キリコというとすぐに思い浮かぶのが、人けのない広場とそれを取り囲む建物、そして不可思議なポーズをとるマネキン。
今、パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「ジョルジョ・デ・キリコ-変遷と回帰」では、こういった私たちの期待に応えてくれる作品も出展されていますが、キリコもこんな作品を描いていたのか、と意外に思わせてくれる作品も多く展示されています。
この展覧会は、「変遷と回帰」という副題にあるように、現実を超越した「形而上学的」な作風を描き始めたな初期の作品から、古典主義やバロックに目覚めた時代を経て、再び形而上学的な作品に回帰し、さらに最晩年に至るまで、選りすぐった作品の数々でキリコの作風の変遷史をたどることができる構成になっています。
上の写真はミュージアムショップで購入した絵はがき。
右は「ビスケットのある形而上学的室内(1968年)」。
キリコにとってビスケットは、第一次世界大戦で軍隊に招集された時、配属されたイタリア・フェッラーラのユダヤ人街で見かけたビスケットにインスピレーションを感じて以来、作品の重要なモチーフになっています。
左は1962年の作品「ノートルダム」。
一見するとキリコらしい絵ではありませんが、川岸で釣り糸を垂れる一人の男性の姿が気に入りました。
中央上は、ビスケットではありませんが、キリコ展オリジナルグッズのチョコレートクッキーの包み紙。私が食べたのはイチゴ味でしたが、とても美味でした。
この日は、キリコ展を担当したパナソニック汐留ミュージアムの学芸員、萩原敦子さんのギャラリートークがありました。30分の予定だったのですが、作品を前に1時間近く熱のこもった解説をしていただきました。
ギャラリートークは
会場入口にはジュニアガイドのパンフレットもあります。
小学生以下は入場無料なので、週末にお子様連れでキリコの不思議な世界に迷い込んでみではいかがでしょうか。
キリコ・ワンダーランドの入口はこちらです。
12月26日(金)まで開催されています。詳細は公式サイトをご覧ください。
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/141025/
なお、会場の入口及びミュージアムショップの写真は美術館より特別に許可をいただいて撮影したものです。