旧市街地区と新市街地区を結ぶアウグスト橋。
アウグスト橋を渡りきった新市街地区側には黄金に輝くアウグスト強王の像。バロックの街ドレスデンの基礎を築いた人だけに、街のあちこちに名前が残っている。
これは新市街地区側から旧市街地区を見たところ。聖母教会やレジデンツ城の塔が夕日に照らされ、シルエットのように浮かび上がってくる。
アウグスト橋のたもとでどこかで見たような絵を見つけた。街じゅうが水に浸かった2002年のエルベ川の氾濫を記憶に残すために作った「大波」という作品である。
もちろんオリジナルは葛飾北斎の冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」である。
これは今年2月25日に「川崎・砂子の里資料館」で購入した絵はがき。
「川崎・砂子の里資料館」は、京急川崎駅から歩いて約3分、旧東海道沿いにある江戸後期の浮世絵を中心としたコレクションが豊富な資料館で、この絵が展示されているのがこの日までだったので、あわてて家を飛び出して見に行った。
展示スペースは決して広くないが、入館料無料というのはどうも申し訳ない。そこで、自分の納得する金額ということで寄付金箱に200円入れた。
葛飾北斎は、ドイツでも注目されている。ベルリンでも8月26日から10月24日まで北斎展を開催していた。
これは新市街地区の中央通り。中央通りといっても人と自転車しか通れない。両側には街路樹が並び、その外側にはアパートや商店が並んでいる。
街路樹の葉は茶色になり道路一面を覆っている。空は青く、私は教会に向かう。歩きながら思わずママス・アンド・パパスの「カリフォルニア・ドリーミング」を口ずさんでいた。
行く先は三王教会。空襲にもこの塔だけは破壊されずに残った。
建物自体は新しいが、正面の祭壇だけは焼けずに残ったのだろう。祭壇の前では夜のコンサートのための練習をしていた。厳かな雰囲気の中でいい音楽を聴くことができた。
映画と同じく、路面電車が通るシーンを撮りたかったので、寒い中こごえながら路面電車が来るのを待った。そして来たのはラッピングされた青い車両。統一前は考えられないこと。これもドイツ統一の象徴だろう。
夕食はどうしようか迷ったが、体調もまだ十分でなく、寒い中、外を歩き回りたくなかったので、ホテルのレストランでとることにした。
うれしいことに盛り切り一回のサラダバーがあったので、皿いっぱいによそった。朝食に野菜が少なかったので、野菜がとれない時期だからなのかな、と思っていたが、あるところにはあるものだ。あまりたくさんとったのでウエイトレスさんたちが目をぱちくりしていた。
この日も温かいものが飲みたかったのでスープをたのんだが、これは「ザクセン風スープ」というが、スープの隣のウインナーがザクセン風らしい。子どものお弁当に入れるタコの形にしたウインナーが「ザクセン風」のようだが、両側の先っぽに切れ目を入れてあるのでタコではない。
残念ながらこの日も地ビールはお預け。飲み物はミネラルウォーターにした。
(次回に続く )