2014年10月19日日曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(3)ライン渓谷~ケルン

平成26年9月3日(水)ライン渓谷~ケルン

ローレライを過ぎてもライン川はゆったりと流れ、対岸の山の上にはところどころ古城が見えてくる。『地球の歩き方』の写真と見くらべてみるが、お城の名前まではわからない。やっぱり次回はゆっくりと船旅をしなくては。


ボッパルト駅を通過するとライン川は大きく蛇行する。


この先にももう一つ古城が。



しばらくすると列車は速度を落としはじめた。もうすぐコブレンツ駅だ。
これで車窓から眺めたあわただしいライン渓谷古城めぐりはおしまい。
無理なかっこをしていてさすがに疲れたので、席に戻って一休み。

今でこそ世界遺産になって観光客をひきつける古城群だが、中世の人たちにとっては、その地の領主が通行者から税を徴収するための見張塔として建てたものなので、ありがたいものではなかった。

今から500年近く前の1520年夏、デューラーも故郷のニュルンベルクからネーデルラント(今のベルギー地方)への旅に出たとき、フランクフルトからケルンに向かうルートを通った。
そのときは船旅であったにもかかわらず、マインツからケルンまでの間、なんと9回も税関に立ち寄っている。
デューラーの場合は、通関券を持っていたので、たいていは無税で通ることができたが、途中のエーレンフェルスでは金貨2グルテンを支払わされ、税関吏から2ヶ月以内に免税査証を持参すれば2グルテンを返却すると言われた。
また、バッハラッハでは、同じように2ヶ月以内に2グルテンを支払うか、免税査証を持参するかどちらかであることを一筆しなくてはならなかった。
(以上、『デューラー ネーデルラント旅日記』を参照)

当時のドイツは小国分立の状態で、陸路を通ってもすぐに隣の国になって国境では税関吏が待ち構えている。EUが統合してドイツとフランスや他のEU加盟国との行き来が自由にできるようになった今となってはとても想像できないことだ。

ケルン中央駅に着いたのは20時05分。
最初の予定だと、このくらいの時間にフランクフルト空港駅を出たところ。
2時間遅ければもっと暗くなっていたし、この日は曇っていたので、古城がはっきりとわかる写真が撮れなかったであろう。

ケルン中央駅を出るとすぐ目の前に大聖堂が現れてくる。
大聖堂に行くのは次の日にすることとして、まずは大聖堂とは駅の反対側にあるホテルに向かった。

もちろんケルン中央駅の駅ナカでは忘れずにビールを調達した。
ケルンのビールはケルシュといって、透明感があるのが特徴。
つまみは行きの飛行機の中で配られたおつまみ。
このときのために食べないでとっておいたのだ。
ちなみにおつまみの袋と缶ビールの色が同じなのは全くの偶然。


ケルン大聖堂と反対側の駅前にはホテルやオフィスがあるくらいで、深夜まで営業しているレストランもなくいたって静かな環境にある。
去年行ったミュンヘンと違い、夜中に大声で騒ぐやからもいない。
おかげで夜はよく眠ることができた。
これは4連泊したウィンダム・ホテルの正面。


(次回に続く)