2015年5月19日火曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(11)アーヘン宝物館

平成26年9月5日(金)アーヘン宝物館

アーヘン市役所の展示、シャルルマーニュ・センターと続いた3館共通チケット対象施設の最後は大聖堂の宝物館。
宝物館では、カール大帝の年2014にちなんで、「失われた財宝(Verlorene Schätze)」という特別展が開催されていた。かつてアーヘンにあって現在では各地に散逸している財宝が里帰りした、というところだろうか。
(説明板には○○博物館所蔵といった記述がなかったので、現在どこの美術館、博物館にあるのか、また、現在でもアーヘン宝物館に所蔵されているものかはわからなかった)

展示の主役はもちろんカール大帝。威風堂々としたカール大帝の黄金の胸像もまばゆいばかりだ。




館内はとても落ち着いた佇まい。
さすがにカール大帝の街アーヘンに集められた財宝なので、内容も充実している。




優しく微笑む黄金のマリア像


黄金の十字架



               本のカバーも黄金色に輝いている。               


展示品を眺めていたら、年配の男性2人組が「さっきの大聖堂ガイドツアーに参加してましたね」と声をかけてきた。
一見したところドイツ人かと思ったが、話してみると隣のオランダから来たという。
先ほどの大聖堂ガイドツアーには彼らの他にもドイツ以外の国の人たちも参加していたようである。
2人とも日本に親近感をもっているような感じだったので、日本に来たことがあるのか聞いてみると、2人のうち1人はパイプオルガンを制作する職人で、日本のホールにもパイプオルガンを設置しに来た、と言って、持っていたアイパッドでその時の写真を見せてくれた。

こちらは宝物館の入口。ドアの上の彫像も素晴らしい。



ずっと歩いていて足も疲れてきたので、アーヘン郊外にある温泉にでもつかりたいとも思ったが、それよりもケルンのビールが飲みたくなったので、予定通り16時18分発の快速列車でケルンに戻ることにした。
ケルン中央駅に戻ってきたのが17時12分。駅の構内で野菜バスタとサラダ、それに缶ビールを2種類買い込み、ホテルの部屋に戻った。
シャワーを浴びてサッパリしてから飲むビール。
やっぱりこれが一番落ち着く。

はじめに赤と白のストライプのデザインが目立つ「Früh(フリュー)」。
こちらはケルンのビールらしくさっぱりめ。汗をかいた後の一杯にはちょうどいい。

2本めは「Reissdorf(ライスドルフ)」はコクがあっていかにもドイツビールらしい。

窓の外を見上げると、空はまだ明るく月が浮かんでいた。
月を眺めながらのビールというのもなかなか乙なものである。

(次回に続く)

2015年5月3日日曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(10)アーヘン大聖堂

平成26年9月5日(金)アーヘン大聖堂

さて、いよいよアーヘン大聖堂のガイドツアー。


参加者はおよそ20人くらい。ガイドをしてくれたのはまだ20歳代くらいの若い男性。
「ガイドツアーは約1時間くらいです。説明が面白くなければ、説明を聞かずに写真を撮っていていただいて結構です」と屈託のない笑顔でごあいさつ。
説明が面白くないはずはない、と思ったが、実際にガイドツアー中、説明をまったく聞かないで私たちのグループの一番後ろからついてきて、写真ばかり撮っている年配の白人男性もいた。
後で分かったことだが、どうやらドイツ人以外の人で、ドイツ語が分からない人もいたようだ。一見したところドイツ人かドイツ人でないか区別はつかないが、アーヘンにはお隣の国のオランダやベルギーから多くの観光客が訪れているのだろう。



まずは大聖堂前の中庭の石畳に埋め込まれている見取り図でガイドツアーのコースについて説明。
手前の入口から中庭を通って大聖堂の中に入り、入口ホールを抜けるとオクタゴン(八角形)と呼ばれる礼拝堂がある。その奥が聖歌の間で、ガイドツアーではここまで入ることができ、さらには入口ホールの上、2階の部屋にあるカール大帝の玉座を見ることができる。



冒頭の写真は聖歌の間を正面から見たところ。
天井や柱のモザイクも、奥のステンドグラスも、黄金色に輝く十字架も祭壇も見事としか言いようがない。

そして中央には、やはり黄金色に輝く聖棺。その右奥のパイプオルガンは修復をして600年ぶりにその音色を復活させたもので、私たちが見学している間、教会の方が試しに弾いてくれたので、荘厳なメロディーが大聖堂内に響き渡った。

、アーヘンも他のドイツの都市と同じく連合軍の空襲を受け、さらには市街戦まで行われた。こういった中、8世紀末にカール大帝が建設させたこの大聖堂が戦禍にもかろうじて生き延びたのは奇跡とした言いようがない。
しかし、大きな被害は受けなかったものの、ステンドグラスは所々被害を受けたようである。
こちらは戦後の修復になるもの。よく見ると、ステンドグラスの一番下には寄贈した企業名が。


2階には大理石でできたカール大帝の玉座がある。


2階からより間近に見ると、天井のモザイクも鮮やか。

燭台も大きくてきらびやか。

1階から見ても天井のモザイクは素晴らしい。

アーヘン大聖堂は、入場するだけで写真代として1ユーロ寄付するルールになっている。
それならば4ユーロ出してガイドツアーに参加した方がはるかにお得だ。
2時からのガイドツアーは英語だが、ドイツ語が分からなくても、グループにまじって写真を撮るだけで十分元は取れるので、ここアーヘン大聖堂はガイドツアーがおススメだ。
(次回に続く)