ミュンヘン最終日はアルテ・ピナコテークとノイエ・ピナコテーク。
アルテ・ピナコテークは1836年に設立された美術館で、ヴィッテルスバッハ家によって集められた14世紀から18世紀にかけての西洋絵画の名品がずらりと並んでいる。
アルテ・ピナコテークの向かいに建っているノイエ・ピナコテークは1953年にオープンした美術館で、こちらは19世紀の西洋絵画が展示されている。
夕方の4時の飛行機で日本に帰らなくてはならなかったので、あまり時間はなかったが、それこそ「駆け足」で2つの美術館をはしごした。
入館料は、日曜日だとアルテが3ユーロ、ノイエが1ユーロと、とてもお得。
最初に入ったのが、アルテ・ピナコテーク。
今回のバイエルン美術紀行のメイン・テーマであるデューラーの作品は見逃すわけにはいかなかったので、まずは2階の第2の間(SaalⅡ)に向かった。
こちらは西暦1500年、29歳の時に描いた「自画像」。
この2年前に出版された木版連作「ヨハネ黙示録」によって一躍ヨーロッパじゅうに名を広めた若きデューラーではあるが、血気にはやるという風でもなく、悟りの境地にたどり着いたかのような静かな表情を見ていると、こちらもなんとなく心が落ち着いてくる。
それにしてもこのしなやかな右手の人差し指!
「四人の使徒」
左から「カーネーションの聖母子」、「オスヴォルト・クレルの肖像」、「若い男の肖像」。
左から「キリスト哀悼」、「ルクレティア」、「キリスト降臨」、「悲しみの聖母」。
さすがヴィッテルスバッハ家、イタリア・ルネッサンスの作品も充実している。
左はフィリッポ・リッピの「受胎告知」、一番右はダビンチの「カーネーションの聖母子」。
右から2番目はラファエロの「カニージャの聖母子」。
昨年、渋谷のbunkamura ザ・ミュージアムで開催された「ルーベンス展」でもルーベンスの筆使いの迫力を感じたが、これだけ大きいと迫力も並大抵ではない。
(今回のブログの原稿を書くためアルテピナコテークのホームページをあらためて調べましたが、今年から2017年までリニューアル工事のため順番で閉鎖される部屋が出てくるようです。今はエルグレコの部屋は閉鎖されています。この時期にアルテピナコテークに行かれる方はご注意ください。)
駆け足といいつつアルテ・ピナコテークでかなり時間をとったので、ノイエ・ピナコテークは本当に駆け足になってしまった。
それでも、私は今回の旅行で多くの美術作品を見ることができた満足感にひたりながら、ミュンヘン中央駅に向かって歩いていった。
これはグスタフ・クリムトの「マルガレート・ストンボロー=ヴィトゲンシュタイン」(ノイエ・ピナコテーク)
さて、今回の旅行は、夕食を部屋で食べてばかりいて、それはそれで美味しいパスタやビールにありつけたのでよかったが、前日の夜は、ミュンヘン最後の夜ということで外で食べることにした。
とはいっても、足が向くのはやはりイタリアン・レストラン。
宿泊しているホテルに併設されていて、その名もヴェネツィアの「黄金の館」からとった「カドーロ」。
ミュンヘン最後の夜も地ビールとパスタで心地よく更けていった。
(バイエルン美術紀行終わり)
今回のドイツ旅行のレポートも1年かかってしまいましたが、気長にお付き合いいただきありがとうございました。
今年は、来月の3日から8日までケルンを拠点にその周辺の都市を回ってくる予定です。
帰ってきてから旅行記を紹介していきたいと思いますので、どうかご期待のほどよろしくお願いいたします。