

そして向かって左に進むと、MUSIC IS LOVEのコーナー。

「MUSIC IS LOVE」展示風景
ピアノやドラムやギターがにぎやかな音楽を奏でるこの作品のタイトルは、そのものズバリ《MUSIC》。

《MUSIC》2018

”自粛”を意識しなければならなくなった生活の中で、最前線で働いている方々へ感謝の気持ちを表現したいとの思いで描いたという作品《THANK YOU》(こちらは2020年の作品)。

《THANK YOU》2020


細かいところまで見ればもっと楽しい!


会場内を歩いて、作品を眺めているだけでも楽しい気分になれるのですが、Chocomooさんが作品の中に思いを込めて描いたメッセージを見ていくと、もっともっと楽しさが増してくること間違いなしです。

今回の作品の中で私の一番のお気に入りの場面はこちら。
さきほど紹介した《THANK YOU》2020の右下の絵です。

《THANK YOU》2020(部分)

「EVERYTHING WILL BE ALL RIGHT」
この扉の先に行けばすべてがうまくいく。なんだかそんな気になってきます。

同じ作品の上の方にはテレビ画面に映し出された「NOT THE END」。
「まだ終わりじゃないよ。」 これも好きな言葉です。

《THANK YOU》2020(部分) 

正面の展示作品に移ります。
正面の作品の展示風景
上の写真一番右の二枚組作品《WINDOW》の風船に書かれた言葉は「HOPE」。
ハート形の人が希望をつかんで、とてもうれしそうな表情です。
《WINDOW》2020(部分)

右から二番目の作品《FRIENDS》には「LOVE」と「PEACE」。

《FRIENDS》2020(部分)
文字だけではありません。
右から三番目の二枚組作品《WE》には地球儀や飛行機、旅行鞄。これは楽しい世界旅行。

《WE》2020(部分)


鍵も所々で見かけます。これはもつれた問題を解く大事なキーなのでしょうか。
一番左の作品《HOUSE》の左中央にも見つけました。 

《HOUSE》2018(部分)
やはり所々で見かけるのですが、これはまぎれもなく絆創膏!
生きていればつらいこともあるし、心や身体に傷を負うこともある。そういう時は優しく絆創膏で癒そう。そういったメッセージにも思えました。

《HOUSE》2018(部分)


先ほど紹介した青い背景の《NEVER》の一番左で逆立ちしている女の子の腕にも絆創膏。ローラースケートで走っていて何回も転んだのかもしれません。
それにしても、絆創膏のアルファベットのLのような文字は何を意味しているのでしょうか。

《NEVER》2020(部分)

《I HATE YOU》(私はあなたを憎む)。
この展覧会に似つかわしくないタイトルの作品がなぜここに?
そしてその右隣の作品は《EVERYTHING IS GOOD》(すべてよし)。

左が《I HATE YOU》2018
右は《EVERYTHING IS GOOD》2020 
「それでいいわけはない」と思いつつ、近くに寄って見てみると、HATEの文字がLOVEで描かれています。HATEをLOVEに変えようということなのですね。

《I HATE YOU》2018(部分)
まだまだ紹介したいことは山ほどあるのですが、きりがないのでこのくらいにして、みなさんもぜひお時間の許す限り細部までご覧になって、自分だけの好きな言葉、好きな絵を発見してみてはいかがでしょうか。

オールドロックファンにも懐かしい!


一見すると若い世代向きの作品ばかりと思われるかもしれませんが、私のようなオールドロックファン世代がノスタルジーを感じる作品も多くあるのです。

《MUSIC IS LOVE》2020
今や楽曲はネットで配信される時代。CDでさえ過去のものになりつつある中、この作品に登場するのはCDよりさらに前のLPレコード!
レコードはほかの作品にも描かれいますが、この黒い円盤を見ると、限られた小遣いの中からやりくりして買ったロックの名盤のことを思い出して、妙に懐かしさを感じるのです。

バンドのメンバーの衣装も、どことなく1960年代後半から1970年代前半のファッションに見えてきます。
《FREE》2020

あなたも作品の主役に!


冒頭、「COLLABORATION WITH BOBBY GROSSMAN」のコーナーに展示されている作品は撮影不可とお伝えしたのですが、このコーナーには、ニューヨークを拠点とする写真家ボビー・グロスマンが撮影したアンディ・ウォーホール、バスキアといった有名人の写真にChocomooさんがイラストを描くというコラボ作品が展示されています。

他にも、1974年にニューヨークで結成されたパンクバンド「ラモーンズ」のボーカル、ジョーイ・ラモーンや、「ブロンディ」のボーカル、デビー・ハリーの写真とのコラボ作品もあります。
「ハート・オブ・グラス」(1979年)や「コール・ミー」(1980年)などのヒットで知られるブロンディは、やはり「懐かしい!」と思ったのですが、なんとバンドは今でも活動中、デビー・ハリーもバリバリの現役なのです。

さて、このコーナーにはChocomooさんのイラストが描かれた鏡が展示されています。
この鏡の前に立つと、みなさんがモデルになってChocomooさんとのコラボ作品を作ることができるのです。ぜひここで記念に一枚!


こちらはChocomooさんの作品に囲まれて写真が撮れるフォトスポット。
写真を撮ったらハッシュタグ #ChocomooEX をつけてSNSに投稿しましょう!


Chocomooさんに会える!


こちらはChocomooさんが来場してその場でイラストを描く「ライブペイント」のコーナー。
ライブペイントはゲリラ的に行うとのことですが、直前にツィッターで事前告知することもあるようなので展覧会の公式ツィッターも要チェックです⇒Chocomoo EXHIBITION OUR SECRET PARTY


この場でしか買えないオリジナルグッズも盛りだくさん!


紹介が遅れましたが、会場中央のマスコットは「Don't Touch」君。
Chocomooさんが一番長く描いているというハートの形をしたキャラクターで、本当は触れてほしいのに、シャイなので「Don't Touch」と言ってしまうとのこと。


ホワイエのにグッズ売り場にも「Don't Touch」君のふかふかの「抱きクッション」があります。


他にもエコバック、バンダナやTシャツ、洗える布製マスクなどいろいろ揃っています。
来館記念にぜひ!


オフィシャルアートブックは2,800円(税込)。
家に帰ってからもChocomooさんの作品が楽しめます。


(本文中の作品や「Don't Touch」君の説明はこのカタログを参考にさせていただきました。)


ホワイエにはChocomooさんがイラストを描いたヤマハのピアノも展示されています。

《LovePiano5号機》2020

とても楽しく明るい展覧会です。
9月28日(月)まで開催されていますので、ぜひその場でChocomooさんの作品をご覧になっていただければと思います。
19時まで開館していますので(入場は閉館の30分前まで)、お近くの方は仕事帰りにもぜひ!