観光初日。
朝6時前に起きてたっぷり朝食をとり、ゆっくりコーヒーを飲んでからホテルを出て街の中心に向かった。
今回泊まったホテルは中央駅近くの「オイロペーイッシャー・ホフ(Europäischer Hof)」。
駅前だと歩いて行ける範囲に王宮(レジデンツ)や美術館があるし、ニュルンベルクに列車で行くにもちょうどいい。
しかし誤算だったのは、道路に面した部屋だったので、ホテル前にテーブルを出しているレストランの客の話し声や酔っぱらいの騒ぐ声、パトカーのサイレンの音、といった具合に朝方まで騒々しかったこと。
翌朝、フロントに行って、道路に面していない部屋に替えてもらうよう交渉したが、空いている部屋はないと言う。
後から思ったが、道路に面していない部屋はきっとランクが上の部屋なのだろう。
寝不足気味の頭には、朝の涼しげな風が何とも心地よい。
カールス門をくぐり、メインストリートのノイハウザー通りをぷらぷら歩き、新市庁舎にあるインフォメーションの前で開業時間の9時まで少し待つことにした。
ノイハウザー通り側から見たカールス門
今回の旅行の行程は大まかに次のように考えていた。
9月5日(木) ミュンヘン郊外(ニュンフェンブルク城)
9月6日(金) ニュルンベルク
9月7日(土) レジデンツをはじめとした市の中心、レンバッハギャラリー
9月8日(日)午前 アルテ・ピナコテーク、ノイエ・ピナコテーク
早めに遠くに行って、その後は時間の許す限りミュンヘン市内をうろうろしようという魂胆(こんたん)だ。
インフォメーションが開き、私の順番が来た。
対応してくれたのは年配の女性。
ニュンフェンブルク城への行き方や1日乗車券の適用エリアなどを訊いたが、どれもテキパキと答えてくれて、とても頼もしい。
「ところで、アルテ・ピナコテークやノイエ・ピナコテークは日曜日だと入館料が1ユーロになるんですよね」と私が聞くと、
「よく知ってますね」といった感じでニヤッと笑いながら、「美術館に行くならこれが便利ですよ」と言ってデューラーの自画像が表紙になっているコンパクトな美術館案内パンフレットをカウンターの下から出してくれた。
(アルテとノイエ・ピナコテークは、予定どおり9月8日の日曜日に行きました。ノイエは1ユーロでしたが、アルテは3ユーロでした。それでも安いです)
折りたたむと手のひらサイズになり、左側がミュンヘン市内の博物館や美術館の案内、右側が市内の地図や地下鉄やSバーンの路線図になっていて、とても便利なしろもの。
カンディンスキーをはじめとした「青騎士」の画家たちの作品を多く収集しているレンバッハハウスは長い間休館していたが、今年5月に再開したのがわかったのもうれしい。
インフォメーションの女性は「さらにいいことに夜は20時まで開館しているんですよ」と言って、該当ページの開館時間をボールペンで訂正してくれた。
インフォメーションを出てからもさらに東に歩き、今回はもう来る時間はとれないだろうと思い、イーザル川に沿って遊歩道を歩き、緑豊かな英国庭園の中を散策した。
日が昇ってきて、気温はかなり高くなってきたが、湿気がないので汗はほとんどかかない。
イーザル川河畔
英国庭園
昼も近くなったので、インフォメーションで教えてもらったとおりに、トラムに乗ってニュンフェンブルク城に向かった。
こちらは18番線。途中で17番線に乗り換え、「ニュンフェンブルク城」の停留所で降りた。
停留所を降りると、池に浮かぶ涼しげなニュンフェンブルク城の姿がすぐに目に入ってきた。
(次回に続く)