シリアでは和平交渉の先行きが不透明な状況が続いていますが、シリアに再び平和が訪れることを願って、「はるかなるシリア」と題して、主にシリア紀行を中心に連載していきたいと思います。
はるかなるシリア
平成6年当時は、アラブ圏に興味をもち始め、アラビア語もかなり熱心に勉強していた頃だったので、冬休みの旅行先に選んだのが、当時、中東ではゴールデンコースだったシリアのパルミラとヨルダンのペトラを回る旅。
12月28日(水)、成田空港からエジプト航空でバンコクを経由して翌12月29日(木)にカイロに着いてホテルで仮眠したあと、ギザの三大ピラミッドとスフィンクスを観光して(これはオプショナルツアーで別料金)、その日の夜遅くシリアの首都ダマスカスに到着した。
宿泊したホテルは空港の近くで、空港が街の中心から離れていたせいか、暗がりの中にも周囲には砂漠が広がっているのが分かった。中東に来た、という実感が湧いてきた。
平成6年12月30日(金)
国立博物館、そして8世紀初頭に建てられ、現存する最古のモスク、ウマイヤドモスクやそれに隣接するサラディーン廟、アゼム宮殿を観光して、アラブらしい街の空気を感じたが、何より「アラブに来た」と感じたのは嗅覚からだった。
アラブレストランに入ると、料理に使う香料の香りが漂っている。
スーク(市場)に行けば、大きな麻袋に入った香料が無造作に置かれていて、いい香りを漂わせている。
アラブ圏の料理はそれほど辛くない。
だから、香辛料というより香料といった方がぴったりくる。
写真はウマイヤドモスクの中庭。
ウマイヤドモスク近くにあるアラブ情緒たっぷりの「ウマイヤパレスレストラン」で昼食をとった後、私たち一行はバスで一路パルミラに向かった。パルミラまでは約230km。途中は見渡す限りの砂漠だ。
(次回に続く)