パルミラに着いたのは夕刻。
それでもまだ夕陽の明るさが残っていたので、私たち一行はマイクロバスでパルミラ遺跡を臨む丘の上にある城塞(アラブ城)に登ることにした。
平坦な道を走っているうちはよかったが、坂道になってからはかなりの悪路でマイクロバスはガタガタ揺れながら登って行く。
このくらい大変な思いをした方が、舗装された道をスイスイ登るよりは、探検気分が味わえて、ワクワクしてくる。
苦労して登ったアラブ城からの景色はまた格別である。
目の前に広がるのは、夕闇迫る幻想的なパルミラ遺跡。
列柱道路の柱が右下から画面中央に伸びているのが列柱道路の柱。そして中央はベル神殿。
翌12月31日(土)は一日パルミラ遺跡の観光。
約2000年前にシルクロードの中継点として繁栄したパルミラ。
何しろスケールが大きい。「これぞ世界遺産!」と唸るほど壮大な景観だ。
ベル神殿
列柱道路の柱、奥の丘の上がアラブ城
先月26日に「はるかなるシリア(1)」をアップした翌日、アサド政権軍が過激派組織「イスラム国(IS)」からパルミラを10か月ぶりに奪還したという記事が新聞に出ていた(平成28年3月28日(月)朝日新聞朝刊)。
続いて4月13日(水)の朝日新聞の記事によると、ベル神殿の本殿と列柱、それにバール・シャミン神殿がISによって爆破され、遺跡地区や街中心部にはISによって埋設された約3000個の地雷が残っているという。
この広大な世界遺産の復興はいつになるのだろうか。そしていつになったらシリアの人たちに平和が訪れるのだろうか。
(次回に続く)