東京国立博物館で開催中の特別展「禅-心をかたちに-」(禅展)とのコラボで作品を展示しているチームラボ。今回は、禅展の後期展示が始まる11月8日から展示する新作「円相 無限相」の発表会でした。
一面に銀箔を貼り付けたような背景の上に黒い墨で円が描かれはじめ、さまざまな形に変化していきます。じっと見ていると、魚が飛び出してきて、すぐ消えたりするので目が離せません。
「『円相』をモチーフとして、空間に描く円をイメージしています」と説明するチームラボ代表の猪子寿之さん。
禅展のポスターをバックに、左から 東京国立博物館学芸研究部列品管理課長の救仁郷秀明さん、猪子さん、そして今回の新作発表会にゲストで来ていただいた世田谷にある龍雲寺の細川晋輔住職、恵比寿にある松泉寺の森昌寛住職(龍雲寺、松泉寺とも臨済宗妙心寺派のお寺です)。
細川住職は「先日、禅展を見終わってこの衣装で上野から山手線に乗った時、ハロウィンの仮装と間違われて周りの人たちに写真を撮られた」とユーモアたっぷりにごあいさつされた細川住職。
「今回の禅展は、禅の文化が一堂に並んだ画期的な展覧会です。」
「白隠の禅画は悩み苦しむ人たちに少しでも幸せになってほしいという思いを込めて描いているものです。ぜひ、禅画からメッセージを受け取ってほしい。」と熱く語られていました。
龍雲寺さんには10月21日におうかがいして、龍雲寺さんの所蔵する白隠の禅画をたくさん見させていただきました。どうもありがとうございました。
さて、禅展の方ですが、内容ももちろん、空間をたっぷり使って、展示も趣向を凝らしたレイアウトが何しろ素晴らしかったです。
入口を入ってすぐがポスターにもなっている白隠の「達磨像」(大分・萬壽寺蔵)のお出迎えを受けてすぐ横を曲がると、遠くに見える雪舟の国宝「慧可断臂図」(愛知・齊年寺蔵)。
こちらは「第1章 禅宗の成立」のコーナーです。
今回の禅展は、臨済禅師1150年遠諱と白隠禅師250年を記念して開催された展覧会です。
こちらは今回の主役の一人、臨済禅師の肖像画です。
左 「臨済義玄像」(京都・大徳寺蔵)、右 「達磨・臨済・徳山像」(京都養源院蔵)。
「第2章 臨済禅の導入と展開」では、建仁寺、東福寺はじめ臨済宗のお寺の寺宝がずらりと展示されています。
そして「第3章 戦国武将と近世の高僧」のコーナーの後半は、白隠の作品のオンパレードです。
上の写真では一番左、下の写真では右が、腕を切る前の「慧可断臂図」(大分・見星寺蔵)です。
「第4章 禅の仏たち」のコーナーの展示も渋いです。
中央は、円形に並んだ京都・鹿王院蔵の「十代弟子像」。十人のお弟子さんを間近に見ることができます。
このゆったり感がいいですね。
狩野元信「四季花鳥図」(京都・大仙院蔵) |
松泉寺の森住職が実際にここで座禅を組んで、座禅について説明されていました。
決して堅苦しくなく、気軽に禅文化の奥行きの深さを味わうことができる素晴らしい展覧会です。
11月27日(日)までです。お見逃しなく!
オフィシャルサイトはこちらです。
東京国立博物館 特別展「禅-心をかたちに-」
(禅展の会場内の写真は、東京国立博物館より特別に撮影の許可をいただいたものです。)