2012年4月9日月曜日

旧東ドイツ紀行(16)

11月15日(火) ベルリン→ドレスデン

ドイツに限らずヨーロッパの長距離列車はたいてい6人で1室のコンパートメントになっている。
所定のコンパートメントを見つけ中に入ると、向かいの席に20歳ぐらいの青年が座っていたので、「こんにちは」とあいさつして自分の席に腰かける。そのあと、中年のおじさんが入ってきて通路側の席に座った。
しばらくすると列車は静かに動き始めた。時計を見ると14時48分。定刻どおりの出発だ。
ベルリン中央駅を出ると、長いトンネルが続き、ようやく地上に出たかと思うと、あたりはすでにベルリンの郊外のようで、アパートが立ち並び、さらに走ると家がまばらになって、家並みが途切れてからはひたすら畑と牧草地が広がる田園地帯になった。



暇つぶしに向かいの青年に話しかけたが、「ウクライナから来た。ドイツ語はしゃべれない」という。もう一人の中年の男性は物静かな感じで、ときおりうつらうつらしていたので、特に声をかけなかった。
こうして、約2時間の列車の旅は静かに過ぎていった。




4時過ぎには次第に外が暗くなってきた。いつの間にか少し寝入っていたようだ。
ドレスデン中央駅ももうすぐだ。
体はだるく、熱っぽいが、スチームがきいて暖かいコンパートメントの中で休んだおかげで、少し体調が良くなったような気がした。

ドレスデン中央駅に到着。
下は長距離列車のホーム。向かいの一段高いホームは近郊列車が停まる。


駅構内はリニューアルされて明るくなっている。22年前に革ジャン君たちと出会ったレストランを探したが、取り壊されてしまったようだ。もう当時の暗いイメージはない。
(革ジャン君たちのことや当時のドレスデンの様子は、昨年7月2日のブログをご参照ください)。

駅の建物は昔のままだが、地ビールの広告のネオンが輝いている。

駅前は統一前のドレスデンからは想像もできないほど開けている。中央駅から旧市街地につながるプラーガー通りの両側にはショッピングモールがずらりと立ち並んでいて、多くの市民がショッピングや食事に繰り出している。
中央のpullmanというネオンのある建物は、私が4泊した「プルマン ドレスデン ネヴァ」ホテル。


この日はまだのどが痛く、熱っぽかったのでビールはお預け。
夕食は上の写真の右手のビルの裏手にある「Soup Cafe」でグーラッシュとミネラルウォーター。ジャガイモや玉ねぎなどの野菜がたっぷり入った温かいスープが風邪気味の体を優しく暖めてくれた。

これは「Soup Cafe」を外から見たところ。

時間はまだ早かったが、街の散策は翌日の楽しみにとっておくことにして、夕食後すぐホテルに戻り、明日は調子が良くなって地ビールが飲めるように、と願いつつベッドにもぐりこんだ。
(次回に続く)