ローマ・ゲルマン博物館でローマ時代のケルンの歴史を勉強したあとは、中世の宗教画からバロック、さらには19世紀の絵画の数々を所蔵しているヴァルラーフ・リヒャルツ美術館へ。
展示室は地階から3階まであって、地階は19世紀絵画、2階が中世絵画、3階がバロック絵画とコーナーが分かれている(4階は改装中のため閉鎖されていた)。
どの階も展示している作品が多く、全部紹介していると大変なので、
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http://www.wallraf.museum/sammlungen/
まずは2階の中世絵画のコーナー。
ここでは平成25年9月の「バイエルン美術紀行」で訪れたニュルンベルクやミュンヘンでよくお目にかかったデューラーの作品に再会!
デューラー「笛吹きと太鼓たたき」
クラーナハ父子の作品もいくつか展示されている。
デューラーを中心に左がクラーナハ父の「聖母子像」、右が「聖マグダレーナ」。
次は2階のバロックのコーナー。
ここで紹介するのはフェルメールと同時期のオランダ画家ペーター・デ・ホーホ。
(いかにもオランダ絵画らしい構図!)
そして地階の19世紀絵画のコーナー。
ここにはゴーギャン、ゴッホ、セザンヌ、モネ、ムンクといった日本でも人気の高い画家たちの作品がそろっている。
ゴーギャン「秣(まぐさ)を集める」
ゴッホ「アルルの橋」
セザンヌ「エクス=アン=プロヴァンス西部の風景」
モネのコーナー 「睡蓮」(左)「ファレーズの家、霧」(右)
(「ファレーズの家、霧」はタイトルどおり近くで見ても霧で家がよく見えない)
ムンク「桟橋の4人の少女」
展示風景
以前は真作と見なされていたものが、近年の修復作業の段階で贋作とわかったもので、画家のサインが二重に書き足されていたり、カンバスの材質が違っていたり、赤外線を当てたら空の雲が鉛筆の線で描かれていたことが決め手になったようなことが絵の下の解説に書いてある。
ヴァルラーフ・リヒャルト美術館の建物は新しい。
かつての建物は1943年の空襲で焼けてしまった。所蔵作品は避難させていたので無事だったが、その6年前の1937年にはナチスによって「退廃芸術」と烙印を押されたピカソやムンク、ゴーギャンやココシュカほかの画家の多くの作品が押収されるという受難の時代も経験している。(これらの作品はどこへ行ってしまったのか?)
夕食は珍しく外食。
街の中を歩いていろいろ迷ったが、雰囲気がよさそうなので中央駅近くの「Gaffel am Dom」に入った。
ケルンのビール「ケルシュ」は色がうすめで200mlの細長いグラスで出てくる。
味はさっぱり。ドイツには珍しく夏は湿気のある気候と関係しているのだろうか?
取っ手のついたお盆にビールの入ったグラスを持ったウェイター氏が店の中を回っていて、グラスが空になりそうになると、次のグラスを置き、コースターの右上にボールペンで印をつける(下の左の写真)。
この日の食事は少し奮発して豚の骨付き肉「アイスバイン」(右の写真)。
取っ手のついたお盆はクランツ(Kranz)と呼ばれている。
(クランツは下のGaffelのサイトの左上の写真をご覧ください)
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http://www.gaffel.de/Unsere-Shops/Gaffel-Shop/Gaffel-Koelschkranz-13er-gar369.html
支払いのときに、ちゃんとチップ込みで払ってくれるかな、と心配そうな顔をしていた若いウェイターさんも、私が「24ユーロ」と言って30ユーロを渡すと、ニコッとして6ユーロのお釣りをよこした。
外に出たらまだ明るかった。
私はほろ酔い気分でケルン大聖堂を背にホテルに戻った。
(次回に続く)