朝食は6時半から。
夜にはレストランになるので、朝食会場は落ち着いた感じでとてもいい雰囲気。
黒パン、カット野菜や惣菜、チーズ、フルーツポンチにストロベリー・ヨーグルトをかけたもの、ケーキ、コーヒーと、おなじみの顔ぶれ。
このホテルの朝食は少し小ぶりのブレッツェルがついているのもうれしい。
特にバターとの相性がよく、食欲が進む。
食べ始めたころはまだ外は暗いが、ゆっくり時間をかけて食事をしているうちに、外もしだいに明るくなってくる。
さて今日はケルン市内をどう歩こうかなどとぼんやりと考えながら食後のコーヒーを飲んでいると、もしかしたら私はこの一杯のコーヒーを飲むためにはるばるドイツにきているのでは、と思うほど幸せな気持ちになってくる。
とは言っても、ケルン市内の観光はこれから。
私はいったん部屋に戻り、いつも旅行に持ってくる小さめのザックを背負ってホテルをあとにした。
まっすぐ大聖堂に向かってもいいのだが、最初はライン川から大聖堂を眺めてみようと思いついた。
中央駅の構内を通り過ぎ、線路沿いに歩いてガードをくぐり、ライン川の川岸にたどり着いた。
まだ朝も早いのに、大きな観光船がホーエンツォレルン橋の下をくぐっている。
これからデュッセルドルフあたりまで観光客を迎えに行って、ライン川クルーズを始めるのだろうか。
振り返ると堂々とした2本の塔がそびえている。
少し前まで曇っていたが、ここで急に朝日がさしてきたので、黄金の十字架が光輝いて見える。
大聖堂前の広場まで戻り、近くから塔を見上げると、カメラではとても収まりきらないほど大きい。
これは昼に撮った大聖堂。
ケルン大聖堂の場合、礼拝が行われる時間帯は内部のステンドグラスや絵を見ることができないので要注意。
平日でも、6時30分、7時15分、8時、9時に礼拝があり、12時にも正午の礼拝がある。
私が行ったときは9時の礼拝が始まるところで、大聖堂の中に入れても、そこから礼拝者用のベンチがあるゾーンの前に神父さんが二人立っていて、いかにも観光客という人が中に入ろうとすると、「Keine Besichtigung(見学はできません)」と言って入場ををお断りしていた。
それでは、ということで、私は大聖堂の南塔に登ることにした。
南塔の入口は大聖堂正面から向かって右側にある階段を下りて、左に曲がるところにある。
これが南塔への入口。
チケット売り場の横には塔の高さや階段の段数などが表示されている。
塔の高さ157m、階段の段数 533段、上る高さ100m、上ってから降りてくるまでの所要時間30分と書かれている。さらに一番下にゴシック体で目立つように「エレベーターはありません」とある。
ここからこういった狭苦しいらせん階段を延々と登っていくことになる。
それにしても階段533段とは気の遠くなるような話だ。
(次回に続く)