ドイツで10月といえば9月下旬から始まっているオクトーバーフェスト、それに10月3日の統一記念日。
急に涼しくなったせいか10月に入って風邪をひいてしまい、10月3日にドイツ統一を祝えなかったが、喉の具合もだいぶ良くなったので一週間遅れの祝杯。
ビールはサントリーのプレミアムモルツ「香るプレミアム」。
最近ではビールはもっぱらサントリー。
サントリーは文化事業に力を入れていて、サントリー美術館にはよく行くので今回初めてメンバーズ・クラブに入会した縁もあって、応援したいという気持ちが強い。
今日から始まった久隅守景展。
狩野派の枠を飛び出して独自の世界を築いた久隅守景の作品をこれだけまとめてみる機会は滅多にないのではないだろうか。いつ行こうかな、と思いを巡らせている。今から楽しみである。
さて、ビールの話に戻ると、サントリーは「ビール製造には大麦、ホップ、水、(のちに酵母)だけが使用されなくてはならない」というドイツのビール純粋令をしっかりと守っているところがいい。
さらに、この「香るプレミアム」は私の好きな上面発酵のエールタイプのビールなので何しろ口に合う。
ということで今宵も「香るプレミアム」。
ドイツは今、シリアからの難民問題、フォルクスワーゲンの排ガス規制をめぐる不正問題などで大きく揺れている。こういった中、ドイツ統一25周年を迎える今年も、東西ドイツの間には壁が依然として残っているという新聞記事を見かけた(朝日新聞平成27年10月4日)。
新聞記事を引用すると、
昨年の失業率は旧西独5.9%、旧東独9.8%
東の平均所得は西の約8割にとどまっている
9月の世論調査で「統一は未完」と答えた人は、旧東独人が77%、旧西独人64%
さらに、統一後に旧西独から旧東独に移動した人が約210万人に対して、旧東独から旧西独に移動した人が約330万人、その差約120万人。
東西を隔てる壁が建設される前の10年間に約100万人もの人たちが東から西に逃れたが、その時に匹敵する民族の大移動である。
さらに「人々の心の壁も消えていないようだ」とも書かれている。
ドイツの経済誌が一昨年ネット上で調査したところ、
「旧東独人は標準独語が話せない、文句ばかり言っている」
「旧西独人は傲慢、金のことだけ考えている」
といった回答が上位を占めていたとのことである。
ベルリンの壁は崩壊しても、東西の人々の「心の壁」が残っているという問題意識からこのブログを始めたのが4年前。それからドイツに旅行したりもして、東西の違いについてウォッチしてきた。
今年はドイツに行く機会がなかったが、この新聞記事を読んであらためて行ってみたいと思うようになった。
ドイツに行っても昼間は街なかを散歩して、夜になったらビールを飲んでいるだけかもしれないが、それでも統計だけでは見えてこない何か街の雰囲気のようなものが見えてくるかもしれない。
そんなことを考えながら2本目の缶ビールのプルトップをプシュっと開けた。