入口ではアンリ・ルソーの描いた子どもの絵のパネルとレゴアートがお出迎え。
アンリ・ルソーは、決して上手と言えないけど、独特の味があって前から好きな画家の一人でした。特に晩年になって、これでもかと描き続けたジャングルの作品群は印象的です。
そのアンリ・ルソーが、モネやピカソを差し置いてこの展覧会の顔になるなんて信じられないですが、ルソーファンの私としてはうれしい限りです。
会場に入ると、展示されている作品は展覧会のタイトルどおり、どれも子どもたちばかり。
人形を抱っこしている子(右端は入口のパネルにもなっているアンリ・ルソーの「人形を抱く子ども」)、
得意気にポーズをつけている女の子、かわいい赤ちゃん、
学校で勉強している子や寄宿舎の子どもたち、
そしてルノワールやモネといった印象派の巨匠たちや、
セザンヌやボナール、モーリス・ドニ、
などなど、いろんな子どもたちがいます。
そして、どの作品からも、描いた画家たちの、子どもたちを見るあたたかく優しい視線が感じられます。
音声ガイドは一般用とジュニア用がありますが、やはり子どもの視点から作品を見たかったので、ジュニア用の方をお借りしました。
ジュニア用は、展覧会を見るためジュリーに連れてこられた猫が、ジュリーとはぐれ、会場内でたまたま出会った「画家のはしくれ」のおじさんと一緒に作品を見て回るという設定。
ピカソの絵を見て「小学生の描いた絵みたい」と言ったり、赤い髪が逆立っているマティスの絵を見て「おこってる!」と驚いたり、率直な感想を言う猫とまじめに解説する画家とのやりとりは絶妙です。
ウジェーヌ・カリエール「病気の子ども(作品№9)」の具合が悪くてぐずついている赤ん坊を見て、猫ちゃんが「早く良くなってね」と言うところではジーンときてしまいました。
ジュニア版の音声ガイドは大人でも楽しめるので興味のある方はぜひ試してみてください。
はぐれてしまったジュリーとはだれのことか、作品を見ているうちにわかってきます。でも、それは聴いてからのお楽しみに。
「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」は6月29日(日)まで六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで開催されています。
大人も子どもも楽しめる展覧会です。詳細は公式ホームページをご参照ください。
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http://www.ntv.co.jp/kodomo/
(掲載した写真は主催者の許可を得て撮影したものです)